なぜカサンドラ症候群はつらいのか③-例え話について- | 共依存克服・夫婦問題カウンセラー大村祐輔 takeheartのブログ

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前回、ASDの方に何か話をする際に、いろいろな方面でかなりの制限がかかる、ということを書きました。
そのせいで話をする前からエネルギーを奪われてしまうことがある、というお話でした。

今回はこの制限について具体的に書きたいと思います。

 

カサンドラ側の方はこういうことを言語化されるだけでも少し楽になることもあると思います。

言語化されたとしてもASDの方との会話がスムーズになるわけではありませんが、少なくとも言葉にならずにモヤモヤしていたものは晴れるかと思います。

また、ASDの方からもご相談いただくことがありますが、こういうことで会話がすれ違っているのか、と理解いただければと思います。

言語化されることで定型の方がどんな風に会話しているのかがわかると思います。

両者が共に理解することが重要ですね。

 

さて本題です。

 

皆さんは誰かに何か説明をする際に、例え話を使うことがあると思います。

わかりやすく説明するために使いますよね。

この例え話がASDの方にとっては混乱の原因になることがあります。

例え話をしたことによってASDのパートナーが混乱に陥ってしまったという経験がある方は多いと思います。

本来わかりやすくするための例え話がASDの方にとっては逆にわかりにくくなってしまうのです。

 

ASDの方は、

例え話を本題に変換してしまう、

ことがあります。

 

例え話というのは、もし記号で表すなら、本題をAとした場合、A´のようなものだと思います(厳密には若干違うような気もしますが、わかりやすくA´にしておきます)。

ですが、ASDの方はA´をBと捉えてしまう傾向がある、ということです。

違う話だと思ってしまう、ということです。


本題と例え話の間にある関係性を理解できない、ということです。


例え話を聞いているうちに、さっきまで話していた本題を忘れてしまう、ということもあります(短期記憶の問題)。

 

さらにこれが口頭ですとよりわかりにくいようです(耳から入ってくる情報処理が不得意)。

 

以上のようなことがあるため、例え話をしたカサンドラ側に対して、

「今そんな話はしてないよ」

「なんで急にその話になったの?」

「なんでその話に変わったの?」

などと言うわけです。
(そしてここからどんどん話が変わっていき、カサンドラ側は本題に戻したり本題について話す気力がなくなるのです。「例え話をしなければ良かった」という後悔も生まれます。「定型の方相手ならそもそも例え話をする必要はなかっただろう」という思いも生まれます)

 

例え話が例え話だということがわかりにくいのです。

そのため、例え話を使えない話し手はとても苦労します。

このあたりがカサンドラ側の辛いところかと思います。

 

「話は変わってないよ。例え話をしているだけだよ」

と言っても、この説明自体がわかってもらえないのです。

 

これは仮定の話にも当てはまります。

上の文章の「例え話」を「仮定の話」に置き換えてみてください。

 

中には自分の理解力を棚に上げて「説明が悪い」と怒りだす方もいます。

ですが、前回書いたように、カサンドラ症候群の方の説明はむしろわかりやすく丁寧です。

怒られることによって、カサンドラ側も動揺したりしてそのために説明がおかしくなってしまうことがありますが、それはASD側が怒るから動揺してそうなるわけです。

本来は説明は上手なのです。

 

同様に、ASDの方は比喩がわかりにくい、ということもあります。

学校での勉強ではわかるようですが、通常の会話で使用されると途端にわかりにくくなるようです。

学校で学んだことがテスト上では活かされるが、日常生活では活かされない、という方は多いです。

 

カサンドラ側は、こうした制限によって、「じゃあどうしたらわかってもらえるのか」を延々と考えるわけです。

ですが、考える割に成果が出ない(既に今までしてきた説明が一番わかりやすい説明だからです)ところが辛いところです。

 

前回にも書きましたが、最後に一つ注意点をお伝えします。

発達障害と診断を受けていないパートナーに対して、発達障害だと決めつけることによって夫婦問題が悪化するというケースもあります。

決めつけた側がパートナーに対して非現実的な要求をしてしまい、それがどんどん過度になっていっていることに気付けなくなる、

ということが起きます。

「それって定型の人でも察するのは無理だよ」ということも「相手が発達障害だからわからないのだ」と判断してしまう、ということです。

こういう視点がないとモラハラの加害者になってしまう危険が出てきます。

こうならないためにも、第三者の目は必要に思います。

 

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参考ページ

共依存・アダルトチルドレンチェックリスト

アスペルガー症候群とカサンドラ症候群

 

参考ブログ

なぜ共依存から抜け出せないのか-サンクコスト効果-

カサンドラ症候群克服にはACの克服が最善策か

なぜ過去の同じ話を何度もされてしまうのか

なぜカサンドラ症候群はつらいのか①-自己完結について-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか②-説明の困難さについて-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか④-応用が難しい-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑤-記憶について-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑥-カサンドラの怒りについて-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑦-受動型ASDについて-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑧-話の一部を切り取って話す-
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑨-見たものだけで判断する-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑩-「自分はそうは思わない」-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑪-「普通」について-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑫-知識がつくことによるつらさ-


 

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