書くのが大好き~!と、口にしなくとも、その態度からひしひしと伝わってくるものです。
難易度が高い「め」の二画目に興味津々。このような筆の返しは、“書技法のカベ”の一つ。
大人でも自然な筆のターンを引き出すのに苦戦するところですが、小学校低学年の生徒さん、お構いなしにウキウキで上達していきます。
「起筆」の「起」は、筆の蹲踞性を引き出すこと。平安の三筆、弘法大師・空海が得意とした「蹲筆」。
この蹲筆性の度合いが“書技法のカベ”の一つでなのですが、小学生の生徒さん、あっという間に乗り越えていきます。
「なんじゃこりゃ~!」と、中学生になると要求されるポイントが増えて驚く生徒さん。
撚筆や展筆、捩筆(筆をねじったり、刷毛状にしたり、開いたりといった技法)など、様々なテクニックが課題に含まれるように。
この撚・展・捩筆も“書技法のカベ”の一つ。ペチャっと筆の腹でなでてしまったり、バサバサッと筆先がまとまらなかったりで病筆(墨猪や撒箒など)に陥りやすいところ。
病筆になってしまうと落ち込んでしまいがちですが、中学生の生徒さん達、失敗を恐れず、前を向いてチャレンジを繰り返してくれています。
「手本通りに書く」と「手本をアレンジして書く」の間にも、小さくはない“書技法のカベ”がある・・・
はずですが、入会初日から、古典に基づいて手本をアレンジする大人の生徒さんも。
みなさん、積極的に古典に親しまれておられ、曹全碑、王義之、孫過庭、嵯峨天皇、顔真卿、米芾、趙孟頫、文徴明、張瑞図、王鐸、何紹基、呉昌碩…一つのクラスでも、様々な書風が登場します。
同じ言葉を、たくさんの古典に基づいてアレンジしあってみると、やはり、稽古の場も充実するもの。
ますますと、“書技法のカベ”をひょいっと乗り越えていかれています。
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