前半編に続いて、
後半・応用編のレポートを少々。
前半のテーマは「とおる」で、
今回、後半のテーマは「はずむ」。
基礎編で、「気づかす形骸化した枠(思い込みや癖)を外した上で、
改めて書に向き」(by小関勲バランストレーナー)合う時間、
具体的には、色紙で書作品制作にチャレンジします。
「塑性」ではなく「弾性」の身体や
「骨で立つ」ことをヒモトレを介して味わうと、
「蹲筆」という筆法(筆毛の弾力を引き出す)が、
初心者の方にも引き出されていきます。
「黙守」という触れ方に関するコツも
小関先生から教わり、
筆と紙の接し方のみならず、
書に対する向き合い方も、
上手いか下手かの「正しく書く」から
カラダとの対話を通じて「健やかに書く」ことに、
変化していきます。
「書は散なり」。
日本史上随一の書の達人・空海は、
そのように書の極意を伝えています。
それは、小関先生のおっしゃる
「表現とは善悪正誤なくその人らしさ」を出すこと、
「出来上がってしまった答えを外す」ことに通じます。
創作の時間だけでなく、臨書の時間を設けたのは、
空海が現代に伝える「人生を豊かに生きるコツ」を、
少しでも感じて欲しかったからです。
書の稽古の心構えのひとつとして
「干魚を以って転じて生魚となす」との言葉があります。
最初の方は、
固定観念や評価判断などを頼りにして
「干魚」のようだった書が、
最後には、参加者の皆さんの「らしさ」(生命)で
書と対話するようになり、
「干魚」がまさに、「生魚」となって、
自由に大海を泳ぐように変化していきました。
会場からの景色も見事でしたが、
みなさんの表情も作品の景色も本当に見事でした。
素晴しい機会を与えてくだれた小関先生、
朝日カルチャーセンターの福井さん、
細やかなサポートをしてくれたアシスタントの皆さん、
そして、ご参加くださった受講生の皆さん、
愉快な時間を
本当にありがとうございました!