1982年のアルバム(その20 H2O / Daryl Hall John Oates)
1983年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャート最高位 No.3のアルバムの最後は・・・
Daryl Hall John Oates
H2O
勿論、2人のイニシャルと、水の元素記号をかけ合わせたもの
まさに彼ららしいタイトルと言えるでしょう。
実は、本作品、1982年10月にリリースされたのですが・・・
アルバムからのヒット曲の影響で、ロング・セラーとなっていたのは、1983年・・・
・・・ということで、どちらに入れるべきか迷ったのですが・・・
1982年10月~11月に、初の日本武道館公演を含む日本公演が決定
しかも前回の来日公演以降の2年間に桁違いのビッグな存在に・・・
いわば凱旋公演とも言えそうな日本公演のタイミングで・・・
先行シングル Maneaterと同時に「来日記念盤」としてリリース
そのようなこともあって、1982年の方に入れさせていただきました。
シングル Maneater、Motown サウンドにインスパイアされたといった感じで・・・
ベースが軽快に響き、ノリのいい大ヒット間違いなしといったナンバー
全米チャートを急上昇、No.1は時間の問題、そんな状況でした。
その時の来日公演、自分は追加公演に当たる11月2日の日本武道館公演
そのチケットを購入
・・・気分も高まってきたので、ニュー・アルバムは一刻も早く聴きたい
秋葉原の大手のお店で、輸入盤入荷と同時に購入
2人が向き合っているジャケットも印象的ですが・・・
「どちら向きが正しいのか・・・」そうも思ってしまいました。(苦笑)
レコーディングは、1981年~1982年
ニュー・ヨーク・シティ Electric Lady Studiosにて・・・
メンバーは・・・
Daryl Hallリード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、キーボード🎹、シンセサイザー、ギター
John Oatesバッキング・ヴォーカル、リード・ヴォーカル、6弦&12弦ギター、エレクトリック・ピアノ🎹、シンセサイザー、コンピューター・ドラム他
G.E. Smithリード・ギター、Tom "T-Bone" Wolkベース
Mickey Curryドラムス、パーカッション🥁
そしてお馴染み、Charlie "Mr. Casual" DeChantサックス🎷
今回も6人編成のバンド形態となっています。
シンセサイザー・プログラミングは、Larry Fast
また "Little Itsly Mandolinos”として・・・
Daryl Hall、John Oates、Tom "T-Bone" Wolkがクレジットされています。
エンジニアリングは、Neil Kernon
アシスタント・エンジニアリングは、Bruce Buchalter、Barry Harris、Michael Somers-Abbott、ミキシングは、Hugh Padgham
マスタリングは、ニュー・ヨーク Masterdiskにて、Bob Ludwig
プロデュースは、Daryl Hall、John Oates、Neil Kernonです。
アルバム・ジャケット
アート・ディレクション、デザインは、Mick Haggerty、Geoffrey Kent
ジャケット写真撮影は、Hiro、内ジャケット写真撮影は、Larry Williams
そのようにクレジットされています。
A面1曲目、ベースが響き、シンセサイザー、サックス🎷、そして Darylの歌
Maneaterでスタート、マイナーなコード進行ながら、ノリのいいナンバー
作曲は Daryl Hall、 John Oates、作詞は、Sara Allen
Darylをバックアップする Johnの歌、そしてCharlieのサックス・ソロ🎷
T-Boneのベースでノリよく、Daryl、シャウト気味にフェイドアウトしていきます。
前述の通り、第1弾シングルで、全米 No.1、全米R&Bチャート No.78、全米ダンス・チャート No.18、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.14、全米ロックン・ロール・チャート No.1、全米メイン・ストリーム・ロック No.18、ゴールド・ディスク獲得、1983年全米年間シングル・チャート No.7、全米チャート上で、Daryl Hall John Oates最大のヒットとなっています。その他、カナダ No.4、ゴールド・ディスク獲得、1982年年間 No.35、オーストラリア No.4、ニュージーランド No.4、南アフリカ No.2、西ドイツ No.15、1983年年間 No.57、スイス No.2、オランダ No.18、ベルギー No.8、スウェーデン No.5、ノルウェー No.6、デンマーク No.7、スペイン No.1、アイルランド No.8、そして全英 No.6、プラチナ・ディスク獲得・・・
全米だけfでなく世界中で大ヒットを記録しています。
2曲目、ドラムス、ベースが刻むリズム、シンセサイザー、Darylの歌
Crime Pays、作詞は、Daryl Hall、 John Oates、Sara Allen
作曲は、Daryl Hall、静かに歌い始め、効果的シンセサイザー
Johnのコーラスも入り、徐々に Darylを盛り上げていきます。
3曲目、一転して、ファンキーなギターのイントロから歌い出すDaryl
Art Of Heartbreak、作詞は、Daryl Hall、 Sara Allen、Janna Allen
作曲は、Jane Allen、ギターのカッティングに合わせてノリよく歌われ・・・
Charlieのサックス🎷は音を歪ませ、全面に登場、そしてソロ🎷も・・・
ハイトーンのコーラス、最後はリフレイン、ブルージーなロック・ナンバーです。
4曲目、勢いが静まって、シンセ・ドラムの音に、心地よいキーボード音🎹
One On One、作詞作曲は、Daryl Hall、優しくメロディアスなDarylの歌
Johnは、R&Bコーラス・グループのように歌を入れ、そして Charlie
前曲とは一転、叙情的なサックス・ソロ🎷を聴かせてくれます。
最後は、DarylとJohnのかけ合い、リフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
大方の予想通り、アルバムから第2弾シングルで、全米 No.7、全米R&Bチャート No.8、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.4、全米ロックン・ロール・チャート No.2、1983年全米年間チャート No.39、その他、カナダ No.6、カナダ AC No.2、1983年年間 No.58、オーストラリア No.71、ニュージーランド No.21、そして全英 No.63・・・こちらも世界中で大ヒットとなっています。
5曲目、ドラムスからブルージーなイントロ、ソウルフルに歌う Daryl
Open All Night、作詞は、Sara Allen、Daryl Hall、作曲は、Daryl Hall
彼らならではのブルー・アイド・ソウルの典型といえるナンバー
DarylとJohnのかけ合いもキマり、、G.E.Smithのソロもフィーチャー
最後は静かにストリングスとコーラスでフィナーレとなります。
尚、Bruce Springsteen が同時期に同名異曲をリリースしていますが・・・
都会の夜の情景を歌っているのに対し、こちらは男女の情事のようです。(笑)
B面1曲目、Darylが(いい喩えではありませんが)数え歌のように歌い始める・・・
Family Man、Mike Oldfieldが、1982年にリリースしたナンバー
(全英 No.45、アルバムFive Miles Out収録、ヴォーカルはMaggie Reilly)
作詞は、Mike Frye、Mike Oldfield、Rick Fenn、Tim Cross
作曲は、Maggie Reilly、Morris Perl、珍しくカバー曲、最初は静かに・・・
ドラムス、ギター等が加わり、歌を盛り上げて、G.E.Smithのソロ
最後はDaryl、John の歌と、ギターでフェイドアウトしていきます。
アルバムから第3弾シングルで、全米 No.6、全米R&Bチャート No.81、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.86、全米ロックン・ロール・チャート No.7、1983年全米年間チャート No.67、その他、オーストラリア No.49、アイルランド No.15、そして全英 No.15、3枚目のシングルながら世界中で大ヒットです。
2曲目、ドラムスからギターのイントロ、アップ・テンポで、Johnが歌う・・・
Italian Girls、作詞作曲は、John Oates、Darylは、終始バックアップ側
ストレートなロック・ナンバー、カナダでは第3弾シングル、No.24となっています。
3曲目、軽快なキーボード音🎹とともにノリよく、Darylが歌う・・・
Guessing Games、作詞はDaryl Hall、作曲はJanna Allen、Daryl Hall
Johnのコーラスもポップにリラックスムードで盛り上げていきます。
4曲目、軽くギターが刻まれ、スピーディーに、パワフルに歌い始めるDaryl
Delayed Reaction、作詞は、Daryl Hall、John Oates、Sara Allen
作曲は、Daryl Hall、DarylをバックアップするJohnの歌
そして心地よくギターのカッティングが盛り上げています。
5曲目、ドラムス、ベース音が響き、重厚なムード、そこへJohnの歌
At Tension、作詞作曲は、John Oates、ややシャウト気味に歌うJohn
Darylはバックアップ側、ギターも効果的に入るブルース・ロック・・・
徐々に盛り上がり、最後はドラムスとストリングス音でフィナーレです。
6曲目、ピアノ🎹が刻むリズム、ストリングス等が加わり、Darylが歌う・・・
Go Solo、作詞作曲は、Daryl Hall、スローでメロディアスなナンバー
ギターも効果的に挿入され、ヒット曲 Wait For Meを思わせるところも・・・
Darylの歌を中心にフェイドアウト・・・アルバムは幕を閉じます。・・・
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.3
Daryl Hall John Oatesとしても、全米チャートで最高のランク・インです。
全米R&Bアルバム・チャート No.8、全米ロック・アルバム No.19、ダブル・プラチナ・ディスク獲得、1983年年間アルバム・チャート No.4・・・
その他、カナダ No.1、トリプル・プラチナ・ディスク獲得、1982年年間 No.70、1983年年間 No.7、オーストラリア No.3、プラチナ・ディスク獲得、1982年年間 No.84、1982年年間 No.85、ニュージーランド No.3、1983年年間 No.28、オランダ No.30、西ドイツ No.32、ノルウェー No.19、スウェーデン No.8、そして全英 No.24、プラチナ・ディスク獲得・・・
全世界で、彼らのアルバムの中で最大のヒットを記録しています。
Daryl Hall John Oates
彼らは、決してデュオではなく、6人編成のロック・バンド
前作からそのような形態でしたが、本作で完全に確立された
そのように言えるでしょう。
さて、本作リリースとほぼ同じタイミングで行われた来日公演
前述の通り、自分は追加公演となった1982年11月2日の日本武道館公演へ
Did It In A Minuteから勢いよくスタート
Maneaterは、T-Boneのベースから、ライヴ中盤にプレイ
アンコールのFamily Manと本作からは、まだ2曲だけで・・・
全体的な構成は2年前と同じものの、けた違いに存在感が大きくなった
それを見せつけられた気がしました。
(尚、NHKホール公演は、TV放映もされました。・・・)
Maneaterは、1982年~1983年の橋渡しといった大ヒットとなり・・・
これも前述の通り、H2Oも1983年に入ってもロング・セラーとなりました。
来日公演を一緒に行った友人、Family Manが、半年以上経った’82年初夏
ヒット・チャートを上昇してきたことを驚いていました。
'80年代に入り、ヒット街道まっしぐらだった Daryl Hall John Oates
その頂点といえる時期が、このH2Oの頃・・・間違いないでしょう。