1976年のアルバム(その86 Bigger Than Both Of Us / H&O)
1976年のアルバム・シリーズ・・・
平成の時代にちょうど'80年代には超大物となっていたHeartのアルバムで終わったということで、キリがいいところでしたが・・・
「令和」になってからもまだ少し続きますよ。
・・・ということですが、これから登場するアルバムは1976年の後半に出て、1977年にかけて話題になったものが多いと思います。
そして登場するのが、Daryl Hall & John Oates
1973年にAbandoned Luncheonetteという名盤をリリースして、ブルー・アイド・ソウルなどと言われ、マニアックなファンには知られた存在
1975年にRCAに移籍しての第1弾、Daryl Hall & John Oates、The Silver Albumと呼ばれるアルバムで日本には初めて紹介され・・・
そこからのシングルSara Smile(邦題「微笑んでよサラ」)が、全米で大ヒット
ちょうど自分が洋楽を断っている時期ですが(苦笑)1976年になり、全米4位の大ヒットで一気にブレイクしたようでした。
そしてこの年には、1974年にはTavaresもカバーしたShe's Goneがシングルとして再リリース
こちらもなんと1976年には、全米6位の大ヒットとなりました。
(余談ですが、Tavaresの邦題は「悲しき別れ」に対し、Hall & Oatesは「追憶のメロディー」でした。・・・)
まさに1976年の台風の目といえる大ブレイクのDaryl Hall & John Oatesですが、そんな中登場したのが、RCA移籍第2弾アルバム
Bigger Than Both Of Us
邦題はまさにそのものといえる「ロックン・ソウル」
1975年のアルバム・シリーズで、Daryl Hall & John Oatesが100枚の選に漏れてしまったので・・・(苦笑)
Hall & Oates初登場です。
ブルー・アイド・ソウルでもあり、'70年代のSimon & Garfunkelのようにも言われたデュオであるDaryl Hall & John Oatesですが、この時のメンバーは・・・
Daryl Hallリード・ヴォーカルバッキング・ヴォーカル、キーボード、シンセサイザー他・・・
John Oatesリード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、リズム・ギター、ハーモニカ他・・・
Christopher Bondリード・ギター、キーボード、シンセサイザー
その他の参加ミュージシャンは・・・
Tom Hensleyアコースティック・ピアノ、Scotty Edwardsベース、Leland Sklarベース、Jim Gordonドラムス、Ed Greeneドラムス、Gary Colemanパーカッション、Tom Scottフルート、サックス、リリコーン
そしてHall & Oatesの第3の男といえるCharles DeChantがサックス・・・
凄いメンバーです。
ハリウッドのCherokee Studiosにてレコーディング
エンジニアとミキシングは、John Arrias、John Mills
アレンジメントは、Daryl Hall、John Oates、Christopher Bond
プロデュースはChristopher Bondです。
A面・・・サックスをフィーチャーしたドラマチックなイントロ
Back Together Againでスタート
John Oatesの作品で、フィラデルフィア・ソウルを思わせるナンバー
メインで歌うのはJohnですが、ファルセットでのコーラスも効果的
オープニングに相応しいナンバーです。
2曲目、軽快なDarylの歌Rich Girl
作者はDaryl Hall
キャッチーなナンバーだけに、ラジオ番組での新譜紹介ではよく取り上げられていました。・・・
3曲目、アコースティックに始まると思いきや、これもソウルフルなナンバー、Crazy Eyes
Johnの作品で、Johnが中心に歌っています。
4曲目、Do What You Want, Be What You Are
Daryl HallとJohn Oatesの作品で、メインに歌うはDaryl
ソウルフルに熱唱
後半、ギターもフィーチャー
邦題は「ドゥ・ホワット・ユー・ウォント」と短縮・・・
大ヒット曲Sara Smileを思わせるナンバーということもあって、アルバムから第1弾シングルになりましたが・・・あまりヒットしませんでした。・・・
5曲目・・・シンセサイザーを多用したイントロから、Kerry
Stephen DeesとDaryl Hallの作品で、メインに歌うのはDaryl
斬新なサウンドで「ブルー・アイド・ソウル」というよりは、'80年代以降の彼らの作品に近いような気がします。・・・
共作者のStephen Deesがアレンジメントにも加わっています。・・・
B面へ行くと、ギターのイントロから、London Luck & Love
Daryl Hall、John Oates、そしてSara Allenの共作
そう、Sara Smileのモデルで、DarylのガールフレンドだったSara Allenさんです。
Darylがメインに歌うポップなロック・ナンバーです。
2曲目、ハードなロック・ナンバー、Room To Breathe
こちらも、Sara AllenとDaryl Hallの共作で、Darylのリード・ヴォーカル
スワンプ風なギター、軽快なピアノ、サックスも入って、典型的なアメリカン・ロックと言えるでしょう。
3曲目、一転、やや重厚なムードにハーモニカも加わり、You'll Never Learn
Daryl HallとJohn Oatesの共作で、Johnのリード・ヴォーカル
Slugger Blueという人が、"G Kick"ドラムス担当、軽快なコーラスが入ることでゴスペルっぽくもなっています。・・・
アルバム最後は、Darylの歌から始まる、Falling
Daryl Hall単独の作品で、静かに聞かせるナンバー
・・・ですがバックに色々な音が入っていて、ギター・ソロをブリッジに・・・
後半はシンセサイザーを多用した幻想的なインストゥルメンタルに・・・
3~4分のシングル・ヒット向きのナンバーが多い中、アルバム最長の6分を超える子のナンバーでアルバムは幕を閉じます。・・・
このアルバム自分は、先ず輸入盤で購入しました。・・・
当時は「ブルー・アイド・ソウル」と定義づけられたDaryl Hall & John Oatesですが、それは、Sara Smile、She's Gone等のヒットが続いたからで、このアルバムから、彼らが実にバラエティに富んだ、そして時代をリードする音楽を作り出していたことがわかります。
因みにこの少し後に登場するEaglesのNew Kid In TownはDaryl Hall & John Oatesのことを歌ったと言われていました。・・・
1977年の話になりますが、ここからの第2弾シングルカット、Rich Girlがじわじわとチャートを上昇し、遂に全米No.1に
初のNo.1で、彼らも頂点を極めたように思いました。・・・
但し、次の、Back Together Againがあまりヒットせず・・・(全米29位)
以降、やや低迷することになってしまいます。・・・
そう、勿論、その時は’80年代以降のあの大ブレイクなど、想像もしませんでした。・・・
今回は1976年ということですが、余談を・・・
このアルバムタイトル曲は入っていませんでしたが、次のアルバムBeauty On A Back Streetに、Bigger Than Both Of Usは収録されました。
そして、1983年にベスト盤Rock'n Soul Part 1が出た際には、ここで「ロックン・ソウル」という邦題を使ってしまったために、「フロム・A・トゥ・ONE」という邦題が付けられていました。・・・