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1978年のアルバム(その87 AlongTheRedLedge/Hall&Oates)
1978年のアルバム・シリーズ
そろそろセレクトも慎重にならなければ・・・
・・・なのですが、そんな中、久々に登場するのが・・・
Daryl Hall & John Oates
「ブルー・アイド・ソウル」という言葉を定着させ・・・
Sara Smile、She's Gone
、Rich Girl
・・・と立て続けてヒットを連発
・・・その後、ヒットはやや乏しくなってと思われた1978年、ライヴ・アルバム
Livetimeをリリース
シングル・アルバムで、Rich Girl
で始まり、代表曲も収録されていましたが・・・
1枚で物足りない部分もあったのでしょうか・・・
あまりヒットもせず(全米No.42)Hall & Oates
も低迷期へ・・・
そのようにも思ったのでした。・・・
・・・ですが、このライヴ・アルバムが収録されたツアー辺りから・・・
Caleb Quaye、Kenny Passarelli
、Roger Pope
と、ちょうど活動を停止した Elton John Band
のメンバーがバックに加わり・・・
勿論、Hall & Oatesの第三の男といえるサックスの Charlie DeChant
も加わって
Daryl Hall John Oatesは、バンド
として定着するのでした。
さて、そんな彼らの次の動きとして、ニュー・アルバムを発表
当時、売れっ子になりつつある David Fosterがプロデュース
またアルバムには、Daryl
とは親交のある Robert Fripp
や、George Harrison
も参加しているとのこと
そして、タイトルは・・・
Along The Red Ledge
そして先行シングルは・・・
It's A Laugh
こちらは、「ブルー・アイド・ソウル」ではなく、新しいタイプのロック・サウンド
Darylの歌は、健在ですが、戸惑ったファンもいたでしょう。・・・
日本でもラジオ番組等でよくオンエアされ始め、アルバムの邦題は・・・
「赤い断層」
いわば直訳といえ、「なんだこのタイトル」と思った人も多かったでしょう。(笑)
そのアルバム・ジャケット、タイトル通り、"Red Ledge"ということでしょう。
アート・ディレクションは、Dick Smith
アルバム・ジャケット写真撮影は、Eric Kroll
グループの写真撮影は、Barbara Gray
そしてジャケット・デザインは、"Sara Smile"でもお馴染み、Sara Allen
です。
アルバム・レコーディングは、1978年・・・
カリフォルニア州、ノース・ハリウッドの Davlen Sound Studios
カリフォルニア州、ロスアンゼルスの Sunset Sound
そしてニュー・ヨーク州、ニュー・ヨーク・シティの The Hit Factoryにて・・・
バンド・メンバーは・・・
Daryl Hallヴォーカル、キーボード、パーカッション
John Oatesリズム・ギター、ヴォーカル
Charlie DeChantサックス
Caleb Quayeリード・ギター
Kenny Passarelliベース
Roger Popeドラムス
David Kentキーボード、シンセサイザー、バッキング・ヴォーカル
前作Livetimeと同じ7人編成です。
その他参加ミュージシャンは・・・
キーボード・・・
David Foster、Steve Porcaro
、George Bitzer
ギター・・・
Jay Graydon、Steve Lukather
、Cheap Trick
のRick Nielsen
、Todd Rundgren
、Dick Wagner
ベース・・・Les Thompson、パーカッション・・・Steve Forman
ストリングス・アレンジメント・・・Gene Page
そして前述の通り、Robert Fripp、George Harrison
が1曲ずつ参加
ミキシングは、ニューヨーク The Hit Factoryにて、Ed Sprigg
マスタリングは、ニューヨーク Sterling Soundにて、Pat Martin
スタジオ・アシスタントは、Glen Lee、Alan Davis
エンジニアリングは、Humberto Gatica、Tom Knox
、Ed Sprigg
アシスタント・エンジニアリングは、Chris Desmond、Mark Linett
、Jon Smith
、Patrick Von Wiegandt
アレンジメントは、Daryl Hall、John Oates
、David Foster
そして、プロデュースは、David Fosterです。
あと、マネージメント・ディレクションとして・・・
前作に続き、その後、Mariah Careyと結婚する・・・
Tommy Mottolaがクレジットされています。
A面1曲目、ドラムスから、サックスをフィーチャーしたイントロ・・・
It's A Laugh、Daryl Hall
の作品
静かにDaryl が歌い始め、バックには軽快にキーボード音
そしてサビの部分、ここで転調、Beach Boys風のコーラス
従来のHall & Oatesとはややイメージが異なるナンバー
前述の通り第1弾シングルで、全米No.20、カナダではNo.23
久々にTOP20入りを果たしました。
ハードなロック・サウンドをブリッジに、2曲目は・・・
Melody For A Memory、John Oates
の作品
いったん静まって、Johnがソウルフルに歌い始め・・・
まさに「ブルー・アイド・ソウル」、途中からDarylが歌に加わります。
John、Daryl
交互に歌い、従来のHall & Oates
のイメージですが・・・
ストリングスがフィーチャーされるものの、ロック色の強いサウンドに・・・
邦題は「想い出のメロディ」」でした。
ドラムスが響き、アコースティック・ギター、
そう、多くのミュージシャンが影響を受けたPhil Specterサウンド
、3曲目は・・・
The Last Time、Daryl Hall
の作品で、Daryl
自身が軽快に歌い・・・
Johnたちメンバーが、重厚なコーラス
を・・・
そして途中入ってくる聴き覚えのあるギター
そう、なんとGeorge Harrisonが参加しているのです。
フィラデルフィア・サウンドを思わせるストリングスの入ったイントロから4曲目は・・・
I Don't Wanna Lose You、Daryl Hall
、John Oates
の作品
歌は、力強く歌うDaryl、John
が軽快にコーラス
Elton JohnのPhiladelphia Freedom
を思わせるナンバー
・・・ですが、ここでのメンバー3人は、恐らくElton John Band
時代に、Philadelphia ~
のプレイに慣れているでしょう。・・・
ストリングス・アレンジメントは、Gene Page、サックスも効果的
邦題は「君を失いたくはない」
アルバムから第2弾シングルに、全米No.42
全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.49でした。
5曲目は・・・静かにキーボードとギターのイントロでDarylが歌い始める・・・
Have I Been Away Too Long、Daryl Hall
の作品
スローながら、ハイトーンも含め熱唱するDaryl、John
が終始バックアップ
泣きのギターも入ってきます。・・・
こちらも「ブルー・アイド・ソウル」なのですが、バックのサウンドに新しいものを
邦題は「愛は彼方に」でした。
B面、1曲目は、シンプルでハードなギターのイントロで・・・
Alley Katz、Daryl Hall
、John Oates
の作品
スピーディーにパワフルに熱唱するDaryl、それに合わせるJohn
ストレートでハードなロックン・ロール
当時のパンク・ムーブメントに対する Hall & Oatesの答なのでしょう。・・・
尚、ノリのいいナンバーだけに、当時、ラジオ番組でこのアルバムが紹介される時にはよく取り上げられていました。・・・
2曲目、シンセサイザー音がフェイドインして、ハードなギターのカッティング・・・
Don't Blame It On Me、Daryl Hall
、John Oates
の作品
こちらもDarylがシャウト気味に歌うロックン・ロール
ですが・・・
前曲とは違うムード・・・それも、その筈、途中フィーチャーされるギター・ソロ
そう、Robert Fripp、唯一無二の彼の世界
このアルバムの聴きもの
、邦題は「愛に罪はない」
最後は、コーラス部分のリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
3曲目、硬質のギターのイントロから、今度はJohnが歌う・・・
Serious Music
キーボードで参加しているGeorge BitzerとJohn Oates
の作品
こちらはJohnのシンプルなロックン・ロールですが、シンセサイザーが効果的に挿入、途中静まって、ギターをブリッジにDaryl
の歌も入ってきます。
4曲目、ストリングスをバックに優しくJohnが歌い始める・・・
Pleasure Beach、John Oates
の作品
静かな曲と思いきや一転、ノリのいいオールディーズ風ロックン・ロールに
サックス、ギターもフィーチャー、楽しげなコーラスも楽曲を盛り上げます。
5曲目、ストリングスをバックにエレクトリック・ピアノ・・・そこへDaryl
August Day、Sara Allen
とDaryl Hall
の作品
、邦題は「八月の恋」
シンプルなエレクトリック・ピアノをバックに、ここはDarylの独壇場
後半、ハーモニカのような音も入ってきて心地よいムードの中、Darylの歌で、締められます。・・・
No.26の次に登場させたことが示す通り・・・
全米最高位No.27、カナダでは、No.52
全米ではゴールド・ディスク獲得となりました。
It's A Laughは、久々に少しヒットしたものの、このAlong The Red Ledge
Sara Smile、She's Gone
等で、ファンとなって人たちは、少なからずや疑問を感じたものでした。・・・
但し時を経て改めて聴いてみると、当時として一歩進んだ音作りをしていて、まさに最新の「ブルー・アイド・ソウル」を生み出していると思います。
そして、さすがDavid Foster
そう実感します。
’80年代に入っての大ブレイク以降、ライヴでこのアルバム
からの曲が、取り上げられることはありませんでしたが・・・
2000年代になってからは、It's A Laughがよくセットリストに組み込まれているようです。
それもこのアルバムが、時代の先端を行っていたことを示しているのでしょう。
’80年代以降、何度も日本に来ていて、自分もよく見に行っている Daryl Hall John Oates
但しこの1978年の段階ではまだ日本公演を行ったことがなく(一度、中止になっています・・・)まさに彼らに対する好奇心も膨らんでいる・・・
そんな時期でもあったと思います。・・・
1978年のアルバム・シリーズも100枚まで、あと10枚と少しとなってしまい、まだ登場しない歴史的名盤
もあり、この Hall & Oates
のアルバム
のセレクトには悩んだのですが・・・
先述の通り、「ブルー・アイド・ソウル」と決めつけられたイメージから脱却して、そして’80年代に入ってからの大ブレイクに繋がる・・・
そんな過渡期の重要なアルバムでもあると思い、取り上げた次第です。・・・
恐らくこの後は、このシリーズが続く限り、彼らのアルバムはほとんど登場するでしょう。
(1976年のアルバム その86 Bigger Than Both Of Usに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12458815561.html
(2015年10月 愛知県芸術劇場公演
における日記です・・・)
![音譜](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12085342229.html
(2011年2月 グランキューブ大阪公演における日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-10809591768.html