1981年のアルバム(その36 Share Your Love / Kenny Rogers)
1981年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャート最高位に準じてセレクトしていますので・・・
続いては、No.6
・・・で、登場するのが、大御所
Kenny Rogers
1980年後半、当時、Commodoresとしてヒット曲を量産していた Lionel Richie
(当時の表記は、Lionel Richie.Jr.)
彼が書いて、プロデュースも担当した Ladyが全米No.1の大ヒット
さらに、そのLadyを新曲としてフィーチャーしたアルバム
Kenny Rogers' Greatest Hitsもクリスマス・シーズンということで、全米No.1
自分は、輸入盤で購入して聴いていました。
(尚、ベスト盤は、このシリーズで、The Bandや、Paul Simon等、登場させましたが・・・この1980年は、No.1となったBee Gees、Donna Summerも外したので、このKenny Rogersも敢えて、外させていただきました。・・・)
さてそんなLadyのヒットに続けとばかり・・・
Kenny Rogersの次作は、Lionel Richieがプロデュースというニュース
そう、Barry Gibbが、Barbra Streisandをプロデュースしたことに続け
これは音楽界の大きな話題になりました。
カントリー・ミュージック界から飛び出したスーパー・スター Kenny Rogers
片や、Motownの人気グループのフロント・マン Lionel Richie
一見、全く合わないようですが(笑)
実は、Lionel Richieは、アラバマ州、タスキーギ出身
カントリー・ミュージックを聴いて育っている人なのです。
Commodoresのヒット曲 Sail Onにもそれが表れていますよね。
・・・で完成したアルバム、タイトルは・・・
Share Your Love
自分は、兎に角、興味があったので、輸入盤入荷と同時に購入しました。
日本盤のタイトルは、「愛ある限り」
これは、ここからのシングル第1弾 I Don't Need Youの邦題の方に合わせて・・・
ということでしょう。
レコーディングは、1981年
カリフォルニア州、ロスアンゼルス Concorde Recording Center
カリフォルニア州、バーバンク Devonshire Studiosにて・・・
Kenny Rogersリード・ヴォーカル
参加ミュージシャンは・・・
キーボード🎹・・・ Reginald "Sonny" Burke、Bamaby Finch、Glen Hardin、John Hobbs、Lincoln Mayorga、Sylvester Rivers
ギター・・・ James Burton、Rickey Harper、Paul Jackson Jr.、Darrell Jones、Thomas McClarly、Ray Parker Jr.、Fred Tackett、Billy Joe Walker Jr.、Louie Sheldon
ベース・・・ Dennis Belfield、Joe Chemay、Nathan East、Abraham Laboriel、Jerry Scheff、Freddie Washington
ドラムス・・・ Ed Greene、Paul Leim、Rick Shlosser
パーカッション🥁・・・ Eddie "Bongo" Brown、 Ollie E. Brown、Paulinho da Costa
ストリングス、ホーン、リズム・アレンジメント・・・ Gene Page
コンサート・マスター・・・ Harry Bluestone
その他、楽曲ごとに豪華ミュージシャンが参加しています。
レコーディング、ミキシング・エンジニアは、Reginald Dozier
セカンド・エンジニアはLarry Ferguson、Michael Mancini
エンジニアリング、ミキシングは、Kenny Rogers
マスタリングは、Capitol Studiosにて、Bernie Grundman
アシスタント・プロデューサーは、Brenda Harvey Richie
プロデュースは、Lionel Richie. Jr.です。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクション、デザインは、Bill Burks
デザインは、Roy R. Guzman、写真撮影は、Gary Registerです。
A面1曲目、アコースティック・ギターが響いて、軽快にコーラスから・・・
Blaze Of Glory、Danny Morrison、Johnny Slate、Larry Keithの作品
代表曲The Gamblerを思わせるノリのいいカントリー・ナンバー
Kin Vassy、Terry Williams、Gene Marfordが、バッキング・ヴォーカル
メインで歌う、Kennyを交互に盛り上げます。
アルバムから第3弾シングルで、全米No.66、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.25、全米カントリーチャート No.9、カナダ・カントリー・チャート No.4、オーストラリア No.91・・・レギュラー・チャートでは今一つでした。・・・
2曲目、静かにカントリー調のギターから、Kennyがじっくり歌う・・・
I Don't Need You、Rick Christian の作品
優しく歌うKennyを盛り上げるストリングスは、Edgar Struble
途中、フィーチャーされるサックス🎷は、David Boruff
バッキング・ヴォーカルは、Kin Vassy、Terry Williams、Cindy Fee、Juanice Charmain、コンサート・マスターは、Harry Bluestone
アルバムから第1弾シングルで、全米No.3、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.1、全米カントリー・チャート No.1、1981年の全米年間チャート No.44、カナダ No.2、カナダAC No.2、カナダ・カントリー・チャート No.1、オーストラリア No.64、ニュージーランド No.38・・・世界中で大ヒット
カントリー・バラードですが、Commodoresとの共通点も感じるナンバー
前述の通り、邦題は「愛ある限り (アイ・ドン・ニード・ユー)」です。
3曲目、ピアノ🎹の短いイントロから、Kennyが力強く歌う・・・
The Good Life、Lionel Richie. Jr.の作品
ゴスペル調のナンバーで、盛り上げるバッキング・ヴォーカルは・・・
Cindy Fee、Deborah Thomas、Kin Vassy、Terry Williams
邦題は「堅気な暮し」です。
4曲目、アコースティック・ギターが美しく刻まれ、キーボード🎹とともにKenny
Makes Me Wonder If I Ever Said Goodbye、Mickey Newburyの作品
ミディアム・テンポのカントリー・ナンバー、バッキング・ヴォーカルは・・・
Cindy Fee、Kin Vassy、Terry Williams、ストリングスは、Edgar Struble
リズム・トラック・アレンジメントは、Kenny Rogers
邦題は、「別れの後で」です。
5曲目、ピアノ🎹のイントロから、Kennyがじっくり歌い始める・・・
Through The Years、Steve Dorff、Marty Panzerの作品
ストリングスがドラマチックに加わり、Kennyが熱唱する極上のバラード
アルバムから、第4弾シングルで、全米No.13、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.1、全米カントリー・チャート No.5、カナダ・カントリー・チャート No.5、オーストラリア No.92・・・このヒットによって、本アルバム
1982年にチャートを再浮上しました。
B面1曲目、エレクトリック・ピアノ🎹を中心に静かにリズムが刻まれ、Kennyの歌
Share Your Love With Me、Al "TNT" Braggs、Deadric Maloneの作品
Bobby ”Blue" Blandのヒット曲(1964年、全米No.42)
後のAretha Franklinもカバー・ヒット(1969年、全米 No.13)
ここでは、アルバム・タイトル曲と言えそう、スローなカントリー・ナンバーですが・・・
Gradys Knight & The Pipsのメンバー (Gradys Knight、William Guest、Merald "Bubba" Knight、Edward Patten)、そして Lionel Richie. Jr.
彼らがバッキング・ヴォーカルで参加、ゴスペル色の強く変貌・・・
効果的に挿入されるサックス🎷は、Gary Herbig、重厚なナンバーに
アルバムから第2弾シングルで、全米No.14、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.1、全米カントリー・チャート No.5、カナダAC No.5、カナダ・カントリー・チャート No.2、カントリーとR&Bの融合と言えるナンバーかもしれません。
邦題は短縮で、「シェア・ユア・ラヴ」となっています。
2曲目、美しい高音のギターの音色から、カントリー調のギター、そして軽快に
So In Love With You、Lionel Richie. Jr.の作品
ノリよく歌うKennyを盛り上げるバッキング・ヴォーカル、Lionel Richie. Jr.
そして、Cindy Fee、Kin Vassy、ギターが心地よく挿入されます。
邦題は「君に夢中」です。
3曲目、ピアノ🎹が美しく、そこにギターが入り、Kennyが歌い始める・・・
Goin' Back To Alabama、Lionel Richie. Jr.の作品
そう彼の故郷、Commodoresにも通じるミディアム・テンポのバラード
ベースが響き、途中加わってくる歌声は、そう・・・
Michael Jackson
バッキング・ヴォーカルとして、Lionel Richie. Jr.も参加
心地よく響く世紀の共演といえるナンバーです。
4曲目、タイトなギターが刻まれ、ストリングス、静かにKennyが歌い始める・・・
Without You In My Life、Lionel Richie. Jr.、Thomas McClarly
そう、Commodoresの2人の作品、ギターは恐らくThomas McClarly
ストリングスも効果的、盛り上げるバッキング・ヴォーカルは・・・
Brooks Hunnicutt、Deborah Thomas、Kin Vassy、Terry Williams
ギターとともに、Kennyを引き立てます。・・・
邦題は「あなたなしでは」です。
5曲目、軽快なギターのカッティング、アップ・テンポで、語るようにKenny
Grey Beard、Kenny Rogers、Gene Golden、Kirby Stoneの作品
タイトルから、Kennyの顔が連想されますが(笑)・・・
そう呼ばれたガンマンの一生を歌った彼ならではのストーリー性のあるナンバー
バッキング・ヴォーカルには、Dorothy Sugarloaf、Terry Williams、そして
Lionel Richie. Jr.、短いながらドラマチックにエンディング
最後は、Kenny Rogersらしいナンバーでアルバムは幕を閉じます。・・・
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位No.6
全米カントリー・アルバム・チャート No.1、こちらは定位置と言うべき・・・
全米年間アルバム・チャート、1981年 No.98、1982年 No.62
全米年間カントリー・アルバム・チャート 1981年 No.38、1982年 No.21
全米で、プラチナ・ディスク獲得
カナダ No.11、ダブル・プラチナ・ディスク獲得
オーストラリア No.44・・・ Lionel Richie. Jr.のプロデュースも勿論
Through The Yearsのヒットによって、2年に渡るロング・セラーになっています。
前述の通り、カントリー・ミュージックと、上質のR&Bが上手くブレンドされた・・・
完成度の高いアルバムと、改めてそのように思いますが・・・
それが、Ladyの流れを引き継ぐように正当に評価されたか・・・
従来のファンからは、どっちつかずといった印象に見られたことも否めないでしょう。
結局、最終的には、本作から、万人受けする Through The Yearsが、ロング・セラーとなったこともそれを示しているのかもしれません。
またKenny RogersとLionel Richieの共演の映像はよく見かけますが・・・
ほとんどが、割と近年、さらに言えば、Kennyの晩年に近いものばかり・・・
このShare Your Loveの頃のものを見かけることは、ほとんどありません。
’80年代初頭、やはりこの2人の共演には、難しい問題も色々あった・・・
・・・そういうことなのでしょう。・・・
さて本作のB面は、特にLionel Richie色が濃いのですが・・・
その中で、Michael Jacksonの参加
確かに当時、Michaelは、Stevie Wonderとかファミリーと言える人たちだけでなく、多くの人のレコーディングに参加していました。
それにしても、Kenny Rogers、Lionel Richie、Michael Jackson
この3人が、約4年後に顔を合わせるとは・・・
当時は誰も想像しなかったでしょう。・・・
そう言った意味でも、このShare Your Love
アメリカ音楽シーンにおいて、重要な作品である
それは間違いないと思っています。