1978年のアルバム(その54 The Gambler / Kenny Rogers)
1978年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.12のアルバムを続けていますが・・・
次に登場するのは、今年2020年3月20日に亡くなられた・・・
Kenny Rogers
元々カントリー・ロック・バンド The First Editionとして、ヒットも飛ばしていましたが、1976年にバンド解散後、ソロとしてスタート
1977年のLucilleの全米No.5の大ヒットをはじめ、コンスタントにヒットを放ち、アルバムの方は、全米カントリー・チャートではNo.1になったりしていましたが・・・
そのKenny Rogersが、今まで以上に、ジャンルを超え、豪華ミュージシャンが参加したアルバムをリリース、タイトルは・・・
The Gambler
タイトル通り、アルバム・ジャケットで、Kenny Rogersはディーラーに
アート・ディレクション、デザインは、Bill Burks、写真は、Reid Milesです。
尚、この The Gambler、1978年12月のリリース
全米チャート・ファンの人はご存じの通り、全米最高位はNo.12とはいえ、1979年年間を通してチャートに君臨
・・・ということで、1979年のアルバムと言えるのですが・・・
Kenny Rogersは、当時割と短い周期でアルバムをリリース
1979年の夏には、次作Kennyをリリースしているので、敢えて1978年のアルバム・シリーズに入れさせていただきました。・・・
レコーディングは、1978年・・・
テネシー州、ナッシュビルの Jack Clements Recording Studiosにて・・・
Kenny Rogersリード・ヴォーカル
バック・ミュージシャンは・・・
Thomas Cainキーボード
Steve Glassmeyerキーボード、ソプラノ・サックス、バッキング・ヴォーカル
Gene Goldenキーボード、バッキング・ヴォーカル
Hargus "Pig" Robbinsキーボード
Edgar Strubleシンセサイザー、クラヴィネット、コンガ、バッキング・ヴォーカル
Randy Dormanギター、バッキング・ヴォーカル
その他ギターは・・・
Ray Edenton、Rick Harper、Billy Sanford、Jerry Shook、Reggie Young、そして何と、Tony Joe White
Pete Drakeスティール・ギター、Tommy Allsup6弦ベース
アップライト・ベースは、Bob Moore、Dennis Wilson
Bobby Danielsドラムス、パーカッション、バッキング・ヴォーカル
その他ドラムス、パーカッションは・・・
Eddy Anderson、Jerry Carrigan、Byron Metcalf
ストリングスは・・・
Byron Bach、George Brinkley、Marvin Chantry、Roy Christensen、Carl Gorodetzky、Lennie Haight、Sheldon Kurland、Steven Smith、Gary Vanosdale、Pamela Vanosdale
ストリングス・アレンジメントは、Bill Justis
バッキング・ヴォーカルは、The Jordanaries、Mickey Newbury
・・・凄いメンバーです。
エンジニアリングは、Billy Sherrill
マスタリングは、テネシー州、ナッシュビル Master Controlにて、Bob Sowell
マネージメントは、Ken Kragen
そして、プロデュースはお馴染み、Larry Butlerです。
A面1曲目、アコースティック・ギターをバックに軽快に・・・
The Gamblerでスタート、タイトル曲、Don Schlitzの作品
Johnny Cashも同時期に、自分のアルバム Gone Girlに収録していました。
ストーリー性のある、アメリカでは多く親しまれているナンバー
You've Got To Know When To Hold 'Em~
ヴォーカルとして、Dottie Westも加わっています。
アルバムから先行シングルで、全米No.16でしたが・・・
全米カントリー・チャートでは見事No.1
全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.6 、全英No.22
Kenny Rogersのテーマ曲と言えそうなナンバーで、カントリー・ソングのスタンダード・ナンバー・・・
Kenny主演のT.V.映画Kenny Rogers As The Gambler
この曲をテーマ曲として、1980年より6作品作られました。・・・
2曲目、エレクトリック・ピアノで静かに歌い始める・・・
I Wish That I Could Hurt That Way Again、邦題は「傷心の思い出」
Rafe Van Hoy、Don Cook、Curly Putmanの作品
アコースティック・ギターを中心としたシンプルなサウンドをバックに歌うKenny
カントリー・シンガーの領域を超えているでしょう。
尚、この曲は、T. Graham Brownが取り上げ、1986年全米カントリー・チャートNo.3のヒットとなっています。
3曲目、アコースティック・ギターをバックに、優しいKennyの声・・・
The King Of Oak Street、Alex Harveyの作品
ストーリー性のあるナンバー
静かにストリングスがKennyの歌を盛り上げていきます。・・・
4曲目、一転して軽快なビート、最初からパワフルに歌うKenny
Making Music For Money、こちらもAlex Harveyの作品
ピアノ中心のノリのいいロックン・ロール・ナンバー
ハードなギター・ソロもフィーチャー、邦題は「歌はわが心」でした。
5曲目、ベースのイントロから、ややファンキーなムードに・・・
The Hoodooin' Of Miss Fannie Deberry、3曲続けて、Alex Harvey
Kennyが語るように始まって、ハーモニカ音が効果的
そしてサビの部分の歌には重厚なコーラス
そして、ここには何と、Bill Medleyが参加しています。
邦題は「哀れなファニー」となっています。
B面1曲目、ピアノにストリングスが加わって・・・
She Believes In Me 、作者はSteve Gibb、彼自身もリリースしていました。・・・
言うまでもなくKenny Rogersを代表する極上のバラード
アルバムから第2弾シングルで、翌1979年に全米No.5
全米カントリー・チャートNo.1、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートNo.1
全英No.42
Kenny Rogersの名前を世界中に知らしめた永遠のスタンダード・ナンバーでしょう。
2曲目、一転してファンキーなイントロ()・・・
Tennesee Bottle、Jim Ritcheyの作品
歌の内容はカントリー・ソングのようですが、エレクトリック・ピアノの音もフィーチャーされ、パワフルにKennyが歌うナンバー
後半、ギターがフィーチャーされ、フェイドアウトしていきます。・・・
3曲目、一転してややリラックスしたムードに・・・
Sleep Tight, Goodnight Man、邦題は「眠りの精の子守歌」
Sam Lorber、Jeff Silbarの作品
Kennyの歌も心地よく、邦題の通り、いい気分になってきます。(笑)
4曲目、アコースティック・ギターをバックに・・・
A Little More Like Me (The Crucifixion)
カントリー・シンガーソングライター、Sonny Throckmortonの作品
明るく軽快に歌われていますが、実は皮肉が込められていて・・・
BeatlesのNowhere Manを思わせる内容です。
5曲目、流れるようなピアノから・・・
San Francisco Mabel Joy
バッキング・ヴォーカルでも参加している Mickey Newburyの作品
途中から軽快なテンポとなるストーリー性のあるナンバー
因みに作者の Mickey Newburryもリリースしていますが・・・
こちらはカントリー色の濃いナンバーです。
6曲目、軽快なキーボード音から・・・アップ・テンポのKennyの歌
Morgana Jones、意外なことにアルバム唯一の Kenny Rogersの作品
Morganaという不思議な女性(娼婦)のことを歌った歌
実話に基づいているのでしょうか。
途中、ギターとスキャットのかけ合いあり・・・
Don't You Talk About Morgana~
この曲でこのアルバムは締められます。
前述の通り、全米最高位No.12ですが、ロング・セラーに
そして、全米カントリー・アルバム・チャートでは、定位置と言えるNo.1
さすがです。
The Gambler、She Believes In Meという Kenny Rogersの代名詞ともいえそうな楽曲が含まれていることもありますが・・・
このアルバムによってカントリー・ミュージック界のスーパー・スターから、アメリカ音楽界を代表する大御所の1人になったといえるでしょう。
The Gamblerによって・・・
第21回グラミー賞において「最優秀カントリー楽曲(Best Country Song)」
第22回グラミー賞において「最優秀男性カントリー・ヴォーカル・パフォーマンス(Best Male Country Vocal Performance)」
2年続けて受賞となりました。
また日本においても、このアルバムから、洋楽界の大物の1人に
The Gamblerは敢えて「シー・ビリーヴズ・イン・ミー/ザ・ギャンブラー」の邦題でリニューアル発売もされました。
カントリー・ミュージックの枠を超えて、幅広いジャンルの音楽を取り入れたこのThe Gambler
但し、そのようなアルバムであるゆえ、純然たるカントリー・ミュージックのファンの皆さんからは賛否両論でもあった・・・
それも否めないでしょう。・・・
自分のこのシリーズでは、初登場の Kenny Rogers
このシリーズを続ける限り、この後、数枚は登場すると思います。・・・
そう、それだけ全米TOP40リスナーにとっては、切っても切れない存在
・・・ということで、今年(2020年)の訃報の際には、あまりにも大きな喪失感を実感したのでした。・・・
Rest In Peace