1979年のアルバム (その34 Kenny / Kenny Rogers)
1979年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.5のアルバムで最後に登場するのは・・・
Kenny Rogers
前作 The Gamblerによって、カントリー・ミュージック界の大御所から・・・
すっかりアメリカ音楽界の大御所となっていたKenny
40台の大台になられましたが、まさに活動は最も精力的に
そして1979年、大ヒット曲 She Believes In Meに続く、スタンダード化しそうな楽曲 You Decorated My Lifeがリリース
レギュラー・チャートも急上昇
「愛のメッセージ」の邦題で日本でも発売
そして前作から1年も経たないうちにニュー・アルバム、タイトルはズバリ
Kenny
こちらの方も、邦題は「愛のメッセージ」で日本発売されました。
尚、この年、この前に Dottie Westとのデュエット・アルバムClassicsもリリースされています。
(全米アルバム・チャート No.83、全米カントリー・アルバム・チャート No.3)
レコーディングは、1979年、テネシー州、ナッシュビル
Jack Clement Recording Studios、American Studiosにて・・・
Kenny Rogersリード・ヴォーカル
バックグラウンド・ヴォーカルは・・・
Bergen White、Bobby Daniels、Buzz Cason、Don Gant、Donna Elroy、Edgar Struble、Lea Jane Berinati、Steve Glassmeyer、Todd Cemey、Tom Brannon、Yvonne Godges
ギターは・・・
Billy Stanford、Dave Kirby、Jerry Shook、Jimmy Capps、Johnny Christopher、Larry Keith、Randy Dorman、Ray Edenton、Reggie Young、Rick Harper、Steve Glassmeyer、Tommy Allsup
ピアノは・・・
Bobby Wood、Chuck Cochran、Davis Briggs、Edgar Struble、Gene Golden、Hargus "Pig" Robbins、Larry Keith、Shane Keister
ベース・・・ Bob Moore、Charles "Chuck" Jacobs、Joe Osborn
バンジョー・・・ Bobby Thompson、ドラムス・・・ Bobby Daniels
パーカッション・・・ Farrell Morris、サックス・・・ Steve Glassmeyer
シンセサイザー、クラヴィネット・・・ Edgar Struble
ストリングス・・・ Sheldon Kurland Strings
マスタリングは、Masterfonicsにて、Glenn Meadow
ミキシングは、 Larry Butler
エンジニアリングは、Billy Sherrill、Harold Lee
アレンジは、Bill Justis、Edgar Struble
プロデュースは、Larry Butlerです。
アルバム・ジャケット・・・
アート・ディレクション、デザインは、Bill Burks
写真撮影は、Reid Milesです。
A面1曲目、ドラムスが響き、いきなり歌、そしてコーラス
You Turn The Light Onでスタート
Louis Anderson、Stephen Geyerの作品
アフリカの民族音楽を思わせるパワフルなオープニング・ナンバー
途中からエレクトリック・ギターもフィーチャーされ盛り上がります。
邦題は「愛の灯」でした。・・・
2曲目、ピアノのイントロから・・・
You Decorated My Life、「愛のメッセージ」
Deborah Kay Hupp、Robert E. Morrisonの作品
歌詞の内容も明快なラヴ・ソング
前述の通り、アルバムから第1弾シングルで、全米 NO.7
全米カントリー・チャートでは、堂々 No.1
全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.2
カナダ No.12、カナダ・カントリー・チャート No.1、カナダAC No.1、スペイン No.16、オーストラリア No.61、ニュージーランド No.36・・・
1980年の全米年間チャート No.93
She Believes In Meに続いて、スタンダード化されたナンバーです。
3曲目、一転して軽快にギターから・・・
She's A Mystery、Larry Keith、Steve Rippinの作品
ノリもよくメロディアスでポップなナンバー、後半はギター・ソロも・・・
邦題は「恋はミステリー」でした。
4曲目、フォーク&カントリー調に始まるのは・・・
Goodbye Marie、Dennis Linde、Mel McDanielの作品
こちらも軽快に歌うKennyをコーラスがバックアップ
この曲、最初にレコーディングしたのは、Johnny Rodriguez
1979年のアルバムRodriguez Was Hereにて、続いてがこのKenny
さらに1980年、Bobby Goldsboroがシングルで、全米カントリーチャート No.17、その後、作者の Mel McDanielもセルフ・カバー・・・
ちょっとしたカントリー・スタンダードになっています。・・・
5曲目、パーカッションが響き、そしてホーン・・・
Tulsa Turnaround、Larry Collins、Paul Cotton、Alex Harveyの作品
そう、Kennyが、The First Edition時代にも歌っていたナンバー
再収録、セルフ・カバーということになるのでしょうか。
スワンプ・ロック色が濃くなり、サビの部分はアップ・テンポとなりパワフル
Three Dog Nightが、アルバム Seven Separate Foolsで取り上げています。
6曲目、ピアノからじっくり聴かせる・・・
I Want To Make You Smile、Bill Medleyの作品
The Righteous Brothersとしてでなく、書き下ろしの作品
ここではスローにじっくり聴かせるKennyの独壇場
ストリングスも効果的、邦題は「微笑がほしい」でした。・・・
B面1曲目、ドラムスから、クラヴィネットが響き・・・
Santiago Midnight Moonlight、John Porter McMeansの作品
ややトロピカルなムードに・・・キーボード音も軽快に、Kennyが歌い・・・
心地よいギターも響きます。邦題は「サンチャゴの恋の夜」です。
2曲目、一転して静かなギターのピッキングから・・・
One Man's Woman
バッキング・ヴォーカルでも参加している Steve Glassmeyerの作品
静かに歌うKenny、ストリングスも効果的に、コーラスもバックアップして・・・
盛り上がっていくナンバー
Elton JohnのBorder Songを思わせます。・・・
3曲目、また一転してエレクトリック・ギターでの軽快なカッティングから・・・
In And Out Of Your Heart、アップ・テンポのナンバー
Thomas Cain、Randy Cullers、Dennis Linde、Alan Rushの作品
ホーンも入り、ノリのいいロック・ナンバーです。
後半は、ギター・ソロもフィーチャー、邦題は「恋の温度は沸騰点」です。
4曲目、エレクトリック・ピアノから、静かにKennyが歌う・・・
Old Folks、Wllard Robinsonの1938年の作品
ジャズのスタンダードと言えるナンバーですが、ここでもKennyの独壇場
後半のストリングスがドラマチック、アレンジは、Edgar Strubleです。
そしてアルバム最後、5曲目は、シンプルなフォーク&カントリーのリズムで・・・
Coward Of The County、Roger D. Bowling、Billy Ed Wheelerの作品
Kennyによって歌い綴られる田舎の少年 Tommyの物語・・・
やくざな父の遺言で、「自分のようにならないために、トラブルがあった時は、逃げろ・・・」それを守ったために、「臆病者(Coward)」と言われ続けたが、20歳になって、好きになった女性が乱暴された時、その乱暴した連中を全員やっつけて、「父さん、やる時はやらなければいけない、それはわかってくれるだろう・・・」といった内容・・・
アルバムから第2弾シングルで、全米 No.3、全米カントリー・チャート No.1、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.5、そしてCash Box誌では、No.1
1980年の全米年間チャート No.34、全米年間カントリー・チャートでは、 No.9
このストーリーが共感を呼んだこともあり、この時点までのKennyの最大のヒット曲となりました。
その他の国でも、全英 No.1、カナダ No.1、カナダ・カントリー No.1、カナダ AC No.1、アイルランド No.1、オーストラリア No.6、ニュージーランド No.3、オーストリア No.9、オランダ No.8、スイス No.8、南アフリカ No.12、スペイン No.19・・・ 英語圏を中心に世界中で大ヒット
日本でも「弱虫トミー」の邦題で、シングル発売
それなりに話題にはなりましたが・・・
このストーリーの内容がもっと理解されたら・・・
日本でもさらに大きなヒットとなったことでしょう。
尚、これだけのヒット曲だけに、その後、カントリー系のミュージシャンを中心に、多くのアーティストがカバーしています。・・・
前述の通り、全米最高位 No.5、Kenny Rogersにとってもそれまでの最高位
全米カントリー・チャートでは、当然の如く No.1
全英 No.7、カナダ No.1、カナダ・カントリー No.1、オーストラリア No.15、ニュージーランド No.15
全米では、300万枚突破
年を越えて、1980年の全米年間チャートでは、No.10となっています。
前作 The Gamblerと同じく、カントリー・ミュージックの枠を超えた幅広い音楽を取り上げたアルバム Kenny
アメリカ音楽界の重鎮としての貫禄も見せつけた Kenny Rogers
但し、全米No.1ヒットはそれまでなかった中で、Cash Box誌ではありますが・・・
Coward Of The Countyが遂に No.1に
オールマイティなシンガーとなったKennyですが、やはり彼本来の魅力はこのような楽曲にあるのでは・・・そう実感した1曲でした。
1978年~1979年~1980年・・・
'70年代~'80年代への橋渡しの時期として勢いの止まらないといった感じのKenny Rogersですが・・・
この Kennyの約1年後
さらに巨大なヒット曲を生み出すことになるのでした。・・・