1977年のアルバム(その73 Right On Time/Brothers Johnson)
1977年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.13ということで、登場するのが・・・
The Brothers Johnson
元々、ギター、ヴォーカルの兄、George Johnsonと、ベース、ヴォーカルの弟、Louis Johnsonを中心にグループで音楽活動をして、Bobby Womackや、Billy Prestonと行動をしていたのですが、そんな時に、Quincy Jonesの目に止まり、アルバムMellow Madnessに参加
Quincy Jonesの日本公演にも同行しました。
そして、兄弟2人を中心として、The Brothers Johnsonとして、Quincy Jonesのプロデュースのもと、デビュー
1976年・・・
アルバム、Look Out For #1は全米No.9とTOP10入り
シングル、I'll Be Good To Youが全米No.3の大ヒット
最初から、大成功となりました。
そして1977年に登場したのが、この・・・
Right On Time
そして、シングル・カットされた、Strawberry Letter 23
Shuggie Otisの1971年のアルバムFreedom Flightに収録されていた曲のカバーがヒットチャートを急上昇
尚、当時のアメリカでの12インチ・シングル盤には、イチゴの香りが付いていたとのことでした。・・・
さて、Look Out For #1が、1976年のアルバム・シリーズには登場しなかったので・・・このシリーズ、初登場の、The Brothers Johnsonです。
さてこのセカンド・アルバム、Right On Time
レコーディングは、1977年2月1日~3月21日
ハリウッドのA&M Studiosにて・・・
George Johnsonリード・ギター、リード&バッキング・ヴォーカル
Louis Johnsonベース、ギター、ピアノ、シンセサイザー、リード&バッキング・ヴォーカル
この兄弟に、参加ミュージシャンは・・・
Harvey Masonドラムス
ギターが、Lee Ritenour、David T. Walker
キーボード、シンセサイザーが、Dave Grusin、Ian Underwood、Michael Boddicker
Ralph MacDonaldパーカッション
そして、Mic Gilletteトロンボーン、トランペット
Emilio Castiloテナー・サックス
Stephen Kupkaバリトン・サックス
Lenny Pickettアルト・サックス
Greg Adamsトランペット、ホーン・アレンジメント
・・・そう、Tower Of Powerのホーン・セクション
バッキング・ヴォーカルとして、Jim Gilstrap、Richard Heath、Mortonette Jenkins、Stephanie Spruill、Oren Waters、Alexandra Brown
エンジニアリングは、Norma Kinney
アシスタント・エンジニアは、Chuck Trammell、リミックス・エンジニアは、Don Hahn、マスタリングは、Bernie Grundman
そして、プロデュースは、Quincy Jonesです。
A面、心地よいベースのリズムにギターのカッティング、シンセサイザーが加わり、Tower Of Powerのホーン・セクション
そして、Georgeの歌
Runnin' For Your Lovin'でスタート
1曲目は熱いファンクと思いきや、リラックスしたムード
GeorgeとLouisの共作で、邦題は「愛につっ走れ」
分厚いコーラスとホーンが、Georgeの歌を引き立てます。
アルバムから第2弾シングルとなりました。・・・
2曲目、軽快なギターのカッティングでアップ・テンポに、そしてホーン
Free Yourself, Be Yourself
明るい曲調で、心地よく歌うGeorge、ホーン・セクションはパワフル
こちらも、GeorgeとLouisの共作です。
3曲目、Dave Grusinによるイントロから、Q
Louisはスラップ・ベース、Georgeは硬質のギター、Dave Grusinのエレクトリック・ピアノ・・・ポップなインストゥルメンタル・ナンバー
やはり、GeorgeとLouisの共作です。・・・
4曲目、Louisのスラップ・ベースから、タイトル曲、Right On Time
ようやく登場したファンキーなナンバー
Dave Grusinのシンセサイザー、Tower Of Powerのホーンも効果的
バッキング・ヴォーカルのメンバーが色々な声色を・・・
Georgeの歌を引き立てています。
こちらも、GeorgeとLouisの共作です。・・・
B面、あのイントロ、そう、Strawberry Letterv23
1度、フェイントがかかり、そしてLouisのスラップ・ベースを軸に再度スタート
そして、Georgeの歌、分厚いバッキング・ヴォーカルのメンバーがバック・アップ、そして、ソロ・パートはLee Ritenourによるギターのリフレイン
前述の通り、Shuggie Otisの作品ですが、Brothers Johnsonによってポピュラーなナンバーに
全米No.5、そしてR&Bチャートでは、見事、No.1
この後、Tevin Campbellも1992年に少しヒットさせたり、カバーも多数
サンプリングも・・・但し基になっているのは、このBrothers Johnsonのヴァージョンです。
2曲目、ファンキーなイントロに、シンセサイザー音、Brother Man
Loiusのスラップ・ベースを軸に進行するインストゥルメンタル・ナンバー
GeorgeとLouisの共作で、タイトルからも彼らのテーマ曲といえるナンバーでしょう。・・・
3曲目、心地よいリズムに合わせて、Georgeの歌、Never Leave You Lonely、静かなバラードと思いきや、サビの部分は、Louisのベースに合わせて、ファンキーに、アップ・テンポに
Louis Johnsonと奥様のValerie Johnson、そして当時、Quincy Jones夫人だった、Peggy Jones、この3人の共作、邦題は「ひとりぼっちにはしない!」でした。
4曲目、アコースティック・ギターのイントロから、爽やかな感じで、Love Is
バッキング・ヴォーカルのメンバーが、Georgeの歌をバックアップ
Dave Grusinのシンセサイザー、Ralph MacDonaldのパーカッションも効果的・・・そしてフェイドアウトしていきます。・・・
GeorgeとLouis、そしてQuincy JonesとPeggy Jonesの夫婦、4人の共作、邦題は「愛は・・・」、アルバムから第3弾シングルとなりました。
まさに、Quincy Jonesの秘蔵っ子といえる、Johnson兄弟
さて、前述の通り、全米アルバム・チャートで、No.13とTOP10入りを果たせなかったので、前作(全米No.9 )を上回れず、またシングル、Strawberry Letter 23も、全米No.5と大ヒットとはゆえ、I'll Be Good To You(全米No.3)を上回っていないのですが・・・
これらの作品によって、特に日本では、The Brothers Johnsonのネーム・バリューが大きく上がり
そして、特にLouis Johnsonのスラップ・ベースが大きく注目されるようにもなり、それはその後の音楽シーンに多大な影響を与えることにもつながるのでした。
1996年3月に大阪ブルーノートで、再結成されたThe Brothers Johnsonのライヴを見に行きました。
但し兄弟は兄のGeorgeだけ、ヒット曲の多くをオリジナルのGeorgeの歌で聴けて良かったのですが・・・
やはりあのLouisのスラップ・ベースがないことに、あまりにも大きな物足りなさを感じたことは否めないでしょう。・・・
尚、Louis Johnsonは、2015年5月に亡くなりました。・・・
このコーナーの少し前に登場したHeatwaveのRod Temperton
そして、このThe Brothers JohnsonのLouis Johnson
この’80年代初頭に、Quincy Jonesを中心として、音楽業界最大のセールスを生み出すメンバーは、1977年にこのような活動をしていた・・・と、大変興味深いところであると、改めて感じる次第です。