作家・土居豊の批評 その他の文章 -10ページ目

(再投稿)”共通テスト騒動で受験生50万人のために動いてくれた野党議員を再選させたい”

 

2024年衆院選では、野党議員を国会へ、一人でも多く。

今の若い有権者の人の中には、大学入試で野党議員たちに世話になった人が少なからずいるはずだ。特に、大学入学共通テストの初年度以降、受験生はこの議員さんたちに足向けて寝られないはずなのだ。

もしあのまま「英語民間試験利用」と「記述式」が強行されていたら、今の、今年の高3生も、共通テスト利用の大学入試で、とんでもなく無茶な試験を受けさせられていたはずだ。

今の共通テストもひどいが、もっと最悪な入試になっていたところなのだ。

 

 

(再投稿)”維新の会が2021衆院選で盛んにPRした「大阪は高校無償」達成は嘘”

 

今回の衆院選、投票の前にぜひ、読んでほしい

 

「維新の会が2021年衆院選で盛んにPRした「大阪は高校無償」達成は嘘」

 

 

衆院選の前に2018年西日本豪雨の経過を読んでほしい→”西日本・関西の大雨災害について”

 

衆院選の前に2018年西日本豪雨の経過を読んでほしい

 

”西日本・関西の大雨災害についての経過”

2018年の7月5日6日前後の記憶が改めてよみがえる。広域災害に直面しながら、安倍政権下で我々がどれほど不安な状態に置かれたか。事実、どんなに悲惨な犠牲が出てしまったか。

また、大阪府下の災害多発状態が、維新の会の首長の元で、どれだけ見捨てられていったか。大阪地震から西日本豪雨、さらにこの先、台風21号の直撃まで、いかに大阪府の行政が機能停止していたか。

 

よく考えてほしい。今年も、来年も再来年も、日本は災害に襲われるのだ。この選挙で、現政権(それに維新の大阪支配)を倒せなければ、次は自分の生命が危ない、そういう現状なのだ。

 

 

 

村上春樹と小澤征爾、欧米文化にかろうじて並んでくれた二人〜ノーベル文学賞騒動を顧みて

村上春樹と小澤征爾、欧米文化にかろうじて並んでくれた二人 ノーベル文学賞騒動を顧みて

 

※参考記事

 

村上春樹氏 今年もノーベル文学賞受賞ならず 小学校時代の同級生は「候補になるだけでも大したもん」

2024年10月10日 東スポ

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/319746

 

ノーベル文学賞に韓国の作家 ハン・ガン氏 アジア出身女性で初

2024年10月10日 22時17分 NHK

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241010/k10014605611000.html

 

 

 

 「春樹ノーベル文学賞」ネタが、ネット上で大喜利状態になることも、もはやなくなった。いまや、春樹のことはネット上でも現実でもほぼ、愛読者だけの話題に落ち着いている。それで、十分だろうと、筆者は思う。

 

 村上春樹がノーベル文学賞をもらうかもしれない、と言われた2006年あたり、彼がチェコのカフカ賞を受けた頃から、報道もネット上の祭りも盛んになった。

 思うに、その頃が、おそらくは日本文化・芸術が欧米先進国にかろうじて並ぶことのできた、最盛期の終わりだったのだろう。それ以後、春樹の小説が欧米で(あるいは世界中でも)話題となる程度は徐々に減っていき、フェードアウトするように現在にいたったのだといえる。

 

 唐突ながら、小澤征爾の場合も似ている。小澤征爾が「セカイのオザワ」と呼ばれて、村上春樹に少しばかり先んじて同じような道を突き進んだ。

 「セカイのオザワ」としての小澤征爾の最盛期は、おそらくは2002年、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に指名された時点で頂点を極め、その後は急速に勢いを失っていった。晩年の小澤は、ステージに立つことができればそれが貴重な記録になるという、音楽界の敬老の対象となっていった。

 欧米芸術、この場合は音楽と文学だが、日本人(小澤の場合、生まれは満州国だが)のアーティストや作家が、欧米メジャーの文化芸術で対等にネームバリューを得た例は小澤征爾が初めてだった。

 続いて、数年遅れで村上春樹もその位置を得た。この二人は、ちょうど日本の1980年代バブル景気前後に、欧米に対してネームバリューを確立することに成功した、稀有な存在だった。

 その後2002年以降、小澤は急速に存在感を薄れさせていく。一方、「セカイのオザワ」から数年遅れで、村上春樹は「セカイのハルキ」となった。2006年、村上春樹は『海辺のカフカ』という欧米文学の基礎を巧みに換骨奪胎した小説を武器に、タイトルのモデルの作家カフカの母国チェコの文学賞・カフカ賞を受けた。その時点が、おそらくは作家・村上春樹の頂点だったように思う。

 皮肉なことにその後、日本国内でミリオンセラーとなった『1Q84』は世界中でも売れて、おそらくは売れすぎたのだ。これを境に、春樹は欧米を中心に流行作家扱いを受けた。その後は、春樹自身の年齢が上がるごとに、作品の方は流行遅れとなっていく。

 基本的に、流行作家はノーベル文学賞をもらえないという傾向がある。そのため、春樹はノーベル文学賞のイメージからますます離れていった。

 

 小澤は80年代〜90年代に世界(欧米)のクラシック音楽の頂点の地位について、まもなくその地位を離れて(追われて)母国日本に回帰した。同じように、春樹も世界(欧米だけでなく)の流行作家扱いとなり、やがて廃れていき、現在はすっかり母国日本の権威ある「作家様」におさまっている。考えてみると二人とも、世界に冠たる足跡を残したのち母国で余生を過ごすという、かつてないほど幸福な日本人の例となったといえる。

 この先、音楽であれ文学であれ、この二人に匹敵する成功を世界で収めて、その余生を母国日本で悠々と過ごせるような芸術家、作家が現れるだろうか? 残念ながらもう無理かもしれない、と思えてしまう。

 

 

 

 

※参考記事

【小澤征爾追悼】「世界の」小澤と「世界の」村上春樹

https://note.com/doiyutaka/n/nda901739a5dc

 

記事引用

以下の拙稿は、10年ほど前から、もし村上春樹がノーベル文学賞を受賞したら、出そうと思っている予定稿だ。まず、ご笑覧いただきたい。

《村上春樹はとるべくして受賞した。すでに日本人は小澤征爾が音楽で世界の頂点にたっている。遅れること数十年、やっと文学でも世界の頂点を極めたといえる。

わかりやすくいうと、世界中どこのCDショップにもセイジ・オザワのCDがあるように、いまや、世界中どこの書店にもハルキ・ムラカミの本がある。オザワがなぜ世界中で聴かれているかというと、もちろん演奏のすばらしさは折り紙付きだが、なによりオザワの指揮が、難解に思われがちなクラシック音楽の間口を広げたからである。

同じように、ハルキの小説は、深遠なテーマをわかりやすく噛みくだいて、誰でも読めるよう間口を広げたところに、世界で愛読される理由があるのだ。》

 

 

小澤征爾のオペラの思い出 ヘネシー・オペラ・シリーズ・ヴェルディ『ファルスタッフ』

https://note.com/doiyutaka/n/nacb8f06204e0

 

ヴェルディ『ファルスタッフ』

指揮:小澤征爾、演出:デイヴィッド・ニース、舞台デザイン:ジャン=ピエール・ポネル

サー・ジョン・ファルスタッフ:ベンジャミン・ラクソン、クイックリー夫人:フィオレンツァ・コソット、ナネッタ:ドーン・アプショー 他

新日本フィルハーモニー交響楽団

1993年5月16日、尼崎・アルカイックホールにて

 

 

 

※土居豊の文芸批評

村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作1

https://note.com/doiyutaka/n/nc68693cc0b25

 

村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作2

https://note.com/doiyutaka/n/nec4c3577cf8d

 

村上春樹『街とその不確かな壁』の彼女の正体は?

https://note.com/doiyutaka/n/n0266ed29df2f

 

村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版中編「街と、その不確かな壁」を読んで、「街」のモデルを特定した!

https://note.com/doiyutaka/n/n495ab95b92b8

 

 

 

※『村上春樹を歩く・その後 〜読書会と文学聖地巡礼の試み〜』土居豊 著

https://amzn.asia/d/eGw3d5I

 

《村上春樹の故郷・西宮市を中心に「村上春樹読書会」を長年主催してきた筆者は、本書で活動のまとめを試みたい。

前半第1部は「村上春樹読書会」参加者たちの春樹愛や、アンチ春樹の意見など、読者の生の声を紹介する、筆者の新聞連載をまとめた。

後半は、かつて筆者が足を運んだ春樹ワールド聖地巡礼による作品考察を通じて、本を読んだ後から始める読書体験の試みを再構成して収録する。》

 

※文芸批評『村上春樹の猿〜獣と嫉妬と謎の死の系譜』浦澄彬 著

https://amzn.asia/d/9btJDxZ

 

《村上春樹の初期3部作は叙述トリックだった?

デビュー当時から村上春樹の小説の最大の特徴とされ、読者や批評家たちを夢中にさせたクールな語りこそ、語り手の本性が「獣=猿」であることを隠す叙述トリックとなっていた、という仮説。

それを考えるきっかけは、デビュー作『風の歌を聴け』から『ノルウェイの森』を経て近作まで共通して現れるモチーフ、「猿」・「猿のコンビ」・「獣」である。》

 

 

(改訂2024年)【関西オーケストラ演奏会事情 〜20世紀末から21世紀初頭まで】

 

 

 

(改訂2024年)【関西オーケストラ演奏会事情 〜20世紀末から21世紀初頭まで】

※まとめ読みはこちら

マガジン

関西オーケストラ演奏会事情

https://note.com/doiyutaka/m/mdda8590d315f

 

 

 

【関西オーケストラ演奏会事情〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル1980〜90年代

第1回 朝比奈隆と大阪フィルの実演 朝比奈隆指揮・大阪フィル「マーラー交響曲第9番」1983年定期演奏会

https://note.com/doiyutaka/n/n6eb0daa61baf

 

 

 

 

【関西オーケストラ演奏会事情〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル、1980〜90年代

第2回 朝比奈隆と他の客演指揮者たちとの大阪フィル〜渡辺暁雄、秋山和慶、山田一雄など

https://note.com/doiyutaka/n/n9b34bfd565a2

 

 

【関西オーケストラ演奏会事情 〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル、1980〜90年代

第3回 朝比奈隆と大阪フィルの成長、フルトヴェングラー交響曲第2番日本初演やチャイコフスキー、幻のバッハ

https://note.com/doiyutaka/n/n8e3e3f7b21a3

 

 

 

 

(改訂2024年10月)

【関西オーケストラ演奏会事情 〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル、1980〜90年代

第4回 朝比奈隆と大阪フィル 朝比奈隆のベートーヴェン 第九の合唱団での体験もふまえて

https://note.com/doiyutaka/n/n4b5246d13bf7

 

 

(記事更新)

【関西オーケストラ演奏会事情 〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル、1980〜90年代

第5回 朝比奈隆と大阪フィル 朝比奈隆のブラームス

https://note.com/doiyutaka/n/nae3a0e172c4e

 

 

(改訂2024年10月)

【関西オーケストラ演奏会事情〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル、1980〜90年代

第6回 朝比奈隆と大阪フィルのブルックナー演奏

https://note.com/doiyutaka/n/n9f4572e03b72

 

 

【関西オーケストラ演奏会事情〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル、1980〜90年代

第7回 大阪フィルと若杉弘の奇跡のマーラー

https://note.com/doiyutaka/n/ne3fa1fd1dc4a

 

 

【関西オーケストラ演奏会事情〜20世紀末から21世紀初頭まで】

朝比奈隆と大阪フィル、1980〜90年代

第8回大阪フィルと若杉弘の名演 ファウストの劫罰&ペール・ギュント 他

https://note.com/doiyutaka/n/n0c4c84bafbad