薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス

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映画・演劇評論家の薮下哲司(元スポーツニッポン特別委員)が宝塚歌劇はもとより映画、演劇など幅広い分野のエンターテイメント情報をお伝えしていきます。


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安寿ミラ、中島亜梨沙が稲垣吾郎と共演!「君の輝く夜に」京都で上演

 

元SMAPの稲垣吾郎が、2012年から二年おきに上演していたオリジナルミュージカル「恋と音楽」シリーズが、装いも新たに「FREE TIME, SHOW TIME“君の輝く夜に”」としてよみがえり、26日まで京都劇場で上演中。京都だけの公演ということで、酷暑の中、劇場には日本中のファンが集結している。

 

「恋と音楽」シリーズと同じ作、演出は鈴木聡、音楽はジャズピアニストの佐山雅弘のコンビ。夏のある日。海の見える国道沿いのホテルを兼ねたダイナー。オーナーのライザ(北村岳子)の前に、夕方の5時にここで人と待ち合わせをしているという男、ジョージ(稲垣)が一時間も前にやってくる。なんでも10年前に知り合った彼女と、10年後にここで再び会おうと約束したらしい。彼女が来ても来なくても一泊することにして、一杯飲んでいると、いかにもキャリアウーマン風のビビアン(安寿ミラ)が現れ、ダイナーの雰囲気が気に入って彼女も一泊することに。そこへ、滞在中のニーナ(中島亜梨沙)が虫取りから帰ってくる。四人が四人ともわけありで謎だらけ、そんな四人のダイナーでの一夜がけだるくもムーディーなジャズの音色に乗って、歌とダンスで展開していく。

 

初対面の男女4人がお互いを探り合いながら、一夜を過ごすことになるのだが、そのちょっぴりスリリングでおかしい出会いがまさに大人のテイスト。古めかしいけれど凝ったダイナーを舞台になかなかしゃれたミュージカルに仕上がった。ライザとかビビアンとかカタカナの名前だが実は全員日本人でニックネーム。蜷川だからニーナだったりする。

 

「恋と音楽」シリーズは、元花組の真飛聖がお相手を務めたが、今回は元花組トップの安寿と羽桜しずくの芸名で活躍した元月組の中島、そして元劇団四季の実力派、北村の3人が稲垣の相手を務める。それぞれにダンスを交えたソロナンバーがあり、安寿の存在感たっぷりの歌、ダンス、中島のキュートな魅力、硬軟自在の北村といった具合に3人それぞれの個性が巧みに引き出された。

 

稲垣も、10年前の約束を覚えていて、興味本位ではあるものの約束の場所にきちんとやってくる誠実な主人公を、肩の力を抜いた自然体で演じ切り、なによりそのソフトな感じが魅力的だ。余韻の残るエンディングは、このあとの4人の行く末がどうなるのか見届けたい気持ちにさせられる。ぜひ続編を期待しよう。

 

スタンダードジャズやカーペンターの曲など劇中で使用される曲の選曲のセンスがいかにもアダルトだが、稲垣が歌うオリジナルの主題歌もなかなか素敵な曲で耳に残った。香取慎吾や草彅剛も劇場に姿を見せ、稲垣があいさつでも二人を紹介するなど、3人の仲のよさが気持ちよくて、芝居の中身だけでなくさわやかで温かいものが感じられる公演だった。

 

©宝塚歌劇支局プラス8月12日記 薮下哲司

 

 

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