午後のゼミのあと、3年生たちが数人残った。ゆったりとお話をしている。
4限が終わって5限の授業になる。
「先生、先に行って待っています」
みんな、この後の学校教育実践演習のぼくの授業に参加するんだ。
ぼくの担当は生活指導の実践演習。
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きょうは、久しぶりにアコーディオンを肩に背負って教室に向かった。
「指が動くかな…」
心配になる。
テーマは『子どもたちをつなぐ』
今日の授業は、つなぎ合う遊びを中心に考えた…。
「教育実習に行ったらね、是非挑戦してみてください。教室の空気が変わります。そして温かな気持ちになる。触れたり、つながりあうってどういうことか実感してください」
そんなお話をして、教師と子ども、子どもと子ども、子どもたち同士のつながり、クラス全体のつながりへ…。と遊びを実際に楽しみながら発展する授業を展開していった。
その中で、途中ぼくはアコーディオンを取り出して弾いた。下手でもどうでもよい。
いつもアコーディオンを弾く時は、開き直ることにしている。
ぼくは、子どもたちと歌ったり踊ったりするのが大好きで、よく音楽の授業を公開した。簡単な歌を、男子と女子に分かれて、あるいは一人とみんなで、そしてまた、振り付けあそびを入れながら次々に歌った。
学生たちの声は深く響きあう。子どもたちの声にも感動したが、学生たちの歌声に心がふるえるほど感動する。若者たちの歌を独り占めにして最高の気分。
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楽しい感想がたくさん寄せられた。いくつか紹介したい。
『歌をつかっての子どもたちとの響きあいがとても面白かったです。…一人の子どもとして、ものすごく楽しく、ここが大学だということを忘れてしまうほどでした。クラスみんなが大好きだなと思わせてくれるようなゲーム、遊びばかりで、この気持ちを一人でも多くの子どもたちに味わわせてあげたいと思いました…』
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『学級づくりというのは、まず先生と子どもがつながることから始まるのだということを今日体感しました。私は、このクラスの人と関わりをもつことは少なかったのです。
でも今日、先生と私、先生と私ともう一人、先生とグループ、先生と全体、そしてクラスのみんなとみんな…、とどんどん遊びやゲームを通じて、つながっていくのがよくわかりました。久しぶりに、クラスという仲間と遊びに夢中になって笑ったような気がします。でも山崎先生のように、きっかけをつくってくれる人がいなければ、このクラス全体がつながることはないのだと思います。楽しいなと思うような学級は、先生の存在が大きいですね。素敵な遊び、ぜひ子どもたちとやりたいです』
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ここから先は、ちょっと手前味噌になりますが…。
『…略。遊びって本当にステキだなと感じられた授業でした。外の天気はくもり空なのに心の中は晴々でした』
『…略。大学の講義室の一つから、アコーディオンと大きな歌声が聞こえてきたら、廊下を歩く人はびっくりしたと思います。こんな楽しい授業を受けているんだよ、いいでしょ!と言う気持ちでした。ありがとうございました』
『授業すごく楽しかったです。みんなとの心と心の交流、たえない笑顔、あったかい雰囲気、全部がすごくステキで、こんなふうにクラスを作っていけたら本当にステキなクラスになるんだろうな…と思いました。先生の出す、あったかい雰囲気が教室全体に広がっていました。まず自分が楽しんで!! それから自分の楽しい気持ちが教室全体に広がっていくのかなと思います。あと今回思ったのは、楽器があるとすごく雰囲気がよくなるなということです…』