紡ぐしあわせ薬膳協会ホームページにて、

薬膳コラム「土用の丑の日 鰻」

を更新しました。

 

 

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、

紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

 

五行説では、あらゆる事物や事象は
木、火、土、金、水という
五つの要素からできていると
考えられています。

春、夏、秋、冬の季節をそれぞれ
木、火、金、水にあてはめて、
土は各季節の終わりに
割り振られました。

土用は立春、立夏、立秋、
立冬の前の約十八日間をさし、
年に四回訪れます。
立秋の前日までの夏の土用は
一年中で最も暑い時期です。

今年の夏の土用は
7月19日から8月6日まで、
鰻を食べる風習のある土用の丑の日は
7月24日と8月5日の二回あります。

この風習は江戸時代、平賀源内のアイディアで、
鰻屋さんの店頭に「本日土用丑の日」と
書いて貼ったところ、評判になり、
今日に至るとされていますが、

その時代より早くに、大伴家持は万葉集で
「石麻呂(いしまろ)に 我(われ)もの申す
夏痩せに よしと云う物ぞ
武奈伎(うなぎ)捕り食(め)せ」と、
詠っています。

鰻は、名医別録に
鰻鱺魚(まんれいぎょ)という名で、
体力を養うが有毒の場合もあり、
考慮して用いる中品として
収載されています。

明代の本草綱目に、
「甘し、平にして毒あり。
五痔、瘡瘻(そうろう/傷、腫物)、
諸蟲(しょちゅう/人体に寄生して
病を起こす各種の虫類)を殺す。」
などと書かれ、鰻には毒はあるけれども、

五味を以て羹(あつもの)に
煮て(≒加熱して)食えば
虚損(慢性的な衰弱)や
長患いの勞瘵(ろうさい/
伝染性の慢性消耗性疾病)を
補えるという記述もあります。

食物性味表では鰻 (性味/平甘、 帰経/肝腎脾)は
臓腑、組織の慢性的な衰弱を改善する、
腎を補う、肝を養う、
風湿を取り除くなどの働きがあり、
気虚証、血虚証、血瘀証、虚労、
体力低下、めまい、耳鳴り、夜盲症、
痺痛などによいとしています。

鰻にかける山椒は
胸のつかえやおなかの冷えを取り除き、
鰻の生臭みを取ります。

ある有名な鰻屋さんでは、
わさびや葱も添えられていました。

鰻を召し上がるのでしたら、
消化吸収を助け、
腸内での腐敗を防ぐ
薬味を大いに摂り入れると
いいですね。

 

去年の今頃の、おうちごはんです。

 

 

コラムと合わせまして、

栄養士、国際中医薬膳師、中医薬膳茶師、

紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師

野田知子先生が

薬膳レシピ「鰻 ひつまぶし」

投稿くださいました。

 

 

ありがとうございます。

毎日、蒸し暑い日が続いています。

 

そんななか、家人が、

金沢すいかを買ってきてくれました。

 

西瓜の果肉と果汁は、

中薬学の本にも載っている

祛暑薬のひとつ。

 

西瓜(せいか)は、

「中暑、暑温の煩渇あるいは

温熱病の熱盛傷津による焦躁感、尿量減少

あるいは二日酔いなどに、

単味で用いる。

適量を服食する。」と書かれています。

 

つまり、

暑気あたりや

口の渇きを解消してくれる西瓜は

暑邪を癒すに

うってつけの食材だということです。

 

西瓜の皮は

西瓜翠皮(せいかすいい)といって、

清熱解暑の効力は

西瓜の果肉や果汁に劣りますが、

お小水の排出作用に優れていて、

湿熱の尿赤や黄疸水腫に用いられます。

 

お小水を出しやすくするのが目的であれば、

西瓜の白い部分もできるだけ食べる、

あるいは

西瓜(果肉)に、

にがりの入った塩を少量を振りかけて

食べるとよいでしょう。

 

 

この金沢すいか、

西瓜の白い皮の部分が少なくて、

種も少なめで、とても美味しかったです。

蒸し暑い日が続きます。

 

旧暦六月は水の無い月、

その夏の暑い時期に、

氷室に保存していた氷を

宮中に運んだと伝えられています。

 

夏の健康のために口にした貴重な氷の結晶、

それに似せたお菓子「水無月」は、

三角の外郎を台にして

魔滅に通じる小豆をのせています。

6月30日、夏越の祓いにちなみ、

水無月を食べる慣習があります。

 

コロナの流行前には、

日中医薬研究会関西支部の例会に出席するため、

毎月、京都に通っていたので、

この時期に、

水無月をデパ地下で購入していました。

 

西川貴教さんのXで、

水無月は、京都、滋賀に限ったものと

知りました。

 

 

 

 

大学生の頃、金沢で、

氷室饅頭をいただきました。

研究室の退職された先生の差し入れでした。

その由来も同じようだったと記憶していました。

 

先週末、美濃加茂のアルビスで、

氷室饅頭を見つけ、

思わず購入しちゃいました。

 

この時期、金沢に行かないと買えない氷室饅頭です。

 

こしあんと粒あんのをひとつずつ、

家人の分もと、買った後、

饅頭の皮にも意味があるのだと知りました。

 

 

赤は魔除け、

緑は健康、

白は清浄。

 

白を買わなかった・・・。

福正宗の酒粕も入っているという酒饅頭で、

美味しかったです。

 

厄除け、無病息災などを願い、

季節の節目で行う行事、

先人の知恵を大切に、

若い人たちに伝えていこうと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

人生100年時代という言葉を
耳にしたことがあるかと思います。

 

紡ぐしあわせ薬膳協会ホームページにて、

薬膳コラム「人生100年時代 健康で長生きするには」

更新しました。

 

 

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

 

平均寿命は0歳における平均余命、
健康寿命は健康上の問題で
日常生活が制限されることなく
生活できる期間を示します。

世界保健統計(2023年)によると、
日本人の平均寿命は84.3歳、
健康寿命は74.1歳で、
どちらも世界第1位ですが、
平均寿命と健康寿命には
約10年の差が生じています。
 

できることなら健康で
長生きしたいと思いませんか。
 

西暦20~200年頃、
編纂されたといわれる
黄帝内経霊枢(こうていだいけいれいすう)に
以下のように書かれています(意訳)。
 

☆十歳になると、五臓の機能が安定し始め、
 血気も巡る。その気は下半身に在り、
 走を好み、落ち着かない。
 

☆二十歳になると、血気盛んになり、
 肉付きがよくなる。
 趨(すう/足早に進む)を好み、
 てきぱきと行動する。
 

☆三十歳になると、五臓が安定し、
 肉付きもしっかりし、
 血行が一段と盛んになる。
 歩を好み、着実な前進をする。
 

☆四十歳になると、五臓六腑十二経脈の
 すべてが成長しなくなる。
 皮膚のきめが荒くなり、
 顔面のつやもなくなり、
 髪も大層白くなる。
 精神的には落ち着き、坐すことを好む。
 

☆五十歳になると、肝の気が衰えはじめ、
 胆汁の量が減り、視力が低下する。
 

☆六十歳になると、心の気が衰え始め、
 憂い悲しむようになる。
 血気が衰えて、臥すことを好む。
 

☆七十歳になると、脾の気が少なくなり、
 皮膚にしわが多くなる。
 

☆八十歳になると、肺の気が衰え、
 頭がぼけて変なことを言いだす。
 

☆九十歳になると、腎の気が少なくなり、
 他の臓や経脈も虚してしまう。
 

☆百歳になると、五臓が全部虚して、
 神気が去り、形骸だけ残して終わる。
 

人間の生命はこうして
生、長、壮、老、死という
自然の流れにそって進んでいきますが、
身体の機能を保持し、
病気の原因を取り除いていれば、
老化や衰弱を遅らせることが
できるはずです。
 

では、どうしたらよいか、
何を食べるとよいかと
聞かれる機会があります。

個々の体質や生活習慣にもよるので、
一概にこれとは言い難いのです。

私の

場合は普段の生活や食事で
身体を冷やさないように、
今の季節なら冷房の利いた部屋では
長袖の洋服を着る、
氷の入った飲み物は摂らないことを

心がけています。

今月21日、私たちの住む地方が

梅雨入りしました。

 

強い雨が降る休日、

副菜を作り置きしました。

 

 

ようやくひと玉98円で買えたキャベツと、ツナ、

復活を熱望していたスギヨの「匠のカニカマ」、

刻んだ自家製らっきょうと、

マヨネーズを加えたコールスローサラダ。

 

ピーマンのちりめん山椒和え。

 

梅玄米酢、ミックススパイス蘭香、

オリーブオイルを加えて、

塩で味を調えたキャロットラペ。

 

新玉ねぎときゅうりに、

すだち酢と醤油を加えたおかか和え。

 

かぶの塩昆布、自家製梅干し和え。

 

身体にたまった余分な水分を排出させる

(キャベツ、らっきょう、玉ねぎ、きゅうり)

気を巡らせる食材をとり入れる

(キャベツ、らっきょう、ピーマン、玉ねぎ、すだち)

湿に弱い脾をいたわる(人参)のが

梅雨の季節の薬膳のテーマです。

 

蒸し暑くて、食欲のわかない時も

あるでしょう。

空腹を感じないなら、

無理に食べなくてもよいでしょうが、

胃の機能を健やかにしたり、

食欲を促したり、

消化不良を改善したりするのは、

かぶ、キャベツ、玉ねぎ、人参、ピーマン、

醸造酢、すだちです。

 

ジップロックを使ったらっきょう漬け、

梅干し作り、

新生姜の甘酢漬けなど、

昨年のブログをお読みの方が多いようです。

ありがとうございます!

酸味でさっぱりした味付けにするのも、

いいですよね!