とても満たされた気持ちで会場をあとにした演奏会だった。
演目は前半が「運命」、後半は「コーロ・オルフィーネの合唱と巡る楽しい世界」。
特に後半のステージでゲスト出演の合唱団と共演した演奏が良かった。
前半の「運命」では、力及ばずながら熱気の持続で大きな拍手をとった印象だった。
私が数年前まで抱いていたアマオケに対する印象通りの出来で、危なっかしさの連続に「頑張れ、頑張れ」と念じながら聴く。特に一カ所リズムがバラバラになった時はもう駄目かと目を瞑りかけた。しかし指揮者の大きなゼスチャーにより空中分解を免れ、楽員の熱気の継続は終盤の盛り上がりを支え、無事にエンディングを迎えた。大きな拍手はそれこそ「よくやった!」と歓声を上げているように聞こえた。
後半のステージで「ペルシャの市場にて」が始まると、ぱあーっと舞台が輝き始めたように感じた。それからオペラの合唱名曲が2曲演奏され、その後クリスマス音楽となる。その中で1曲だけ別格の光を放ったのがメサイアのハレルヤコーラスだった。何という輝かしさ! 思わずほろっときてしまった。アンコールで演奏された威風堂々(合唱付き)でも感激が繰り返され、それですっかり満たされて会場をあとにした、というわけである。
こういうオケと合唱の合同ステージってのは誠に羨ましい。私が合唱をしていた当時だとこういう設定は考えられなかった。ベートーベンのハ長調ミサもモーツアルトのレクイエムもピアノ伴奏だった。身近にあったオーケストラは下手で下手で、合同で演奏したら歌いにくくて仕方なかったに違いない。(オケの方でも私たちをそう思っていた、と後日聞き及ぶ) オケの水準がかなり上がった今なら、合唱との共演も定期的にやるべきだ。例えばこの組み合わせでベートーベンのハ長調ミサが演奏されたら、私は絶対聴きに行く。
合唱といえばこの日の合唱団。高い音が続く場面ではソプラノが一人か二人で歌っているように聞こえ、びっくりした。他の人も歌っていたのだろうが、あの音域になると出る人と出ない人の差が大きくなるのだろう。また、盛り上がる部分でテナーの数人が飛び出した。リズムも音程も狂ったとは思えないけれど、乗りに乗るとこうなるのだろう。これはたまにレコードやCDの合唱でもあることだと思う。私はとても人間的でいいのではないかと思う。