酒とバラの日々 -25ページ目

女王の品格

「あんなに苦しいところから、ウォッカがさしたー!」

と、解説者が絶叫する。


そう、今日は天気が良かったので、久々の東京競馬場です。

ああ明日はウォッカか。ウォッカ3番で出るなら絶対行かなきゃと思っていたら、

あっさり3番で、なんだこれは何かのお告げか、と不思議な気持ちになりつつも気分は高揚。

こう何回も行くようになったからこそ判るのだけど、絶対に勝つレースなんてない。

だから、調子がいいだろうと思っていても、どこか不安で心配で、精一杯応援したくなるのだ。


友達が携帯を忘れたらしく、なかなか会えず、

でも彼女は確実にパドックで一眼レフ持って写真を撮っているはず

とギリギリに着いたけれどパドックへ直行。

彼女の姿は見つからなかったけれど、ちょうど馬たちが出てきて、ウォッカは本当に、いつもながらに綺麗で、

今年になってからすごく感じるのだけど、『品格』が身体からにじみでています。

あれはなんでしょう。

人間もサラブレッドも一緒なんですね。あれが王者の品格。

あまりにも他の馬より落ち着いていて、やっぱり別格で、

後でゴール前の席で友達と落ち合ったときにそのことを言うと

「今日はおとなしすぎて心配だ」と言う。


確かに、去年とは明らかに違う。

それが完全な落ち着きなのか、元気がないのか判断がつかず

友達と不安な気持ちでいっぱいになりながら迎えた今年の安田記念。

でも、大丈夫なんじゃないかな、今朝の直感では今日もウォッカがきそうな気がする!


いい位置につけていたけれど、最後の直線で、いつものようにスタートダッシュがきれない。

周りの馬が多すぎて、前へと抜ける、道が出来ない!

横で友達が「ああーダメかも」と叫ぶ。

いつものようにウォッカと叫んでいいのかわからない。

だけど、見えた!ウォッカが出てくる瞬間が!

わずか1頭分しか開かなかったその道を、ウォッカが飛び出す!

「ウォッカー!!!」

最近ウォッカファンしかいないぐらい、この数年でウォッカのファンは本当に増えて

ゴール前の席はほぼ全員ウォッカの熱狂的なファンの模様。

その瞬間から誰が何を言っているのか判らないぐらいの叫び声、歓声、それは絶叫にも近くて、

わたしもその瞬間から叫ばずにはいられなかった!

サラブレッドたちのドドドドという走る音、それと歓声が混ざり合って心拍数があがってよくわからない。

飛び出ていたディープスカイを本当に美しく後ろからさして、

ウォッカは大歓声と大絶叫のなか、優勝しました。


酒とバラの日々-20090607_1


『あんなに苦しいところから、よくぞ捕らえました!!』

後で映像を見たら、解説者の大絶叫がいつもながらに涙を誘う。

『強い、強すぎる、ウォッカー!』

とこれまた大絶叫。


その頃のわたしたちはと言うと、泣いていました。

友達と抱き合いました。

ああ、ウォッカの強さは本物だ。

あの静けさは強さだったのね、と、もうなんだか泣けてきて。


本当に美しい馬。女王。品格。名馬。

いろんな言葉が浮かんできます。

ああ、本当にウォッカが大好き。観に行ってよかった。

こんな最高の姿を見せてくれてありがとう。


観客の前に戻ってくるウォッカの姿も、それはそれは気品高く、

自分が最高の位置にいることを十分に理解しているようでした。

その姿はちっとも嫌味ではなく、神々しくて眩しいかぎり。

酒とバラの日々-20090607_2


あんなに苦しいところから、まさか1位になるなんて。

ウォッカは本当に1位が似合う。

ゴールのシーンは何度見ても、感動してしまいます。


今年で引退はもう確実のようなので、

この姿を見れるのはあと数回だと思うと、胸がしめつけられるほどに悲しいのですが、

美しいものは一瞬なんですよね、芍薬でも、虹でも、夕焼けでもなんでも。


(ちなみに馬券はというと、

ディープスカイもとてもかわいくて好きなので、一応買ってあったし

というわけでそこそこの利益ではありました。)


なんにせよ、この自分の直感はしばらく信じていい模様。

そして思い出すのはやっぱりダイワスカーレット。

彼女がいなくなった今、ウォッカに敵なしなのかしら。

ダイワスカーレットがまだいたのなら、どちらも譲らない、強い女性たちのレースが見れたんだろうな。

ウォッカも少し寂しいんじゃないかしら?なんて思った帰り道。

それにしたって女は強い。

何か時代を反映しているようで、それはそれでまたおもしろいです。

とにかくウォッカは、

歴史的名牝馬です。


ケイバに興味がない方でも、彼女のレースを見たら、何かを感じるのではないでしょうか。

わたしもギャンブルが好きなわけではなく、

ウォッカという馬のレースがとても好きで見に行っているようなものだし。


次は秋になるかと思いますが、

もしよかったら是非、ウォッカの勇姿を見てあげてください。


そしてそして、昨日が誕生日だった友達にとっても

最高のプレゼントになったであろう今日のレース。

友達もウォッカも、おめでとうーハート















ありあまる富

ひさびさに、ゆっくりとブログを書く時間があるような。

1週間ぶりともなると、少し筆もなまっていて、何を書こうかと迷います。


ドラマは見てませんが、椎名林檎の『ありあまる富』が好きで、最近よく聴いてます。

わたしは好きな曲があると、バカみたいにそればかりをエンドレスで常に聴きます。

椎名林檎はほんと昔から、好きで

強くてかっこよくて、なんてイメージでしたが、

この曲は本当にあたたかくて、あたたかくてあたたかくて、

だから通勤で何回も聴いてしまう。


ここで言っている『富』とは何なのか。

富…、富って言葉を使ってくるところが、なんというか林檎っぽいというか、

彼女のセンスにはいつも脱帽で、ああすごいなあ。

価値は命にしたがってついている、と

君には富があふれている、と

あああたたかい歌詞だ。

漠然とあたたかくて、この人はなんて優しい目で世界を見てるんだろうなんて

勝手に想像して、心に沁みます。


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今日は英会話だったので、最近よく教わるモントリオール出身の歳が近くて兄弟っぽい講師に

椎名林檎をおすすめしてきました。

英語で言うと「アップル」って言ったら、そんなの知っているよとあっさり。

でも、心に沁みるという英語がよくわからず、へんてこな勧め方になってしまいましたが

気持ちは伝わったみたい。

彼はきわめて度が強く、最高に美味しいというビールを3種類勧めてくれた、

その前の講師は、ワインを、

その前の講師はNYの素晴らしいアーキテクトを

その前の講師はチェコを、

その前の講師はフレンチの美味しい料理を

その前はフレンチの美味しいチョコレートケーキを

その前はイタリアの国立公園を

と、英会話以外の知識が膨らんで、いつもこんな感じで、英会話そのものはなかなか上達しません。

トホホ。

で、テキスト中心にして早く先にすすみたいと、(そうしないと会社からお金が出ない可能性もあるし)

と散々お願いしているというのに

自分で雑談を膨らませすぎて、いつも時間があっという間になくなり

なかなか先にすすめません。

今日なんてNY出身の講師に「あまりすすめられなくてごめんなさい」と謝られる始末…。

いえいえ悪いのは私だから。

でも、謝られつつ、なぜフランスに行ったときにリヨンに行かなかったのだ?と責められる。

なんだか毎回いろんな人が、興味のあるさまざまな海外のハナシや、ミュージアムや芸術家やら、

それぞれおもしろい雑談を話してくれるものだから、

ハナシが興味深くて、目をキラキラして(←あくまでイメージだけど)思わずあれはこれはと聞いてしまうので

ハナシが脱線しすぎて、テキストに戻ってこれないし、

講師がやっと戻してくれても、また次のところで脱線。

帰り道で一人反省がいつものパターン。

しかしそれにしても、いろんな国のいろんなハナシを聞くということは、

本当に興味深い。

世界は、知らないことだらけだということをさんざん思い知らされる。

出会っても出会っても、生きている限り出会いは増えるばかりなんだなあと思ったり。

言葉以外、宗教とかの関係はあるだろうけど、それにしたって、言葉と外見以外

世界中の人たちは、実はとても一緒なんだと

全世界共通語があったなら、世界の壁はもっと低くて

世界は近いのにな、と

まあ英語が共通語なんだろうけど。


ほんと、英語は相変わらずあんまりよくわからないけれど

モントリオールの講師なんて、ほんと私の同僚の友達とぜんぜん変わらないし。

ああそういうのがおもしろい。


そうそう、『富』ね。

お金とか地位とか名誉とかそういうのじゃない『富』を自分が持っているとしたら

それは絶対になくしたくないな。

でも、それは人には絶対盗めないものだから、

と、林檎さんは言っているように思うし。

無くすことはないと言われている。

あたたかいなあ。

一文一文考えてしまうし。

そろそろ寝よう。

おやすみなさい。

明日はウォッカが走ります。がんばれー!





ガチ☆ボーイ

『グラン・トリノ』の余韻に浸っていたかった週末だけど、

借りていたDVDの期限が迫っていたので、慌てて日曜の夜に観た『ガチ☆ボーイ』


酒とバラの日々-20090531_1


コメディーだと思っていたけど感動もので、今日も結局泣きました。

最後のほうはほぼ号泣。邦画はこういう感じがとても好きです。

父、妹、仲間たち・・・、

青春そのものがこのDVDにいっぱい詰まっていて、ほほえましくて元気がいっぱいで

画面からやっぱり溢れ出ています。

よい映画には共通して言えます。画面をぶち抜けて伝わってくる何かがある。

どのキャラも愛らしくてそれぞれの演技がとってもよくて、

ちなみに私はレッドタイフーンを演じる向井くんの演技を観たくて借りたのですが、

やはり予想通り、彼の演技は自然でよかった!

そして何より佐藤隆太さんの演技は、本当に素晴らしかった!

彼が演じるイガラシ君を観ていると、がっつり勇気をもらえます。

彼の笑顔はすばらしい!青春ってすばらしい!!


酒とバラの日々-20090531_2


あっという間に観終わってしまいましたが、その短い時間の中に凝縮された何かは

すごいパワーで元気をくれたように思います。


久々におもしろいものを観たくて借りたはずなのに、

こんなに青春映画で泣けるなんてね。


イガラシくんは記憶障害、ある日を境に一晩寝ると昨日の記憶をなくしてしまうという病気ですが

そんな彼が一生懸命毎日を生きる姿には、涙がホロホロでてきてしまう。

毎日を生きることの大切さやありがたみを、彼から学ぶ。


観終わったあとは、チャットモンチーのあの歌をバックに、

校庭でも草原でも、一直線にがむしゃらに全力疾走で走り抜けたい気持ちになるから素敵。


爽快感をありがとう。