WOWOWにて、
「ホテルルワンダ」が放送される際に、
カップリングの如く、同日に放映してくれました。
どちらもHDDに録画したのですが、
まずはこちらから鑑賞。
ルワンダで起こった凄惨な歴史、
虐殺に至るまでが説明されてるのは、
こちらの方が克明かな。と。
「ルワンダ 流血の4月」
(05/仏 米 ルワンダ/141分)
監督 ラウール・ペック。
出演 アイドリス・エルバ。オリス・アーヒューロ。
デブラ・ウィンガー。キャロル・カレメラ。
フレイザー・ジェームズ。
94年にルワンダで起きた民族紛争です。
民族紛争と書くと語弊があるかもしんないので、
どう書けばいいんだろう。
この映画で描かれたのは内戦ではなく、
民族浄化だ。大虐殺。
まず映画の冒頭で説明されたことを
引用しておきます。
それが一番わかりやすいので。
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ルワンダでは、
フツ ツチ トゥワの三民族が、
何百年もの間、同じ地域で文化や言語を共有していた。
1916年、ドイツに代わって
ルワンダを支配したベルギーは、
人種差別制度を導入し、搾取を行った。
ツチの支配下に置かれたフツは、深い憎悪を募らせる。
1959年、ベルギーは
支配権をフツに与える。
ルワンダは独立に伴って、
ツチに対する差別と大虐殺を何十年も行ってゆく。
そして、
何十万人ものツチや穏健派のフツが
難民となって国外に逃れた。
1988年……、
難民たちは祖国帰還を目的に、
ルワンダ愛国戦線(RPF)を結成する。
1990年、RPFはウガンダ基地から侵攻するが、
フランスやベルギーの制圧を受ける。
内戦や虐殺は1995年まで続き、
国連が両者間に和平協定を結ばせる。
権力の座を守るため、
強硬派フツは、
和平協定を阻止しようと、
1994年4月から、
史上最大の大虐殺を企てることになる。
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今、文字を打ってるだけで憂鬱になります。
ほんの数年前のことじゃん。
心が重い。
上記の説明が映画のすべてですので、
良かったら見てみてください。
元々は共存していたのに、
他国の干渉により、争いと虐殺が蔓延することになった
悲劇の国。ルワンダ。
あの時代、植民地支配が当たり前だったとはいえ、
歴史として突きつけられると、
現実って重いよね。
主人公はオーガスタンというフツ族。
フツが支配しているから、
彼は守られているはずなのに、
奥さんがツチなので、
ツチ=ゴキブリを庇う穏健派として、
殺される名簿にリストアップされていた。
オーガスタンの実弟はオノレと言い、
虐殺当時は人気DJであり、
ツチの虐殺をラジオで扇動したとして、
現代パートでは国際裁判を受けています。
2002年パートと1994年の当時パートが、
たびたび入れ替わりますが、
それほど混乱をきたすものではありません。
わかりやすいです。
でも、94年の描写が多いかな。
メインはやはりそちら。
フツが支配してからというもの、
ツチへの差別はエスカレートするばかり。
ツチを人間と見なさず、
躊躇も慈悲もなく、無抵抗な人間を殺していきます。
恐ろしいことだ。
しかし、
現実なんですよ……。
トラックで搬送されるて山盛りの死体。
あちこちに捨てられる屍。
「IDを見せろ」
「ツチは降りろ」「そこに立て」
フツに迷いはなく、
相手がツチだと判明するなり、次々と殺していく。
ルワンダ在住の外国人を
退避させるためにやってきたUNも、
ツチを見殺しにします。
あくまで職務を遂行するだけの外国部隊。
外国が介入できなかったのは、
ソマリアの件があり、なかなか踏み込めなかった。
という。
一応、話し合いの場は持たれているが、
何ももたらさない……。
ルワンダ国軍であるフツの大佐は、
外国からの諫めに対し、
「虐殺? だからどうした。
海軍でも送ってくるか?
この国(ルワンダ)には石油もダイヤもないぞ 」
と言い捨てて電話を切る。
ここは何とも象徴的だった。
何も言えねーんだもん。先進国。
ツチは殺されるだけ。
民間人がたやすく死んでいきます。
女学生が同級のツチをかばうため、
誰がツチかわからなくするために、
自分がフツであることを隠し、
仲間を庇ったところ……。
あのシーン。
あれはひどすぎる。
穏健派フツまで皆殺しにするんだもん。
女子学生に対して無差別発砲……。
ありえないよ。
ひどい。
この映画では反乱軍であるツチ(RPF)が
あまり出てきませんでしたね。
それを出すと、
銃撃や爆撃がメインになってしまうので、
極力、避けたんだろう。
(国は違うが)
(銃撃戦はブラッド・ダイヤモンドでやってる)
逃げてきたツチをホテルに匿う
「ホテル・ルワンダ」は近いうちに見るが、
おそらく、その現場であろうホテルが
ちらりと映された。
(実物じゃないよ)
ミルコリンホテルと名前が出たので、
たぶんそうだと思う。
「ホテル・ルワンダ」も見ますよ。きちんと。
最近では
「ルワンダの涙」も公開されていましたが、
まだ見てません。
「ダーウィンの悪夢」も「ナイロビの蜂」も、
これから見ます。
私にはまだまだ知らないことが多い。
映画に限定しても、まだまだ見てないもんな。
(勉強します)
主人公オーガスタンの親友が亡くなる瞬間、
家族と離れる瞬間、
家族たちの結末……。
弟に託して検問を突破しようと試みるあたりは、
ボロボロ泣けてしまった。
怖くて怖くて。
とにかく恐ろしかった。
虐殺が開始された一日目の死者は8000人。
3 日で3万人。
15日で28万人。
最終的にRPFが国軍を制圧するまでの
100日間で100万人、
ツチ族とフツ穏健派(ツチを庇う人)が
殺されたそうです。
100万人が。
四ヶ月に満たない期間で。
怖い。恐ろしい。と言うだけで何もできない自分が
いかにちっぽけな存在かを思い知らされます。
何もできません。
何度もいうけれど、
おかしな歴史は繰り返さないことが大事だ。
私のように知らない人は、
まず知ることが重要なのだと思う。
オーガスタンの涙が印象的でした。
涙がすべてを代弁してるとは思わないが、
かなりを集約してるのは確か。
おこがましいが、私も泣きました。
ありきたりの感想で申し訳ないです。
でもやはり、
他国の関与が「武器供給」なのは、
許し難い。許せない。
当事国がそれを求めても武器は送るべきではない。
軍部にも反乱軍にも。
どちらにも荷担すべきじゃない。
(本当なら)
ただ、そうすると闇の武器商人が
一手に引き受けて売りまくる。
武器の値段が高騰するから、
他のヤツも便乗して武器商人になる。
最悪な循環だ。
武器商人・企業・軍に対する規制をかけることは
無理なんですか。ね。
どこまで武器・銃器・兵器を追求すんの?
どうにか止める方法はないかな。
と考えてみても、
一瞬でそれがほぼ無理だと諦めてしまう。
武器開発・輸出を禁止したら、
国が滅びるもんね。
巨大先進国がさ……。