東京という街は恐ろしい街だ、大ファンの作家さんを直に目の前にすることは意外にもそれほど難しくはない、もちろん、表に出ないことを選択された作家さんには会うこと能わずなのだけれど、、
だから、
京極さんにはかれこれ六、七回は直にその御尊顔を配している、僕自身がもう少し活動的であれば十数回ほどにはチャンスがあった
これもひとえに東京という街がなせる技、もしこれが東京でなければ、、そのチャンスは激減する
いまいる名古屋近郊にしてからそうだ、正に、、
東京恐るべし
そして、、
その東京は浅草の街がたった二日で消えた... 「いだてん」 では関東大震災のシーンがあったけど、かつての浅草のシンボル 凌雲閣 は、「鬼」 でも語られていたから印象も強く、、
そして、そして、、
時はくだり
昭和29年3月
こころの闇、そして、呉美由紀の物語
「人が人を殺すな、どうしてだと思う」
「鬼」 はその元ネタを他シリーズ 書楼弔堂 のテイストとも重ね合わせ、これはまた 呉美由紀 の事件でもあるんだな と、最後のクライマックスを読みながら
「簡単なことだ。殺せるからよ」
そんなセリフに、、あぁ 確かにそういう一面、捉え方はあるよね と、... もちろんそれが全てではないのだけれど、ここら辺りは、「ルー=ガルー」 との比較も出来そうだね
「そりゃ、出来るからだよ。殺せるからさ。攻撃は最大の防御とか云うが、
攻撃は攻撃だよ。先も後もねぇ。武器を持ってる奴はな、
それだけで攻撃されても仕方がねぇってことだろ。武器ってのはそう云うもんで、
そのためにある。だから刀は ── 怖いんだよ」
今昔百鬼拾遺 鬼 / 京極夏彦
さらに面白いと思ったのは、浪越徳治郎先生だ、だって知ってるもん、一時期テレビでよく見かけたから、ここまで近世に近い史実を絡ませることを選択した京極さんの真意とは?
実際にあった事件を絡ませるのは 「夢」 からかな?実在の人物は 「檻」 の釈宗演老師が最初?その後 百物語 シリーズでは 山岡鉄舟居士 に 初代円朝 が、、と、いらっしゃるにはいらっしゃるのだけれど、実際に同じ時代を生きてはいない
もちろん 「疵」 では 横溝さんが出てくるけど同じジャンル、ミステリィ界の人だから、それほどには驚かなかった
が、
浪越徳治郎先生はあまりによく知っている、よく覚えている、もうお茶の間レヴェルだった、あのトレードマークとも云える指圧の型の像は東京小石川は伝通院さんの参道脇で拝むことも出来る
うーむ...
この先いったいどうなるのだろう?京極さんの目論む世界観とは??その意味するところとは???
それはひょっとして、
「碑」(*1)
にあるのかもしれない、横溝さんが出てきた時点から想像していたことがある、
ひょっとして、ひょっとして、、、
*1:今年の九月で あの 「夏」 から25年、節目としてはそろそろよいのでは、、、
(ー人ー)
■関連ブログ■
読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか?
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018のまとめ) )
死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
読み終えたかったという願いは叶わない。
二都物語 / C.ディケンズ
※2019年に読んだ文庫本など
・暗黒館の殺人 / 綾辻行人
・風林火山 / 井上靖
・スティグマータ / 近藤史恵
・塗仏の宴 宴の支度 / 京極夏彦 [再読]
・塗仏の宴 宴の始末 / 京極夏彦 [再読]
・復活の日 / 小松左京
・冷静と情熱のあいだ Blu / 辻仁成
・アミターバ / 玄侑宗久
・伊勢神宮 ── 東アジアのアマテラス / 千田稔
・今昔百鬼拾遺 鬼 / 京極夏彦
・国史 口語訳 / 白鳥庫吉 著、出雲井晶 訳
・しっかりやれよ / 朝比奈宗源
・尾張国熱田太神宮縁起 現代語訳 / 熱田神宮
・日本沈没 第一部 / 小松左京
・Xの悲劇 [新訳版] / E.クイーン [再読]
・今昔百鬼拾遺 河童 / 京極夏彦
・
いつの間にか泳いできて、いつのまにか夢の島へ誘われ、、
浮世に目覚めては、さて、どこまで読んだのだろうか? と、そのページを探してる自分がいる、、、
読書の供、それは寝落ち