御手洗シリーズ3選 | カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

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電光影裏斬春風

知っているようで知らない歴史の裏側をそっと、

御朱印帳をたずさえぶらり、ふらり、、つれづれに、、、

日々徒然に

好きな御手洗作品を今の気分で、、

 ネジ式ザゼツキー
 龍臥亭事件
 摩天楼の怪人



というか、
 最近はこの3作に固定されていて、

とはいえ、
 文庫化された時に読むので最近作は未読ですけどね💦

というように、、
 たごさくさん に触発されて、


あらためて感じたことなどを徒然に





御手洗シリーズ3選

順不同、それぞれに面白さが


その選の1

ネジ式ザゼツキー


医学ミステリィをたどればやはりS.ホームズに行き着くと思うけど (=S.ホームズの事件簿) 、
その後のミステリィ界では、海外を見てもないよなぁと

クイーン、クリスティ、カー、V.ダインでも思い浮かばないし
(まぁ未読もあるので正確にはわからないのだけれど... 💦) 、
島田先生以外で浮かんだのはまずは京極さんの京極堂 (百鬼夜行) シリーズだったし、
次いで麻耶雄嵩さんの・・・・・・

というように、
このジャンルを発展させてきたのはやはり島田先生だと思ってます✨
横溝正史の 仮面・・・・・・ もそうかもしれないけど、
島田先生のように最新の医学研究を元にした新たな視点でというものではないしね

 ( ̄ー+ ̄)
o[ 先 見 性 ]o


偏見やタブーに触れる可能性もあるので、ある意味、
今になって少しづつ書けるようになったのかなぁという側面もあるのかも、、
さらにロックをミステリィの中に本格的に取り入れたのは島田先生が先駆?
これは 童謡 や 手毬唄 のヴァリエーションのひとつなんでしょうねぇ

そう思えば、
その先見性は先に芽吹いた系譜の絶えさせてはいけない継承でもあるわけで


その選の2

龍臥亭事件


御手洗シリーズとしては、
M.ルブラン (A.ルパン) における 棺桶島 のように番外的だけど好きなんだなぁ

また、C.ドイル自身は書かれた側だけど、
御手洗シリーズが他のシリーズとリンクしてくる展開は嫌いじゃないし

M.ルブランしかり、E.クイーンしかり、江戸川乱歩しかり、
最近では森博嗣さんしかり、京極夏彦さんしかり、、 (*1)

加えて、今作の謎の収め方は少々強引な力技 (?) とも感じたけれど、
これまたそんなに嫌いじゃぁないし、
というかこれこそが 新本格 と呼ばれるジャンルをよく体現していると思ったからで、
カー の描く不可能犯罪の系譜にして発展系の意味をも内在させられているようにも思う

むしろこのくらいが好ましいなぁ

 ( ̄ー+ ̄)
o[ 関 連 性 ]o


で、事件の背後にあるものを描くのはC.ドイル譲りだよなぁと今作も

*1:かつてのダヴィンチ誌上での発言にもあるように、
 京極さんは積極的にシリーズ間を関連させる意図がおありのようで、かつ、
 実在の人物や実際にあった事件も作品の中に描かれたりもして✨
 狂骨邪魅では現実にあった事件を、陰摩羅鬼鉄鼠では加えて実在の人物も出てきて、
 特に鉄鼠は再読時にその詳しさにびっくり💦
 森さんに至っては、シリーズ間のリンクというものは必然とすら思わせられます


その選の3

摩天楼の怪人


ノベルス版の 陰摩羅鬼の瑕 (*2) の帯には確か、ただ 「京極小説」 とだけあったような???
そう、摩天楼の怪人もまさに 「島田小説」 なのだと
「建築家は百年先を見ている」 ってなセリフ?にも、ストーリィとは直接は関係ないけれど何だか感動したなぁ
そういう思想から生まれるミステリィがもっと増えていいし、まだまだその余地はあるように思うし
探偵キャラのヴァリエーションではなく、その探偵と素材とのヴァリエーションで物語らせる切り口は、
まだまだあるはずだと思うんだけど、、???

 ( ̄ー+ ̄)
o[ 物 語 性 ]o


ただ、京極さんのように扱いきれるかが問題で、扱いきれないから、
手を出しきれていないというのもあるかも?

*2:異なる文化思想の間に生まれるミステリィとして読めば、
 なんとも先駆的な作品だなぁと思いました、美しい とすら感じた


新本格によせて

描く側は、
そんなの有り得ないだろう?という謎に、どういう理由/背景なら有り得るのか?を綴り、

読む側は、
そこに新本格の面白さを見い出すことが出来るのか、あるいは、
ただただ有り得ないとして終わってしまうのか、、

最近の島田先生の作品に感じるのはそこら辺のところだし、いやむしろ、
敢えてそこに挑んでいるともいえるのかもね


以上

コメントをつけさせていただくには長すぎるなぁということで、リブログにて


ヽ( ´θ`)ノ



部屋の片隅に
光文社版新訳 バスカヴィル家の犬 の解説は島田先生でした、さすがシャーロキアン


積読の一冊
リベルタスの寓話




最後に

ところどころ記憶違いもあるかもしれませんが、その辺りは平にご容赦、ご容赦、忖度にてお願いいたします

(-人-)

適度に忘れることで再読が意外に楽しいです




** エンドロール **

他のシリーズだと、、

 奇想、天を動かす
  → 御手洗シリーズでもよかったように思いました、むしろその方があってる?
 犬吠里見の冒険
  → スピンオフですね、どうしてみんながしゃべらなかったのか?という謎が面白いなぁと

シリーズ外だと、

 写楽 閉じた国の幻
  → いくつか自分でも確かめたくなる内容があって、いつかいつか自分の目でも
 アルカトラズ幻想
  → 金星の謎など新鮮でなるほどな〜と


■関連ブログ■
バスカヴィル家の犬 / A.C.ドイル
鉄鼠の檻 / 京極夏彦[再読]
絡新婦の理 / 京極夏彦[再読]
【はまった理由は?⑥】(「獄門島」に寄せて、聖天様の御朱印)