この冬ついに、最後の野良ネコ軍団を餌付けすることに成功したのであります。
外気温が氷点下となる日がつづき、さすがの野良ネコ軍団も寒さが身に応えたようで、ストーブのあるうちの家に入り込むようになったのであります。
最初はビクビクしながら入ってきます。が、こっちも野良ネコとの付き合いのキャリアがあるのであります。
まずは野良ネコが入ってきたあたりにエサを置き、さらにその奥にはもっとおいしい缶詰あたりを置いて、どんどんストーブに近づけます。そしてストーブの前にやってくるやいなや、野良ネコたちはそこから動けなくなるのであります。
ただし、ストーブの前で野良ネコ軍団がリラックスしはじめると、われわれには困ることがあるのであります。
それは、トイレに行ったり、別の部屋に行ったりができなくなることであります。私たちが立ち上がったり、入口に近づいたりすると、野良ネコ軍団が素早く外に逃げ出してしまうのであります。
ちなみに、この野良ネコ軍団は、われわれが三毛かあちゃんと呼んでいる三毛猫と、そのネコが産んだ茶トラの3匹なのであります。
そのうちの1匹
は、捨てられているところをうちの夫婦が保護し、ホームごたつでぬくぬくと育てた子で、いまやうちのリビングを走りまわっているのであります。
そして、残り2匹のきょうだいと三毛かあちゃんが、このたび、めでたくわが家にやってくることとなり、親子きょうだいが対面することと相成ったのであります。
さらに今年の冬は、われわれがヒゲかあちゃんと呼んでいる野良ネコが4匹の真っ黒の子ネコ
を生みました。都合8匹も増えたので、わが家は急に大忙しになったのであります。
育ち盛りの子ネコ8匹は食べ盛りでもあり、どれだけエサを与えても、すぐになくなってしまうのであります。
しかも、全員が野良ネコ出身であり、一時は厳しい飢餓状態にあったのか、それはもう、どの子も食い意地が張っていて、とてもお下品な食べ方をするのであります。
わが家ではネコたちには十二分にエサを与えているのですが、この子ネコたちはケンカをしながらエサの取り合いをするのであります。
その中で、先に三毛かあちゃんのもとを離れて、うちが保護した茶トラの子は、食事についてはわが家での幼児経験が意外と満たされていたので、ケンカすることなく優雅な食事を楽しんでいるように見えます。
しかし、茶トラ2匹と黒ネコ4匹は激しくエサの取り合いをするので、いままでは優雅であった平家のネコの食事タイムが非常に殺伐としたものになっているのであります。
ところで、「ネコはこたつで丸くなる」という歌がありますが、平家のネコ用リビングにはホームごたつが2台あり、それを連結させて猫専用のホームごたつとしているのであります。
このこたつの中、ストーブの前、水屋や資料棚の上など、うちのネコたちにはそれぞれのお気に入りのポジションがあるのでありますが、この冬、こたつで寝ている子ネコたちに目のヘルペスが蔓延してしまったのであります。
野良ネコの子どもは保護した時点でたいてい目ヤニのようなものがひどい状態なのですが、これは目のヘルペスなのであります。
このヘルペスに、近年はIDU
という目薬がよく効きます。1本2,800円と、私の目薬が何本も買える値段ではありますが。また、鼻にもオフロキサシン
という目薬にインターフェロンを混ぜてさすと劇的に効くのであります。
これらの目薬を3日間ほど使ってみても治らない場合はクラミジアにも感染していることが多く、これは軟膏を目に塗りつけてやるとたいてい治るのであります。
というようにクスリは効くのでありますが、多頭飼いであるわが家では、一匹が治りはじめてもほかの子にうつし、その子が治りはじめてもまた違う子にうつし‥‥とホームごたつの中の感染の連鎖が起こってしまうのであります。
そのため、全員が治るにはけっこうな時間がかかり、その間、高価な目薬が何本も消費されていくのであります‥‥。
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