わが家はネコがたいそうたくさんいる家なので、トイレとエサ場はいろいろなところに配置しているのであります。
ど田舎に家があるので、うちのネコたちはトイレ以外でもそのへんの野原で自分の気に入った場所を見つけて用を足したりもしています。
エサ場と水場は、台所付近と、もう一つ、中庭あたりに置いているのであります。
なぜかというと、わが家のようにペットを出入り自由にしておりますと、雨の日なんか、エサを食べに台所に入ってくると床が泥だらけになります。なので、できれば中庭あたりでエサも食べていただきたいというささやかな抵抗なのであります。
ところが、この中庭に置いたネコのエサ、うちのネコだけではなく、野良ネコ、カラス、アライグマあたりが食べにくるのであります。というか、わが家のネコはここではほとんど食べず、それ以外の者たちのエサ場になっていると言っても過言ではありません。
そして、わが家のこの中庭のエサ場に、半年ほど前からニューフェイスの野良ネコが訪れていたのでありますが、なんと、真っ黒の子ネコを1匹、連れてきたのであります。
子ネコのくせに丸々とした大きなネコだったので、わが家では大丸ちゃんと名づけ、神戸大丸が大好物の奥さまにたいそうかわいがられておりました。
そして、この大丸ちゃんを連れてきた野良の母ネコが、このたび、なんと4匹もの真っ黒い子ネコをわが家に連れてきたのであります。妊娠していたのに気づいておらず、いきなりだったので、それはもうびっくり！
しかも、この子ネコたち、栄養状態がよいようで、フサフサ丸々しているのであります。
生後1カ月半ぐらいたっているようで、親ネコのミルクだけではおなかが満たせなくなって、わが家に連れ込んだようなのであります。
さっそく子ネコ用のパウチ入りの離乳食をやってみたところ（なぜかわが家には常備されている）、それはもう、ものすごい勢いで食べはじめたのであります。
その後もどんどん与えると、エサをくれるおじさんだと認識していただくようになり、私を見ると「エサくれ〜〜〜！」と4匹の大合唱がはじまります。それはもう、かわいいこと、かわいいこと。
4匹のうち2匹は抱っこしてなでるとグルグルと言ってくれるぐらいなついたので、もうしばらくして寒くなってきたら、うちのホームごたつにほうり込み、わが家のネコにしようと野望は尽きないのであります。
ちなみに野良の母ネコはすでにしょっちゅうわが家に入り込み、毎度、台所に出してあるエサを食べ散らかしていくのであります。
しかし、子ネコ用にパウチのウェットフードをあげると、母ネコは自分も食べたいであろうに、子ネコたちが食べ終わるまでじーっと見守り、残りものを食べるという健気さ。
口の横にヒゲがピョンとあるのでわが家では「ヒゲかーちゃん」と呼んでいるのですが、なかなかたいしたおかあさんなのであります。
ちなみに、わが家のネコたちはすべて避妊手術済みなので、このように野良ネコが子ネコを連れてこないかぎり、わが家では増えないのであります。
また、今回のように4匹やってきたから、4匹増えるというものでもありません。
というのも、そろそろ避妊手術をしようかという8カ月ぐらいの月齢になってくると、うちの庭などを走りまわり、歩道なんかに出て、さらに車道なんかにも走り出て、交通事故に遭ってしまったりするからなのであります。
さらに夜遊びが過ぎると、最近、エサが不足しているらしいイタチやキツネに捕まり、食べられてしまう子もいるようで、多くの場合、半減してしまうのです‥‥。
ちなみに、子ネコを飼うからには、天寿を全うするまで責任をもって見てやらねばなりません。
そこで、来年、私が65歳になるまでは、うちに来る子は無条件に飼ってやろうと思っているのですが、自分たちもだんだん年をとっていくので、それ以降に関しては控えたいと思っています。
代わりに野良のメスネコを捕獲し、避妊手術をしてわが家で飼うようにしようと、いきつけの獣医さんとも相談して決めている次第なのであります。
かわいい子ネコと戯れられるのも、あと1年‥‥。いまのうちに心おきなくモフモフしておくのであります。
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