前回分
父親から譲られた不思議な寝癖枕は、サラサラヘアーは良かったけれど、リーゼントヘアー、それからアフロヘアーまでになってしまう根手見出生(ネテ ミテオ)。
とうとう怖くなり、普通のいつもの枕で寝てみる見出生だが……
起きてから、何となく鏡をすぐ見てみようとなり見に行くと。
「何だこれは~~~~」
アフロヘアーは限りなく無くなったけれど、タイヤで潰したかつらみたいに左側に寄ってしまい、かなりいびつなヘアーになっていた!
今までにない酷い寝癖になっていて思わずパニクる。
「どうしよ、どうしよ、さすがに酷過ぎて……」
やはりなまたあの枕の箱を見てみた。
……この枕はどんな人も1度寝ると朝まで起きない安眠枕です。
そこまでは前に読んだ時と同じだったが。
……他の人から明確なキャラを言われると、その通りになりやすいので気をつけて下さい。
あ! こんなこと前回は記されていなかったのに!
でも、まー松○優○よりはBRADIOの方が結果オーライになったから良かったけど……
あぶね~~、人に振り回されたりもするなんてとんでもね~~な~~。
見出生はとにかく先を読む。
……途中で元の枕に戻した場合は必ず酷い寝癖になりますので十分気をつけてください。
そして……
「それだったら意味がね~~~~!」
普通の枕にしようが、父親から譲られた枕にしようが……
「寝癖から逃れられないってことじゃんかよ!」
見出生は思わず叫んでいた。
そんなことをしても時間はどんどん過ぎていく。
見出生は髪の毛を洗いに行ってみると……
「あ、戻った、良かった~~」
それはそれで何だか不思議な感じだった。
これも何か今までにない別のキャラなんじゃないかと思う見出生。
安心したのもつかの間……
なぜか髪の毛が元に戻ったというのに、逆に悪いことばかり起きてしまう。
上司に怒られたり取引先で失態をしたり、あげくは同僚の足まで引っ張ってしまうことになる。
……何でだ? 今日はとんでもなく運が悪くなってて、これじゃあ、寝癖枕にした方が断然良かったかも……
ひとりで庭のベンチに座っていると、どこからともなく見知らぬ老人がやってくる。
「どうしたのだ? 青年よ、浮かない顔をしておるな」
そして見出生に声をかけてきた。
なぜなのか、その老人をどこかで見たことがあるような気がしてならず……
続き