前回分
黒井蛍都(ｸﾛｲ ｹｲﾄ)友田知伊代(ﾄﾓﾀﾞ ﾁｲﾖ)の裏の声が聞こえてしまい……
実は蛍都は嫌なことが起こるようについ願った為、それが本当に起こってしまう。
更には自分が再び知伊代に優しく声をかけると、まわりの人達も蛍都の声に加担して……
これも全て、この３つのアクセサリーのせいだろうと確信していた。
うちに帰ると、蛍都はさっそくあの説明書を読む。
ーーあなたと対面して話す人が話していることと裏腹な気持ちの声は、指輪によって聞こえます。
そしてあなたの強い感情は、そのまま実際にネックレスにより叶えることが出来ます。
相手を憎んだりするとその通りになりますのでご注意下さい。
その為、逆にあなたが優しくした相手はまわりの人の気持ちも同じく出来ます。
全く友田知伊代ことをその通りだったと思う蛍都。
「自分の感情に気を付けないといけないのか…」
複雑な気持ちになる蛍都。
指輪ぐらいは外そうとするが……
「ぬ、抜けない！」
ネックレスはと手にかけるものの、外せる金具の箇所が全く見つからない！
「ウソ、ウソ、ウソ！」
蛍都は冷や汗をかきながら、ネックレスのチェーンを端から触るものの……
「ない！」
外せる金具は結局見つからなかった。
まさかと蛍都は思いブレスレットも調べる！
「な……い」
ブレスレットも同じく外せる金具がどこにもなかった。
蛍都は怖くなりブレスレットを壊してもいいから、引きちぎろうとしたが……
「ダメだ、切れない……！」
自分からは壊せない⁉️
とんでもないものを買ってしまったと思う蛍都。
またあの商店街へ行き、ブラックフライデーのブラックボックスを買ったであろう場所へ向かうと……
店舗はもぬけの殻で何もなかった！
「そ、そんな～～」
蛍都はがく然とする。
これからどうなるの？
蛍都はまた元来た道を戻る。
その時だった。
「こんなところで何してるの？ 黒井蛍都、だよね？」
ふいに声をかけられて目をあげると、
「どうかしたの？ 怯えてるようだけど」
なんと蛍都に話しかけてきたのは、学生の時に苦手だった同級生の仁賀手多苗(ﾆｶﾞﾃ ﾀﾅｴ)だった。
「いや、別に……それじゃあ」
蛍都は振り切ろうとする。
「ちょっと待ってよ、久しぶりに会ったんだから話しでもしない？」
まさかの蛍都は多苗に手を掴まれてしまい……！
続き
