前回分
黒井蛍都(クロイ ケイト)は、ひょんなことでブラックフライデーセールで買った指輪、ネックレス、ブレスレットで裏腹な心の声が聞こえたり、
自分の感情に同調するように周囲をも動かす力を身に付けるもののが……
学生の頃苦手だった同級生の仁賀手多苗(ニガテ タナエ)に遭遇してしまう!
「久しぶりなんだからちょっと話とかしよ」
多苗はやっぱり勝手だった。
「そこのカフェでどう?」
そしてずうずうしい。
「いや、私はいい、急いでるか……」
断ろうとするものの……
「いいじゃん、おごるよ~~」
借りは作りたくないと思う蛍都。
「いいよ、おごらなくて」
「彼氏出来た?」
うわ~~、こういうずけずけ感からもう苦手。
「そっちは?」
負けずに言い返す蛍都。
「出来た、出来た、出来たよ~~」
はあ?
何か言い方からこー……
何か奥底からどす黒いものが沸きだって来るような、このドロドロした気持ちは。
「年上なんだ~~良いでしょう」
はあ? 良いでしょうが余分!
「毎日楽しくてさ~~」
うわ、うるせえ、なんだこいつ……!
「毎日電話してくれるしさ」
あ、良かったね、リア充で!
「ごめん、ごめん、たくさんわたしばっかり話して、で蛍都は……」
もううるさい、やめて!
「もちろん、彼氏なんていないよね?」
あーーーーー‼️ こいつやっぱり嫌いだ! 消えろ!
途端、すぐ真横をもの凄い勢いで通っていくトラックが走り抜けて……!
本当に蛍都の横をギリギリでそのまま、多苗だけに突っ込んできた!
え、
その時は何が起きたのか全く判らなかったけれど、まもなく気づくと多苗が血だらけで倒れていることに蛍都はやっと把握した。
人がだんだん集まりだし……
蛍都は腰が抜けて、しばらく立ち上がれなかった。
続き
はじめから