灯油ヒーターがやってきた-メンズ洗濯物シリーズ10- | いろいろしぃーのブログ

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前回分



夜は室内干しをされる洗濯物達。


夏はすぐ乾きますが、冬は下着類は朝には乾いてくれて、その他の洗濯物達は外に干されてしまいます。


そんな夜の出来事……


紺パンくんの番だったので室内干しをされている時でした。


「おい、紺パン」


「ん? え、あ、黒パンの兄貴! どうしたんですか? こんなところまでやってきて」


まさかの黒パンさんは、収納されていたところから抜け出してきて……!


「おう、やってくるに決まってんだろう? 新しい灯油ストーブを買ったんだって聞いてさ~~、構ってみようぜ」


「ちょっ……黒パンの兄貴、灯油ストーブって、ブルーヒーターですよ~~」


まわりの洗濯物達もクスクス笑います。


「何? ブルーヒーターっていうのか!?」


黒パンさんは驚きました。


「ストーブっていうと、水の入ったやかんをのせたり水を張った鍋をのせたりするのが、ストーブですよ~~」


意外と物知りな紺パンくん……


「あ、そうか~~、とにかくちょっと新しいストー…じゃなかったヒーター構ってみようぜ、早く降りてこいよ~~」


黒パンさんは無茶ぶりします。


「ええ~~戻るの大変なんすけど、仕方ないっすね~~、えい」


まさかの紺パンくんは思い切りパンツを何回か前後に振ると、思いきってふん! と下へ力を入れました。


すると、洗濯バサミが外れます。


ヒラリと何とか紺パンくんは着地しました。


「おーすげえ、着地キレイじゃん」


黒パンさんは感心します。


「最近、コツをつかんだから」


紺パンくんは照れました。


「へえ~~オレのおかげだな」


なぜか偉そうにする黒パンさん。


「もう~~ボクが室内干しされている時に限って、兄貴が誘ってくるからじゃないですか」


「せっかく新しいストー……じゃなかったヒーター来たからさー……」


黒パンさんがそう言うので、紺パンくんはまさかと嫌な予感がします。


「ヒーターつけてみようぜ!」


黒パンさんは言いました。


あーやっぱりーとなる紺パンくん。



「ダメですよ、起きてきたらどうすんですか?」


紺パンくんは必死で止めようとします。


「確か電源を押せばいいんだよな?」


黒パンさんがよっと灯油ヒーターによじ登りました。


そして1番上に到達すると、そこからポチッと押しましたが……


シーン……何ともなりません。


「何だ、つかねーなー」


黒パンさんは憤ります。


「あ、兄貴、あれです、元の電源がはいっていないからですよ」

「よし、元の電源入れてこい紺パン! お前に任せた!」


「はい、まっとうさせて頂きます」


すっかり黒パンさんにのせられて、紺パンくんはまんまと元の電源をつけてしまいました!


そして黒パンさんは再び電源を押します。


すると、カチカチカチ……ブオーとついにヒーターは点火してしまいました。


「うお~~! ついた~~! すげえ!」


「うわ~~兄貴、そんなに乗り出したら!」


ヒラ~リ~~


「うわ~~痛くね~~(笑)」


黒パンさんはふんわり落ちました。


そして、ヒーターの前に立つと、


「うお~~! あったけ~~!」


温風でパンツがものすごい揺れます。


「もういいでしょう? やめましょうよ、兄貴~~」


「お前さ~~、まだ濡れてんだろう? もっと前にいきやがれ」


「止めて下さいよ」


黒パンさんは後ろから紺パンくんを前に出します。


しばらくすると、白い湯気がもわもわと紺パンくんから出てきて……


「うわ~~! 湯気が~~!」


「おお、すげえ、もうちょっとで乾くだろうもっとやれよ」


ちょっとパワハラチックになります。


そして、


「もう熱くて無理です~~」


とうとう紺パンくんから焦げ臭いにおいがしてきて……!


「わ~~! ヤバイヤバイやり過ぎた~~!」


黒パンさんは慌てて、紺パンくんを壁際まで避難させます。


「あ~も~~危なかった~~」


「でも乾いただろう?」


「確かに乾いたけど、焦げ臭くなりましたけどね」


紺パンくんは落ち込みました。


「大丈夫、大丈夫、そのくらい、ほら、もう戻れ」


やっぱり黒パンさんは勝手です。


「もう手伝って下さいよ」


「いいよ、投げればいいんだろう? 靴下達、スタンバイよろしく」


「は~~い」


靴下達は洗濯バサミをそれぞれもって下からくる紺パンくんを待ち構えました。


そして黒パンさんが、えい! とブン! と紺パンくんを投げると、良いポーズで飛んでいきタイミングで洗濯バサミで紺パンくんを挟みます。


華麗な連携プレイが発動しました。


「よし、じゃあオレ、行くわ」


黒パンさんは見届けると、さっさと帰ろうとします。


「ちょっ、ヒーター消して下さい」


紺パンくんが慌てて訴えました。


「はいよ~~」


黒パンさんはよじ登るのがメンドーだったので、元電源をいきなりオフにして強制終了にしてしまいました。


シュパーン!


いきなり消えて……


あまりよくない感じですが、無事消えました。



翌朝、


「あれ…焦げ臭い? 何だろう?」


奥さんが焦げ臭いことに気付き、室内干しされた洗濯物に寄ります。


そして、


「うわ、◯◯(旦那)のパンツが焦げ臭い! 何で?」


奥さんは紺パンくんが焦げ臭いことを突き止めました。


しばらく奥さんは紺パンくんを見つめて考えると、


「よく判んないから、もう1回洗おうっと」


「ええ~~! そんな~~」


紺パンくんはまた洗濯機に逆戻りして洗濯されてしまいました。


するとかなり焦げ臭いのが取れたとか、ちょっと取れなかったとか……?



おしまい



最初から