誤配達〈40〉町替の顛末は……【完結】 | いろいろしぃーのブログ

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「とにかく、絶対あいつだけは徹底的に呪ってやる! 魔女の名にかけて!」


どこかで聞いたようなセリフを言いながら、此方賀星夏は躍起になっていた。


「もう放っておいたら?」


羽磯佳那はため息をつく。


が、


「ダメだよ、あいつクソ根性曲がってるから、だって私にクソアマだけならいいものの、メ○ブ○! て言ったんだからね!


ぜってえ許せねー!


星夏は退かなかった。


女は特に魔女を敵にまわしたら恐ろしい……


「でも、どうするの? もう小包は通じないだろうし……」


心配そうに言う羽磯。


「だったら直接ぶちこむまでよ!


星夏は力強く言い放った。



町替が誤配達されてから、丁度2週間目の昼間のこと。



「あ~~良かった……金目のものが無くて……まさかのあの呪いの小包を泥棒が持っていくとは……アブね~~、アブね~~」


俺だけ生き延びることに成功したんだ!


これだけ運が強いなら……


「仕事だってすぐ探す気になれば探せるはずっ! よお~~し!」


ぜってえ、実家に戻らね~~!


町替はかたく誓う。



その時だった。



ピンポーーン……



うわ、また? 居留守使おう。



ピンポーーン……ピンポーーン……ピンポーーン……



わ、しつこっ!


とうとう腹が立ち、


「さすがにしつこく押しすぎだろう!? 止めろ!」


怒鳴りながら町替はドアを開けた!


がそこには誰も居なかった。


気配も感じず……辺りはしんと静まり返って……


「え、どういうこと?」


もの凄いピンポンダッシュが出来る奴だったとか?


「ウソだろう~~!?」


町替はドアを閉めてリビングへ戻ると、またピンポーーンとまたもやコンボの応酬を受けて……!


「…ノヤロウ! 今度こそ顔を見てやる!」


町替は抜き足差し足をしてから、まだピンポンが鳴っているのを確認してから、


「誰だあ~~!」


勢いよく町替はドアを開けた。


が、


そこにはやっぱり誰も居なかった!


「え、ウソ……だろう?」


町替は昼間だったが気持ち悪くなる。


その時だった。


町替の足許に何かが当たる。


見ると、


「うわ、何だよこれ!?」


そこにはいつの間にか、黒い粘土のようなもので簡単に作られた人形的なものに、無数の針が刺されているものが置かれていた。


「気持ちわり~~!」


町替がその呪いの人形的なものを外へ向かって蹴りだそうとしたところ……


更に同じように針で刺された人形が何体か増えていた。


「うわ~~!? 何だよこれ? いつの間にか増えてるし置かれてるんだよ!」


さすがに外へそれだけの物を蹴り出すことが出来なくなり……


あ、もしや此方賀星夏を思い出す。


リビングに戻り、慌てて町替は星夏へ電話をかけた。


やはり出た。


『はい』


「おい、お前だろう? この人形! さっさと片付けろよな!」


が、


『自分で片付けたら?』と星夏は一蹴。


「はあ? いい加減にしろよ!」と怒鳴る町替。


が、


『そんなのん気に私になんて電話してていいの?』


星夏は動じず。


「だからさー、お前が……」


その瞬間、


『クソゴミヤロウがあ~~これでお前もジエンドなんだよ!』


星夏がこれでもかというぐらいの勢いで、町替へに向かって暴言を吐いた。


途端、突然突風が吹き荒れると、町替の出入り口のドアの反対側に丁度トラックが停車しており、


その荷台に積んであるたくさんの竹がみんなふっ飛んでしまった!


しかもそれらは町替の部屋だけに向かってガラス窓を次々と突き破ると、町替の体を次々と貫きとうとう全身血だらけになり絶命した。


あの針が無数に刺さった人形と同じように……


やっと呪いが遂行されたのを電話越しに把握した此方賀星夏はニヤリと不気味に笑んだ。



〈終〉



最初から