うそ寒き 夜の戸叩く、、日々、一歌96/365+1
日々、一歌96/365+1うそ寒き夜の戸叩くまれ人のかそけき常世のしのび寄る雨「うそ寒」は季語としては秋だ、と。お歴々はと見てみると、しかし、春にも冬にも使うておりゃる。季語などあてにはならない常世、常世波、常世の雨、まれ人。釈迢空・折口信夫、、、折口信夫「とこよ」と「まれひと」と、より稀に来る人と言ふ意義から、珍客をまれびとと言ひ、其屈折がまらひと・まらうどとなると言ふ風に考へて居るのが、従来の語原説である。近世風に見れば、適切なものと言はれる。併し古代人の持つて居た用語例は、此語原の含蓄を拡げなくては、釈かれない。