日々、一歌983651

 

常世波

日の神還る

海路より

遥かたゆたい

人をさらふ、と

 

折口信夫「妣が国へ・常世へ   異郷意識の起伏」

すさのをのみことが、青山を枯山カラヤマなす迄慕ひ歎き、いなひのみことが、波の穂を踏んで渡られた「妣ハヽが国」は、われ/\の祖たちの恋慕した魂のふる郷であつたのであらう。いざなみのみこと・たまよりひめの還りいます国なるからの名と言ふのは、世々の語部の解釈で、誠は、かの本つ国に関する万人共通の憧れ心をこめた語なのであつた。