140:傾山3 〜御来光鑑賞の旅〜(九折登山口) | 山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

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九州(主に熊本)の山登りやってますw
よかったら読んでやってください(o^^o)

シルバーウィーク後半…

休暇を取ってせっかくの連休になったのでテン泊にでも行ってしまおう〜

…ということで…

 

〜傾山〜

大分県と宮崎県の県境にある祖母傾山系の山。山頂は大分県豊後大野市に位置し、標高1,605m。祖母傾国定公園に指定されており、日本三百名山及び大分百山にも選ばれている。山頂は3つの岩峰からなり、南から後傾・本傾・前傾と呼ばれる。

 

昨年の夏に猛暑の中、テン泊予定なのに無謀な坊主尾根コースをとったため瀕死になりかけた山である。

そんな反省から「なるべくカラダに優しい山登りを…」ということで今回は、九折登山口から真っ直ぐ九折越に登り、広場にテン泊して明朝に傾山頂から御来光を見ようという短い距離での登山を計画した。

 

熊本の自宅から九折登山口までは3時間ほどかかる。

1日目は九折越に登るだけなので慌てる必要もなく、自宅を朝6時に出発して予定通りの9時頃に登山口に到着した。

天候に恵まれた本日は登山者の数も多く、車が満車に近いくらいの盛況ぶり。

そんな中、さてさて準備ができたら…

あら?…あぁっ!

トレッキングポール忘れた…(汗)

重装備の登山で一番重要だと言っても過言ではない大事なモノをすっかり忘れてきてるじゃないか…(泣)

しかし今さら取りに帰るワケにもいかない…しょうがないのでこのまま行くことにしよう…

まぁ…距離はそこまで長くはないし、ゆっくり登ればなんとかなるだろ…(軽)

 

でゎ気を取り直して…

傾山御来光鑑賞ツアーに出発〜っ

まずは登山口のカウンターをポチッてからコンクリ道を進んでいく。

青い橋のある長〜い坂道をゆっくり登る…しかし重装備だとなかなか前に進まない…(汗)

 

そんな坂が終わってしばらく進むと分岐が現れる。

今回はここから登山道に入って真っ直ぐ九折越に向かう。前回と前々回で下りに使ったルートを逆に登っていくわけだ。

それでは登山道に入っていこうっ(気)

ここからしばらくは沢沿いの谷間を進んでいく。

 

ちなみにこの九折越までのルートを私は三つのステージに分けている。

まずここから沢沿いを伝ってカンカケ谷までの比較的平坦な道を第1ステージ、そこから岩場を登って林道までの急登を第2ステージ、林道から九折越までを第3ステージと分けて考えるワケだ。

 

第1ステージの道は歩きやすく仕上がっているので安心なのだが、左側は急斜面なので注意して進んでいこう。

沢の音色をBGMに、なかなか趣きのある登山道を颯爽と進んでいく。

とはいえ、テン泊用重装備に加えて気温も高く、けっこうしんどくて汗も噴出中…。

本日は九折越に到着するのが目的…慌てる必要はない…それにカラダに負担をかけないようたっぷり時間も取っているのでまったく急ぐ必要はない…少しずつ少しずつ…(確)

あ、トレッキングポールはやっぱりあった方が楽に歩けるので現地調達した…(棒)

 

水が流れている沢で一旦休憩。

水が冷たくて気持ちいい…(癒)

 

この先も谷間の沢沿いを進み続ける。

汗もたくさんかいてるので塩分補給も忘れずに…。

洞窟を通過して…左手下に見えるキレイな滝を過ぎて…アップダウンを繰り返し…

 

カンカケ谷で沢を渡ったところまでやってきた。

この先には急登が待ち構えているため、呼吸と気持ちを整えるために一旦落ち着こう。

さて心の準備ができたら、ここから沢沿いに進み…再度沢を渡ってアップダウン…さらにもう一度沢を渡ったら…いよいよ第2ステージの急登が登場する。

ほとんど垂直な岩場を一気に登る、このルート一番の難関エリアである。

要所はロープで安全策を施されているとはいえ、一歩間違えば滑落の危険もあるところだ。

特に今回の私のように重いザックを背負っている場合は危険度も増す。安全を確保しながらゆっくり登っていこう。

 

進むに連れて、標高もどんどん危険度もどんどん上昇して、気分もどんどん盛り上がってくる…

いかんいかんっ(汗)

そういう無邪気な冒険心が、危険な方へ、危険な方へ…と誘っていくのだ…

あくまで控えめに…控えめに…(戒)

ちなみに急登な第2ステージでは邪魔な即席ポールを手放せばと思われるかも知れない…が、ここまで一緒に苦楽を共にした仲…なんか愛着が湧いちゃってね…(情)

 

そんな中、やっとこさ急登が終わり、ジグザグな道を登り進むと林道に出た。

難関第2ステージ終了である。

ここまでゆっくりゆっくり登ってきて3時間ほど…(永)

時間もちょうどお昼だし、休憩してくださいと言わんばかりの岩もあるので、ここで昼食休憩としよう。

 

本日のお昼メニューは…

コンビニおにぎりと、前回好評だった桜餅。

でゎいただきまぁす♪

ずっと森の中にいるが、晴れた日だと緑が美しく輝いていてなかなか良い感じ(爽)

桜餅も美味しい〜(旨)

 

さて、心もお腹もしっかり満たされたら先に進もう。

まずは階段を登って登山道に入る。

記憶によると、ここからは山の形状自体は急斜面だが、道はジグザグの九十九折になっていたはず…決して楽ではないが、あまりキツくもなかったはず…と、お気楽に登りを再開する…

 

しかしそんな希望的観測は脆くも打ち砕かれる…

キツいじゃないかっ(怒)

騙された気分だが、騙したのも自分だし、とにかく登っていくしかない…ゆっくりゆっくり進んでいく。

少しずつなだらかになってはいるが、登り坂には変わりないのでしっかりペースを守ってゆっくりゆっくり…。

次なるアトラクションは尾根の直登りだ。

斜度はたいしたことないのだが、果てしなく距離が長くて凹みそう…(疲)

 

その尾根道が終わると、次は急斜面を谷間の奥に向かってトラバース…。

極めつけは摺鉢斜面の谷間をジグザグに登っていく、まさに九折(つづら)坂だっ

息もつかせぬアスレチックな連続に太腿もパンパンになってくるが、本日の合言葉である「ゆっくりゆっくり、少しずつ少しずつ」を念仏のように呟きながら右へ左へジグザグに登山道を登り続ける…。

標高1200mまで登ってきた…確か九折越の標高は1260mくらい…ということは…

ここまでくればもう少しだっ がんばれっ(奮)

 

この辺りになると、坊主尾根回りからと思われる下山途中の登山者とたくさんすれ違う。

みなさんやっぱり日帰りのようで、テン泊する人はいないみたいだな…(寂)

 

道はだんだんとなだらかになり、見覚えのある開けた広場が木々の隙間から見え出したら最後の登りだ。

それでも慌てず騒がず、ゆっくり少しずつ登り進んで…

九折越に到着〜っ

お疲れさまっ

 

コースタイム(2:30)の倍ほどの時間がかかったが、そのおかげで体力的にはまだまだ余裕の到着である。

とりあえずテントを設営したらひと段落、しばらく休憩…(息)

しかし時刻はまだ午後3時…当然時間を持て余す…(悶)

 

結局やる事がないので近くに散策にでも出かけることにする。

傾山方向へは明日の朝に行くので、反対方向の西側に進んでみよう。

ただ、水汲みもしなくてはならないので、あまり遅くならないように30分で進めるところまで…

 

九折越小屋を過ぎて…

軽いアップダウンを繰り返して…

ってか、身軽だと楽チン過ぎて何処までも行けそうだな…(軽)

この調子だと1kmほど先にある標高1385mの名もなき山まで行けそうだ。

その辺りから傾山がよく見えた…という情報を以前にwebサイトで見た記憶がある。

そんな期待のもと、羽根が生えたようなカラダでスイスイ進んで、30分弱でホントに辿り着いた。

 

そしてその眺めは…

木々に囲まれて鬱蒼とした森の中…木しか見えない…

ダメじゃん…(泣)

 

残念ながらただのピークハントに終わった散策はこれにて終了…失意の中テント場に戻ることにする。

しかし、その帰り道に面白いモノを発見っ

4色のカナブン〜(驚)

それぞれの色は何回も見ているが、こうして4色揃うのはなかなかレアだぞっ

散策の甲斐はあったかもね…(笑)

 

さて九折越広場に戻ってみると…

おぉ…テントが増えてる(嬉)

今夜はこの広場にひとりぼっちだと思っていたので、少し安心…(堵)

せっせとテント設営されている傍を通って自分のテントに戻ったら、次は水の確保だ。

水場はここから南へ400mほど下ったところ、日之影町側の九折越登山口からの登山道途中にある。

意外と急な道なので、安易にサンダルとかで行くと痛い目に遭うのでご注意を…。

 

水場に着いてビックリっ

水が出てない…(焦)

枯れて…はいないようだ…(ホ)

パイプが水の流れから外れていたのを元に戻して、濁った水が透明になるまで待ち…

それでも少し水質に不安があったので濾過器を通して…

…と、いろいろ多難な水汲みであったが、なんとか水を確保してテント場へ戻る。

 

さて、テントに戻ったら着替えを済ませてゆっくりしよう。

夕食の準備、本日の夕食メニューは…

いつものカップ麺カレー味とおじや用のごはん(半パック)。

でゎ いただきます〜♪

 

夕食を済ませてたらコーヒー片手にまったりタイム…(楽)

陽もだんだんと落ちかけて、夕陽に紅く染まっていく傾山…この美しい景色を見れるのもテン泊の醍醐味だ。

やっぱり山はいいねぇ…(癒)

 

夕陽が落ちるとだんだんと暗くなってきた。

宵闇がせまるここ九折越で自然を満喫している自分がステキ…

そんな自画自賛なひとときを過ごしていたが、夜になると気温も下がって寒くなってきた…(冷)

やっぱり山の上は冷えるな…(震)

さぁ明日は朝駆けだっ

そろそろシェラフに潜り込もう。

…の前にアルコールで勢いつけて…

本日はこれにて終了…おやすみ…(寝)

 

おはよう…(起)

と言っても時間はまだ夜明け前の3時50分。

外を見てみると…月に照らされてほどよく明るい…が、ガスの中だ…(焦)

傾山頂も同じ様子なのかもしれない…(不)

が、しかしっっ

今回は空振りでも山頂に登ることにするっ

(7月の九重、8月の大崩、いずれも断念…)

 

準備ができたら出発する。

ライトの光がガスに反射して前が見えづらいが、足元は問題なく見えている。ゆっくり進めば大丈夫だ。

道は意外にも分かりやすい。

 

稜線道なので一番高いところを見失わないように進めば迷う心配はないのだが、道がはっきりしているので安心して進める。

とはいえ、御来光鑑賞は時間との勝負であるため迷子になっているヒマはない。定期的に自己位置を確認しながら慎重に進んでいく。

ガスは標高が高くなるにつれて上がってきた…というよりガスの上に登ってきたのか…。

どちらにしても良い状況だ(幸)

 

道はだんだんと急登になってくる。そして東の空も少しずつ明けてきた…時刻は午前5時20分…

…間に合うよね…(焦)

ちなみに朝日が昇る延岡市の本日の日の出時間は6時くらいなので、あと40分ほど…のはず…

岩場に入った。

危険な道なのでゆっくり…急ごう…(謎)

 

ほどなく後傾に登頂、あともう少しで傾山の山頂に到着だ。

…と、後傾を過ぎて、少し下ったところに東側が一望できる岩場を発見っ

ここで思案…

傾山頂は先客もいるだろうし、自撮りも難しい。

しかしこの岩場ならひとりだし、自撮りもしやすい。

ということでこの岩から御来光鑑賞することにする。

…しかし方向とかホントに大丈夫なのか…?

と、そこで便利なサイトのご紹介っ

このサイトでは日本の三百名山からの日の出方向や時間を日毎に確認できるのだっ(凄)

ということでこの日の傾山を調べてみる…

方向:89度 時刻:午前5時57分

あと20分ほどで、ほぼ真東に昇ってくるそうだ。

よし…準備OK、方向もOKっ

 

しばらく岩の上にてまったりタイム…

だんだんと辺りが明るくなってきた…

そして夜が明けきると凄い風景が広がったっ

雲海が素晴らしいなぁ(感)

 

そして…

お?

おぉ

おおぉ〜

うわぁ〜

御来光〜っ

 

素晴らしい…あまりに美しすぎて声も出ない…

ウットリと日の出を鑑賞…(感)

ありがたいねぇ〜(拝)

朝日に照らされて紅く染まった雲海と山々がなんとも言えない美しさである…(麗)

 

さて、朝日が昇りきったら山頂に向かおう。

稜線を進んでほどなく傾山頂に到着。

おぉっ

ここからの眺めはこれまた最高じゃないかっ

 

雲海の中に浮かぶ九重連山、阿蘇山、由布岳と鶴見岳…

西側の祖母山は系列の山々を従えて勇壮に佇む…

南へ転じると手前に大崩山系、小積ダキもよく見える…

ポッコリと立っているのは矢筈岳西峰、その右側に尖ってるのは丹助岳だな…

南西方向には九州山地の山々が横たわる…

涙が出るくらい感動の景色だ…(綺)

 

いつまででも眺めていたい素晴らしい眺めなのだが、そろそろテント場に戻ることにしよう。

 

暗闇でなんとなく登ってきた道だが、明るくなってみるとなかなか険しい道だったんだな…(怖)

道が平坦になってきたらペースアップっ

お腹が空いたので早く帰って朝ごはんを食べたいのが主な理由だ…(空)

そんなワケで足速に歩き続け…

1時間ほどでテント場に到着した。

 

それでは早速ながら念願の朝ごはんにする。

本日の朝食メニューは…

昨日のお昼に食べきれなかったおにぎりと長ネギの味噌汁、それと茹で卵〜♪

でゎ いただきます〜

 

食後はコーヒー片手にまったりタイム…(旨)

空もすっかり明けて本日も良いお天気だ。

そよぐ風も心地良くて清々しい山の朝を満喫する…(癒)

 

さて…あまり遅くなってもなんなので、そろそろ下山の準備に取りかかろう。

来た時には間違いなくザックにキチンと収まっていた荷物たちがなかなか入ってくれないが、なんとか詰め込んで…(汗)

ふぅ…(終)

 

最後に傾山と九折越広場にお礼の挨拶をして…

下山開始〜っ

 

ここからの下山も登ってきた道を戻るだけ。

ただ、下りは登りよりも危険であるため、気を引き締めて下っていこう(戒)

 

登りに比べると楽だと思われがちな下り…

実は足への負担は登りよりも相当なもので、舐めてかかると酷い目に遭う…(痛)

特に第2ステージの垂直岩場の下りでは、かなりの脚力を奪われた…(汗)

とはいえ、この日も晴天の中であったため、気分的には心地良い下山道である。

第1ステージまで戻った平坦道はグリーンシャワーの癒し空間となっていて爽やか軽快に歩いていける。

 

あれほど長く感じた道のりもアレよアレよと言う間に…

最初の分岐に到着〜

予定よりも1時間以上早く下り終えた(驚)

 

そこからは下り坂をのんびりと進んで…

無事、駐車場に到着〜っ

これにて傾山御来光鑑賞ツアーは終了〜

お疲れさまでした〜

 

 

今回登った傾山は、九州でも険しい部類に入る山であり、気軽に登るというのは少し難しいが、ルートによっては体力に自信がない人でもチャレンジできる山である。

今回の私のように時間をかけてゆっくり登れば、九折越コースなら比較的安全に登れるし、日之影町側の九折越登山口からならもっと短い距離になる。

傾山というと坊主尾根からの周回がメジャーで険しいイメージがあるが、単に山頂を目指すだけなら九折越コースが楽チンでオススメである。

まぁ体力に自信がある人は三ツ坊主コースが楽しいと思うので、コチラも参考にしていただきたい。

とにかく傾山頂からは、祖母山とはひと味違う眺めが楽しめるので、是非一度、登っていただきたい。

朝駆けでの御来光鑑賞もオススメである。

 

〜今回のルート(クリックで拡大)〜

 

<今回の動植物たち>

 

〜Epilogue〜

今回の傾山は、比較的登りやすい九折越コースで登ってみた。

目的が御来光鑑賞だったので、1日目を九折越広場まで…2日目に山頂と下山…という時間的にも距離的にも余裕ある計画に…

結果、テント場でもゆっくり出来たし、体力的にも疲れが少なかった。

当たり前の事だが、体力に余裕があると下山がとても楽になる。

前回ヘトヘトな状態では4時間以上かかった下山も、元気な今回は2時間足らずで済んだ。

体力ってのはホントに大事である(吽)

登山計画は、体力配分もしっかり考慮して立てればもっと楽しく山登りができるとつくづく感じた…そんな山旅であった…

と、いろいろと経験になったのだが…今回一番タメになったのは…

「トレッキングポールは忘れてもなんとかなる…」だ…。

さて帰りも安全運転で〜♪

でゎまた次回に…

 

 

 

おわり