今年のしつこかった残暑も過ぎ去り、ここ九州熊本も涼しい季節がやってきた。
そうっ 紅葉の季節だっ
…とはいえ、最近は運動不足で体力的に不安もあり、あまりグレードの高い山は避けようと思う…
ということで…
〜鞍岳〜
九州百名山であり、全国遊歩百選のひとつ。
この一帯は「熊本ふるさとの森林(もり)鞍岳」として熊本県が指定しており、高山植物や野鳥観察など自然散策する事ができる。
ツームシ山までの縦走や、9合目から気軽に登れるなど、ファミリーや初心者向けの山である。
頂上の男岳と女岳の双耳峰で、麓から眺めると鞍の形に見えることから「鞍岳」と名前がついている。
鞍岳にはこれまでに何回も登ったことがあるが、今回はあまり知られていない「隠しコース」を登ってみようと思う。
ただそのルート、知っているコトと言えば「森林コース」と「女岳コース」の間にある…ことくらい…(汗)
ネットでも探せなかったし、もちろん地図上にもない。
入口さえ探せ出せれば行けそうなのだが…(困)
…まぁ…行ってみればなんとかなるだろ…
登山口はいつもの伏石登山口。
「四季の里 旭志」の上にあるこの登山口までは自宅から1時間ほどで到着した。
朝の7時過ぎだが、すでに何台かの車が駐車されている。
今日は天気も良いし休日だし、人が多くなりそうだな…。
少し肌寒く感じる気温の中、準備ができたら…
未知なるルート探検と紅葉狩りの旅へ〜
いざっ 出発っ
まずは登山口から山道に入る。
毎回毎回通っているここらはサラッと…
緩やかな山道からコンクリ道に出て、また山道に入り、少し進んだところに分岐あり。
この分岐は左手に伸びる「森林コース」へと進む。
ほとんど平坦な山道を進み続けて最初の沢に到着する。
私の頼りない野生のカンによれば、たぶんここら辺りから登っていくのでは…と、沢を見上げてみると…
お? 沢の右側に道らしきものがあるぞっ(驚)
方向的にも位置的にもたぶんこれが隠れコースだと思う…(疑)
ということでこの沢沿いに伸びる山道を進んでみることにする。
目印や道標などがないので不安ではあるが…まぁなんとかなるだろう…(楽)
ちょっとだけ急な登りの沢沿いの山道、はっきりとではないが踏み跡があるので歩きやすい。
途中で見失うところもあるが、そんな時は立ち止まって落ち着いて辺りを見渡すと何となく道らしき踏み跡が見えるはずだ…はずだ…(汗)
ただ経験の浅い人には少し難しいかも…
しばらく進むと目印テープが現れた。
やはりこの道はちゃんとした登山道だったようで、気持ち的にもひと安心である。
ただし、あまり使われていない道なので踏み跡が弱いところや浮石なども多く存在するので慎重に進もう。
そんな沢沿いの道を登っていたら、とうとう道が見えなくなった。沢は斜め右に向かって急登している。
この沢は登れないだろ…(汗)
目印テープも見当たらない状況で手詰まり…
と、思い切って沢の左の尾根を越えて北に向かって進んでみた。
すると…
おぉ 目印テープ発見っ
道は私に黙っていつのまにか尾根を越えていたのだった(怒)
ちなみにその北側にはもうひとつの沢があり、ここからはその沢沿いの右側を登っていくこととなる。
この登りはけっこうハードな急登に仕上がっているので、ゆっくり落ち着いて登っていこう。
沢の右(南側)の急登な尾根を登り進んでいき、やっと緩やかになったかな…と思った頃に今度はその沢を渡って、沢の北側の尾根に取り付く。
ここからはその尾根をひたすら登っていくこととなる。
尾根はだんだんと痩せていき、右側の沢も深く抉れ込み、左側は左側で切り立った断崖となっていく…いわゆる危険度アップということだ(汗)
そんなチョッピリ危険な香りがする尾根を登っていると…
目印テープを見失った…(焦)
キョロキョロしながら周りを見渡してみると…いつのまにか紅葉した木々に囲まれていた。
おぉ〜っ 美しい景色だねぇ〜(感)
今回の目的である紅葉狩りにもちょうど適した良いタイミングだったようで満足満足〜(嬉)
そんな幸福感漂う中ではあるが、今はそれどころではなく道を探さなければ…(焦)
何とか道も探し出せたところで、引き続き尾根登りを続ける…相変わらず急登だけど…(汗)
しばらく進むと空が開けてロープ場が現れた。
剥き出しの岩場登りである。
こういうアスレチックな登りは冒険家の血が騒ぐっ
ままならぬ足場に加えて断崖具合もなかなかの岩場登り…高所恐怖症の方にはオススメ出来ないルートであるが、こういう所が好きな私にはたまらなく楽しいルートである。
三点支持を確実に…少しずつ少しずつ進んでいくと、大きな岩の上に出た。
お〜っ ここからの眺めは絶景だ。
特に北側尾根が紅葉してて美しい…(麗)
ここからはさらに切り立った岩場となる。
安全策も完全ではないため、安全を確保しながらゆっくり慎重に進んでいこう。
岩場が終わると再度森の中に入る。
その先で多分最後であろう岩場登りが待つ。
登りきった先からは再びなだらかな道となり、その道をゆっくりと進んでいくと…
女岳山頂の手前に出た。
ほぅ ここに出てきたワケか…
知ってる道に出ると気持ち的にも安心…
しかし…思いのほかキツくなかったな…(微)
女岳を通過してその足で山頂の男岳を目指す。
コル部を進んで、ちょっとキツめの登りを上がっていくと…
鞍岳山頂に到着〜♪
…と…人がびっくりなほど多い…(驚)
こんな晴天な休日ともなると、お手軽に登れるこの山は家族連れや年齢性別様々なグループに大人気なワケである。まさに立錐の余地なしっ(焦)
大混雑な山頂での自撮り撮影を諦めて、なんとか山頂の鞍岳看板をカメラにおさめたら、そそくさと退散することに…(汗)
さて、せっかくの良い天気である。
山頂部のどこかで大休止したいが、どこもかしこも人が多い…。
女岳東側の草地にでも行こうかと思っていると…
鞍岳の南にある子岳が見えた…。
そういえば何回も鞍岳に登っているが、まだ子岳には行ったことがない。
今回はツームシ山にも行かない予定だし、この鞍岳山頂付近は人でいっぱいだし…人が居なさそうな子岳に行ってみることにしよう。
コル部にある標識通り東側へ下って駐車場との分岐まで進む。
ここから子岳へ真っ直ぐに伸びる道をスタスタと歩き続ける。
そしてほどなく…
子岳山頂に到着〜
おおぉっ
鞍岳の紅葉が一望できるじゃないかっ
すごくキレイだなぁ〜(惚)
うん…
鞍岳山頂よりもここからの景色が一番紅葉を楽しめるぞっ
その足でもう少し南側に進んでみると…
お〜
ここからは矢護山との谷間とその先の紅葉が一望できて、これまたステキな景色〜(美)
本日は霞みがかかって少し見えにくいが、空気が澄んでいればもっと美しい景色が見えるのだろう。
混雑する鞍岳山頂よりも、ちょいと低いが眺めの良いここ子岳にて大休止としよう。
本日の昼食メニューは…
梅おにぎりとひとくち草大福っ
お昼にはまだ早いので軽めのメニュー♪
でゎいただきまぁ〜すっ
さて、おにぎりと大福を美味しくいただいたら、ゆっくりと紅葉と景色を楽しもう。
遠くの景色は霞んで残念だが、九重くらいまでははっきり見える。
青い空に紅葉した鞍岳、薄青く横たわる九重連山…まさに癒しの空間だ。
やっぱり山はいいねぇ〜(嬉)
自然の中で心も体も癒されて良い気持ちになったら、そろそろ下山しよう。
まずは鞍岳コル部まで戻る。
ここから真っ直ぐ森林コースへ…
…と…このルート、実は通行禁止区域であった(汗)
とんでもなく危険かと言われればそうでもないが、途中の岩場が崩れており、足を踏み外した場合は大怪我してしまう危険性がある。
私的にはなんともない道ではあったが、安全策もないし目印もなく道もあやふやなのでやっぱり通るべき道ではないと思う…。
みなさんにはここを通らずに馬頭観音まで回り込む安全ルートを推奨する。
立ち入り禁止の柵を越えたら正規な森林コースと合流する。
当初は急な下りが続くのでゆっくり安全に下っていこう。
メジャーなこのコースはお昼の時間でもたくさんの人が登ってこられていた。
やはり鞍岳は老若男女に大人気の山だね(感)
少しずつなだらかな勾配になってくるが、この森林コースは石が多く、ガレ場とまでは言わないが足元は危険がいっぱいだ。ゆっくり焦らず少しずつ下っていこう。
ちなみにトレランなど早く下りたい走り屋の方にはパノラマコースからの「らくらくコース」がオススメ。足場も良いし道もしっかりしているので警察に捕まるほど飛ばしても大丈夫なコースだ。
道が平坦になり歩きやすくなってしばらく進むと、隠しコースとの分岐のある沢に到着する。
ここから登ったワケだが…やっぱり分かりづらい取り付き口だな…
まぁ…隠しコースだしね…(納)
そこからは元来た道を進んで、女岳コースとの分岐を経てコンクリ道へ。
そして登山口までトボトボ戻り…
駐車場に到着〜
これにて隠しコース&紅葉狩りの旅は終了〜
お疲れさまでしたっ
今回登った鞍岳はたくさんのルートがあり、自分のレベルや体調などに合わせたコースを選んで楽しめる優秀な山だ。
今回紹介した隠しコースも加わってさらにバリエーションが豊富になった。
ただし、今回のこのコースは道も分かりにくくて危険箇所も多い。
初心者や体力のない方、また地図読みやコンパスに慣れていない方は避けた方が良いだろう。
また、推奨コースでもなく、地図にも登山観光マップにもないため、利用はあくまで自己責任でお願いする。
〜今回のルート(クリックで拡大)〜
<今回の植物たち>
〜Epilogue〜
今回は秋の紅葉を楽しみたいと思って計画したのだが、久しぶりの山登りのために、近くて手軽な山ということで鞍岳を選んだ。
麓ではまだまだ緑が多かったが、山頂部では目的の紅葉を楽しむことができ、さらに登ってみたかった隠しコースも登ることができて、なかなか楽しい山旅であった。
ただ、このコースは本文にも書いたように安全策が少なく、危険度は高い。
何度も言うが、初心者や体力技術に自信がない方は避けていただきたい。
しかし…率直に申し上げると、このコースは女岳コースとさほど変わらないレベルの難易度である。
私的には…体力的にも難易度的にもそれほどたいしたこともなく…やっぱり私の冒険心を満足できるほどではなかった…(残)
…まぁ…こういう楽ちんな山旅の次はどうしても難易度の高い山に行きたくなるので、たまにはこういう手軽な山旅も必要ではあるのだけどもね…
そんな複雑な下山後の感想に浸りつつも、今回は黙って山登りに来てるためにその言い訳を考えなければならないので、ここらで失礼する…(汗)
では、また次の山旅にて…
(写真は休憩中に突然現れたV-22オスプレイ)
おわり