中西輝政・高森明勑共著「古事記は日本を強くする ~神話がわかれば日本人がわかる」より、印象に残ったところの紹介⑦

 


ソ連のスパイであるゾルゲは日本を徹底的に知るために、まず日本の神話の情報と知識を集めたという。

 

1941年に逮捕されたとき、検事調書の中で「古事記」を読んで日本の本質がわかったと言ったそうである。

 

 


「日本は遠くから見ていると、とても入りにくいガードの堅い国だと思っていた。

 

ところが来日して神話研究をしながら実際に日本社会と接していたら、日本というのはカニのような国なのだとわかった」

 


つまり外側の甲羅はすごく固いのだけれど、一つ突破口を見つけて中に入ってしまえば、中は柔らかくズブズブだった。

 

 

和気あいあいと皆がすぐに心を許し合うから、どうにでも操作ができる。

 

あっという間に国の中枢まで入っていけると感じたと言うのだった。

 


ゾルゲのみならず米国の軍部や政府も徹底的に日本の神話を研究していたし、中国共産党の毛沢東も日本の専門家や日本留学の経験者などの人材を集めて体系的に日本研究をしていたのである。

 

 

そして「皇室と神社から日本民族を引き離さない限り、日本での革命の成功はあり得ない」と結論づけたと言われている。

 


これは現在の中国共産党にも受け継がれており、日本の政界や官僚機構、地方自治体の中枢に入りスパイ活動や政治工作が今も行われていることは、一部の間では自明のこととなっている。

 

日本のマスコミもそのほとんどは外資本に牛耳られていて、皇室と国民との分断をはかるような記事や報道を繰り返しているのが現状である。

 

 

 

中西輝政・高森明勑共著「古事記は日本を強くする ~神話がわかれば日本人がわかる」より、印象に残ったところの紹介⑥

 


外国の神話では最高神が全権力者を打ち倒して、のし上がるというのが定番になっているのに対して、日本の場合は全くその形跡がないという大きな違いがあった。

 

これ以外にも異なるところがあって、例えば「労働」や「生殖」のとらえ方である。

 

 

旧約聖書では禁断の実を食べたという原罪に対して、男には「労働」女には「産みの苦しみ」という罰を与えたとある。

 

日本の場合、最高神である天照大御神さえも高天原に田んぼを持っていて農業に携わっていた。

 

 

人間が働くことは神の罰ではなく、むしろ神から祝福されているという労働観なのであった。

 

日本人にとって働くことは喜びなのである。日本の神話からは、神と人間とが対立するという世界観は読み取れない。

 

 

日本列島は神と契約を結んで住むことを許された土地ではなく、イザナキの命とイザナミの命という男女の神が結婚して生んだ、神の命が宿る国土と受け止められていた。

 

だから、生殖自体も神がなさっていたことで、人間の生殖はそれを倣ったものであった。

 

 

それ故、祝福された行為というべきで、神の罰では決してない。

 

人間生活を成り立たせる上で「労働」と「生殖」はどちらも欠かせない大切な行いである。

 

 

それらを両方とも「神の罰」と見る神話と「神の業」と見る神話との隔たりは相当大きなものがある。

 


なぜ、神と人間の関係がここまで違うのであろうか。

 

考えられる理由として、苛酷な自然環境などの厳しい現実が背後にあったか、なかったかの発想の違いであったり、異民族との対立が常にあったかどうかである。

 


日本の場合、縄文時代から狩猟採集の民として世界的に見ても、かなり豊かな暮らしをしていたといわれている。

 

もちろん大震災や津波、台風などの自然災害はあったが、それ以外は温暖な気候と四季折々の季節がめぐり、海の幸や山の幸にも恵まれ、豊かな森と水があった。

 

 

このような穏やかな自然に恵まれていれば、神によって人間は大地から呪われた存在だといった発想自体、生まれてこないのではないか。

 

現在でも国土のおよそ66%が森林という国は世界でも珍しく、日本人は古くから森林は大切なものであることも知っていて、植林して森林を絶やさないように守ってきたのである。

 

 

山の木々の下には腐葉土が堆積し、木の根はしっかり土を抱えて守っている。

 

そこに空から降ってきた水がしみ通り、たっぷり蓄えられているということも知っていた。 

 


また部族間や民族間の争いを絶え間なく繰り返していた外国に比べて、日本人が神と対立しなかった、もう一つの理由として、ごく一時期を除いて異民族の襲来がなかったという点であった。

 

 

 

 

中西輝政・高森明勑共著「古事記は日本を強くする ~神話がわかれば日本人がわかる」より、印象に残ったところの紹介⑤

 


日本は「国体維持」を条件に、ポツダム宣言を受諾した。

 

この国体というのは天皇、皇室、その背景にある日本の国の始まり、日本建国の理想のことであった。

 

 

しかし、GHQは「天皇の権威を増すことになる、いかなる歴史も許さない」「神話を教えることは絶対に許さない、これは命令である」と明言した。

 

 

日本の弱体化を推し進めるために日本人の精神、心理を攻撃する「心理戦」を占領開始とともに行い、日本から神話を追放することに固執したのである。

 

 

 

日本を心理戦で屈服させる上で最も敵視していた一つが、日本の歴史の「原点」を記念した祝日、2月11日の「紀元節」であった。

 

これを祝日法で廃止して、平日にしてしまったのである。

 

その後、昭和41年6月に国民多数の願いによって「建国記念日」として復活したが、教育現場で「建国記念日」の意義をきちんと教えられていない。

 

 


日本の神話は古代の日本人の価値観や世界観が反映されており、そこに特筆すべき点がある。

 

それは最高神がその地位につく経緯における、日本神話の特異性である。

 

 

諸外国の神話は、最高神が闘争の結果、前の支配者を殺害してその位につくというパターンがほとんである。

 

ギリシャ神話でも北欧神話でも極めて無慈悲で残忍な振る舞いが描かれている。

 

 

ところが日本の天照大御神は、そのような戦いをせずに高天原を治めるということが「古事記」「日本書紀」に共通して書かれているのである。

 

さらに最高神が女性神というのも非常に珍しい、とされている。

 

 

 

中西輝政・高森明勑共著「古事記は日本を強くする ~神話がわかれば日本人がわかる」より、印象に残ったところの紹介④

 


神話を排除しようとするGHQの占領政策に、当時の日本は跳ね返すことができなかった。

 

そして日本は「日本国憲法」と同じ落とし穴に、はまってしまったのである。

 

 

米国主導で制定された日本国憲法において、日本が自ら先の戦争を反省して「戦争放棄」したという錯覚をGHQによって植えつけられた。

 

それと同じように自分たちで教育の現場から、自発的に神話を排除したと錯覚してしまったのである。

 

 

この錯覚はいまだに続いていて、憲法改正が今もって実現できていないように、神話も長く占領下で立てられた方針通りに今も扱われ続けている。

 

日本は神話のせいで散々な目にあったという図式が、戦後の日本人に深く刷り込まれているということである。

 

 


戦勝国が占領政策を立てる中で、非常に重要視された常套手段の一つが、占領国民の中に見方を作ることであった。

 

すでに米国は1944年頃から、傀儡になる日本人をピックアップしていた。

 


占領開始後、米国はことさら腐心してこの政策を押し進めるのであった。

 

その理由は、ドイツの占領がうまくいかなかったからである。

 

反ナチスの闘士アデナウアーが「ナチスは排除するがドイツの伝統や教育制度、ドイツ的な価値観などに、教育によって手を加えるという占領政策はいっさい受け付けない!」と正面から堂々と宣言したのである。

 

日独の決定的な違いはここから始まった。

 

 

米国はうまくいかなかったドイツ占領政策を踏まえて、こうした愛国者の抵抗をどのように排除するかという観点から、人捜しをしていた。


戦後、私たちは日本国憲法や教育基本法も、そして歴史や社会科の教育方針も日本人が自主的に参加し制定したものである、と教えられてきた。

 

しかし、これらは全て偽りであり教育刷新委員会の主要委員はほとんどが、GHQによる厳重な審査をした上でピックアップした傀儡委員ばかりであった。

 


これは米国がフィリピンやキューバの統治で苦労した1920年代から、当たり前になった常套手段なのである。

 

戦後の日本はまさに、この常套手段の格好の餌食になったわけである。

 


さらにもう一つ、ドイツと日本の違いは、日本の陸海軍が早い段階で武装解除してしまったことだ。

 

ドイツはこれほど早く武装解除せずに対抗した。

 

第一次世界大戦でひどい目にあったドイツは、たとえ敗戦した後でも戦勝国との間では、力関係が全てであることをよく知っていたからである。

 


こうしてドイツと日本の戦後は、全く違ったものとなった。

 

「神話」は学校やマスコミなどから、日本人の意志であるかのようにして消されてしまったのである。

 

 

 

中西輝政・高森明勑共著「古事記は日本を強くする ~神話がわかれば日本人がわかる」より、印象に残ったところの紹介③

 


今、日本が差し迫って求められている問題は、「日本人って何か?」「日本とは、どんな国か?」ということを知りたい気持ちに正面から答えることではないだろうか。

 


確かに財政危機や安全保障など、いろいろな問題を日本は抱えているが、そうした個々の問題に対症療法的に対処するより前に何を置いても、日本人としてのアイデンティティーを取り戻すことが先決なのである。

 


「日本人とは?」という問いに答えるには、「古事記」を避けて通ることはできない。

 

この壮大な神話が生まれた背景の一つには、日本列島が持つ地政学的な特徴がある。

 

 

日本列島はユーラシア大陸の東の果てにあり、もともと大陸とは陸続きであった。

 

その時代には非常に多くの多種多様な遺伝子を持った人々が、日本に入って来たといわれている。

 

 

氷河期が終わってから海面が上昇し、日本列島は大陸から切り離された。

 

これら様々な素質を持った人たちは、長い年月をかけてじっくりと融合を遂げていく。

 

その結果、日本民族という「等質性の高い」民族が出来上がるに至った。

 

また神話の中に北方系、南方系のそれぞれの神話が存在することになった。

 

 


ところで他国を相手にする場合に、どの国もどうやって自国の安全を確保し、自らの国益を確保するかを考えるものである。


その第一歩に「相手の背骨は何なのか」を詳しく観察するところから始めている。

 

それがわかれば、その背骨をえぐり取って、相手を改造したり破壊したりできるからである。

 


米国は、日本にとっての「背骨」が「神話」であると、的確に把握していた。だからGHQは「神話」に手を出して来たのである。


米国のリーダーたちは明治以来、飛躍的に発展している日本という国の、あの活力は何なのかと考え、それを研究するためにシンクタンクに特別なグループをたくさん作った。

 

 

 

そこで発展した日本を抑えるにはどうしたらいいのかという問題に、あれこれと戦略をめぐらせた。

 

そこで出てきたのが、「日本の精神的なバックボーンを完全に抜かなければ、いつ蘇るかわからない」という結論であった。

 

そして、神道こそ「日本の精神的な背骨である」と考えた。

 

日本の教育や社会、風俗、男女関係など、あらゆるものの後ろに神道があることに気づいたのである。

 

 


二度と米国の脅威とならぬように日本を抑え込むには、アイデンティティー政策、文化政策しか選択肢はないという議論に達し、神道や日本語の専門家を招いて秘密裏に神道を徹底して研究した。

 

 

米国はすでに開戦前から十分承知した上で、日本占領の後は戦後教育から神話を消す、という日本人の精神改造計画に着手したのであった。