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スタジオ・ムンバイ展~触れて体験すること

今日は、ずっと見たかったスタジオ・ムンバイ展(ギャラリー間)に、やっと行ってきました。

人も多かったですが、とにかく想像以上の展示方法とその空間にびっくり。ギャラリーの中にいるとは思えない、どこかの製作現場に来てしまったかのようなリアルな創作の息吹を感じる体験でした。


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スタジオ・ムンバイはインドで活動するビジョン・ジェイン氏率いる建築集団。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ スタジオ・ムンバイ ワークショップのメンバー写真

ワークショップには建築家だけでなく、大工、石工、カラーアーティストなど、その手で現物を作り上げる職人さんも含んだ大集団の建築事務所です。

モックアップで原寸をつくったり、模型を作ったり、その同じ人が現地の工事を行う構造になっていて、インドの生活文化に溶け込みながらデザインし、考え、作り、生活することすべてが、同時に仕事の中に同時存在している建築事務所です。

そして、作っている空間が本当に美しく、洗練されていて、自然と調和したものであることは、そのプロセスすべてが影響して作り出しているのだと、納得できるデザインです。


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今回の彼らの展示物には「触るな」マークが全くついていない。「触ってOKマーク」「座ってOKマーク」が貼ってあって、来場した人が自由に机に座り、彼らの作った机といすを体験しながら手づくりのデッサンノートや写真集を眺め、現物の素材を確かめることができるようになっていました。まさに、職人の世界の実体験。


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スケッチノートは、ち密なディテールのスケッチが大量に表現してありましたが、日本のようにアイデアを生むのノートではなく、重要なコミュニケーションツールなるそうです。インドでは、文字の読めない職人もいるため建築図面では伝わらないことが多く、部分をパースやアクソメに起こして伝えることが効果的だとか。

 形式化された冷たい図面ではなく、人の素直な感性に寄り添った図面表現というものが大切だと思いました。


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インドの町の日常風景を動画で流しているコーナーやたくさんの写真に写るインドの生活や自然環境もリアルに感じられる展示です。


インドに行ってきたような、とても親密な空間体験と、創作の喜びを感じて元気をもらって帰ってきました


展覧会は明日までです。もしまだの方がおられたらお忘れなく!

 

「キッズタウン東十条」 夕涼み会に行ってきました。

竣工して1年半がたった「キッズタウン東十条保育園」。


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先週の土曜日に、地域の方をお招きして屋上で交流を図る「夕涼み会」が開催され、私も参加してきました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 屋上遊技場は、今日は屋上ビアガーデンに様変わりです。


保育園は、ともすると近所の方から迷惑施設と言われたり、外からの視線を遮って閉鎖的に運営したりするケースが増えているかもしれませんが、この保育園は、園長先生の人柄で、七夕祭り、夕涼み会など、街の方をたびたびお招きしてイベントを開催されているので、いまや地域に愛され、親しまれる施設に成長しているようです。保育園とはいで、今日は生ビールサーバーを持ち込んで生ビールとおつまみ付の大人のための懇親会です。


 地区内の商店街の方をはじめ、町内会長さんや北区長さんも来られ、にぎやかにご歓談されていました、本当に、ありがたいことだと思います。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ ご挨拶してくださった北区長様


 夕涼み会では、北区役所の大塚さんがご趣味の天体望遠鏡をお持ちくださり、土星などの肉眼では見られない貴重な衛星の画像を見せていただきました。土星は、

知識で知っていたドーナツの輪が、実際にくっきり浮かんでいるのが見えて、みなさん大興奮!


建築家 田口知子の日常をつづったブログ  天体望遠鏡で土星を見ることができました。


 土井園長率いる沖縄の「三線」楽団が登場して、保育士さんは浴衣姿で踊りも披露。最後はみなさんオリオンビール音頭で楽しく踊ってお開きに。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 北区の三線愛好会(園長先生が主催)

建築家 田口知子の日常をつづったブログ こうほうえん 副理事長はじめ、保育士さん、浴衣姿で、会を盛り上げてくれました。


屋上遊技場がこんなふうに使われるとは、この建築を設計しているときには思いもよらなかったことです。でも、こんなふうに地域に愛され、地域の拠点として、活発に使われていることが本当にうれしく、つくづくありがたいなあ、と感じた一日でした。

 

 

「代々木上原の家」 竣工写真アップしました。

7月に竣工しました「代々木上原の家」 の竣工写真をアップしました。


撮影は、ナカサアンドパートナーズの藤井浩司さんです。



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四周、住宅に囲まれたユニークな敷地ですが、隣家からのプライバシーを守りつつ、光と風を取り入れる窓の開け方、建築の形を工夫しています。


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方法としては、隣家どうしの隙間を狙って、視線が抜ける窓を開けることや、上下方向に立体的に連続する空間やトップライトの配置などにより、自由でのびやかな生活空間を実現しています。


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ポイントは、家の中止にある、キッチン、こども書斎、お父さんの書斎、お母さんのアトリエ、といった家族個人個人の活動の居場所を確保すること、そしてそれらがお互いに関係するように内窓や吹き抜けでつなぐことで、ほどよい距離感とつながりをつくっていることです。

 
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 日本人は、南向きの日当たりの良い大きな窓を好まれる方が多いですが、昨今の都心のヒートアイランド現象や省エネ潮流の中で、大きな窓が必ずしも良いわけではない、と感じる今日このごろです。

家の中に十分な光を取り入れるのに、必ずしも南側に大きな窓がある必要はありません。大きな窓は熱負荷も大きく、直射日光はまぶしさ、日焼けなどさまざまな問題も引き起こします。

環境に負荷が少なく、空間性やデザインも良いというアイデアで建築をつくりたいと思っています。