(メールマガジン2012年10月から)

日本の国境領土の帰属が焦点化しています(尖閣諸島・竹島・北方四島)。

2012.9中国での反日暴動、ナショナリズム、排外主義、どう解決するか、考えない訳には行きません。今、何もしていない私・・・それでも。
 世界をより良く変えられるか?それは鏡の中の貴方、私次第(man in the mirror)

 日本がバブル崩壊後の「失われた10年」を経て、2009年には、GNP世界第2位を陥落しました。
 日本の政権がころころ変わる中で、外交の断絶・劣化があり、ロシアは交渉に見切りを付けて、南千島(択捉、国後)の独自開発に踏み出しました。
 中国はあちらこちらで「核心的利益」を主張しながら、軍備増強をしています。外交が必要なときに、日中双方の老成した政治家は世代交代で去り、影響力を持っていません。不安定な政権は、マスコミがフィルタリングした国民世論に押されて、ワンパターンの硬直化した、歴史の来し方行く末の洞察を欠いた対応をして、事態を悪化させています。
 韓国はアジア通貨危機を経ながらも、電気関係で日本を追い越して、知名度を上げています。日本との新時代は始まっています。しかし、第二次大戦と冷戦による南北分断国家であることは続いています。毎年、夏に来る光復節に、韓国人が何を思うか、日本人の考えは及びません。
 米国は、世界のエネルギーの4分の1消費を続ける中で、ドルの地位は低下し続けています。共和党の負の遺産を引き継いだオバマ大統領は、中間選挙で負けて、自分が信じる政策を通せません。
 自分の祖先が何系か分からないのに、民族国家でしか物を考えない政治家である東京都知事は、領土問題に火を点けながら、軍事的見通しを欠いています。

「過渡的な民族国家で、国境を考える誤り」

1 あなたが、日本人として日本に生まれたのは、たまたまであり、日本人として存在する以前に、人として存在している
(1)人は、法律制度の枠組みを作らないと社会を運営できないので、一定の地域を決めて国家を作っている。 それは、いきなりEU国家とか、国際連合国家とかは見通せないので、便宜的に作っている。
(2)民族国家という枠組みは、恒久的なものではなく、過渡的なものである。
(3)北海道は、アイヌ国家だったかもしれないし、沖縄は、もともと琉球王国で、日本国天皇とは対等だった。今は、日本という枠組みで国家を作っている。
(4)もちろん、中国の「核心的利益」であるチベットの地位も過渡的だろう。隷属的に中国のままか、よりましな自治区か、三権を持つ独立か、はたまた対等な統合融和か。

2 人が法律・制度を決め、国家を作るのは、各人が、自分が好きなことを存分にやり、友人、知人と良好な関係を築いて、人生を楽しむためであり、また人間の歴史、社会、国際社会が、平和的民主的に発展するのに貢献するためである。
(1)「竹島(独島)に命をかける」のは、手段を目的と履き違えている。
(2)「反日で商店等を襲う」のが、嫌な感じがするのは、なぜか?
   外形的に攻撃的、暴力的だからか?
   もし、あなたが、心の中で「日本の国益を守らなければ」と考えるならば、それが静かに考えるだけでも、彼らと同じである。〔過渡的に経済等での国益を考えることはあるとして。〕
(3)嫌な感じがするのは、彼らが、過渡的でしかない民族国家に、徹底的に後ろ向きにこだわっているからだ。

3 国際人権規約というのがある。どの国家でも、基本的な人権を守り、社会保障を提供し、国籍による区別をしない「内外人平等」を理念にしている。
(1)日本には、日本国籍の人、外国籍の人、無国籍の人が居る。
   日本国籍の人も、南方系・北方系とか、古代の帰化人、最近、帰化(日本国籍を取得)した人、国際結婚で生まれたハーフ(文化的にはダブル)の人などが居る。
(2)日本国籍の人も、外国に行って、基本的人権を守られる、社会保障を受けられる。
(3)このように見てくると、国際人権規約の「内外人平等」は妥当である。

4 国境の島、特区
(1)「北方四島」「竹島」「尖閣諸島」、これらの島を、平和的に、精神的な葛藤なく、有効利用できれば、ノー・プロブレン(問題なし)である。
(2)国境の島を、「内外人平等」を判断基準に、特区として指定する。
   出入国管理の特例、平和的形態で、不正貿易等に係らなければ、身分証を示して、在住する国への届出と、検疫・税務申告だけで、往来することができる。隣接する国家は、渡航者情報を交換して共有する。
   江戸時代の長崎・出島のようなものか。
(3)特区の設置目的は、「平和的友好的な隣国関係の形成」、「国際交流、観光事業等の振興」、「漁業、資源開発の共同管理」あたりでいいだろう。

5 外交、顧問会議
(1)日本の政権はころころ変わるので、外交の断絶・劣化がある。外交が必要なときに、老成した政治家は世代交代で去り、影響力を持っていない。不安定な政権は、マスコミがフィルタリングした国民世論に押されて、ワンパターンの硬直化した、歴史の来し方行く末の洞察を欠いた対応をして、事態を悪化させている。
(2)外交課題の引継ぎ、交渉の指南・提言、緊急時の相談等を目的に、首相・外務大臣・大使等経験者からなる顧問会議を置く。顧問は不偏不党の立場から首相を補佐する。顧問は、口頭・文書での提言や緊急時にはホットラインで意見を言うことができる。

6 国際共産主義、インターナショナル
(1)近年、中国はあちらこちらで「核心的利益」を主張しながら、軍備増強をしている。
(2)もともと共産主義は「万国の労働者、団結せよ」と呼び掛け、国境は無い、インターナショナルなものであっただろうに。

7 (参考、補足)

(1)メールマガジン・バックナンバー

60号) 「過渡的な民族国家で、国境を考える誤り」

https://ameblo.jp/t1997/entry-11385605315.html?frm=theme

61号) 「国境の長期の解決方針」

https://ameblo.jp/t1997/entry-11427933315.html

62号) 「国境の長期の解決方針を導いた考え方」〔1〕国境領土を考える注意点

https://ameblo.jp/t1997/entry-11553449279.html?frm=theme

63号) 「国境の長期の解決方針を導いた考え方」事実経過の認定・・詳細年表「南千島(国後島、択捉島)

https://ameblo.jp/t1997/entry-11567474428.html?frm=theme

64号) 「国境の長期の解決方針を導いた考え方」事実経過の認定・・詳細年表「竹島

https://ameblo.jp/t1997/entry-11572999043.html?frm=theme

65号) 「国境の長期の解決方針を導いた考え方」事実経過の認定・・詳細年表「尖閣諸島」前編

https://ameblo.jp/t1997/entry-11753460318.html?frm=theme

65号) 「国境の長期の解決方針を導いた考え方」事実経過の認定・・詳細年表「尖閣諸島」後編

https://ameblo.jp/t1997/entry-11753729772.html?frm=theme


●「ウクライナ南東部、クリミア半島と国後島、択捉島」
~南千島(国後島、択捉島等)については、(1)歴史的経緯〔1945年 2月ルーズベルトからスターリンあての書簡及び米英ソのヤルタ会談(米ソのヤルタ協定)で「樺太南部と千島列島をソ連が領有することを認める」としたことの変更〕、(2) 南千島を日本及び第三国が軍事利用しない保証(1945真珠湾攻撃の空母艦隊は択捉島から出港した)、(3)ロシア系住民の権益保護、が要点になる。
https://ameblo.jp/t1997/entry-11802971061.html

(2)引用者のWebサイト
(ア) 随想
  「50年単位の国益」相互互恵の「開かれた国益」を目指すこと(イラク開戦の前)
   http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/z-50nentanikokueki.htm
  8月15日を「平和を祈念する日」に
   http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/z-815heiwakinen.htm
  映画「CASSHERN(キャシャーン)」渾身の力(思い)を込めた作品
   http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/z-casshern.htm
  コソボ(旧ユーゴ)紛争ー民族主義、排外主義ー
   http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/z-kosobofunsou.htm
(イ) 「究極の目標」http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/m-kyuukyokunomokuhyou.htm
(ウ) 「米を食う虫、美しい明日」http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/m-utukushiiasu.htm