経済性がないことが明白な使用済み核燃料の再処理には賛同できない。
日本がなぜこの不経済、かつ危険で、無用な挑発的計画を続けているか理解できない。
」と、フランク・フォンヒッペル氏。

原子力ムラきっての論客・池田 信夫氏も、「使用済み核燃料も再処理するより、ゴミとして直接処分したほうがはるかに安い。」と・・

さらに池田氏は、『日本は「核武装のオプション」をもっている』の中で、
他の脳天気な原子力推進派の、「最初から100%平和利用であり、核兵器への転用なんか考えたこともない」という陳腐な言い訳?をあざ笑い、
客観的にみて原発はプルトニウム製造装置である。正力松太郎が東海村に導入したコールダーホール炉は、イギリスが兵器用プルトニウムの生産を目的に開発したものだった。

六ヶ所村の再処理工場で印象的なのは、IAEAの査察官が24時間勤務でプルトニウムの量を監視していることだ。NPT加盟国の中で唯一、核兵器をもたないのに大量のプルトニウムを保有する日本は、1ヶ月もあれば核兵器をつくることができ、1年あれば核弾頭を搭載した弾道ミサイルをつくれる潜在的脅威なのだ。」と・・

日本は「核武装のオプション」を維持できるのか』では、
通産省は「エネルギー自給率」の立場から「再処理でつくったプルトニウムは高速増殖炉で100%消費する」という計画を出し、中曽根=レーガン会談で、包括的事前同意、つまりアメリカの拒否権なしで再処理を認める原子力協定が1988年にできた。

日本がアメリカを押し切って日米協定を決めたのは異例だった。当時はまだ再処理にほとんど投資していなかったので、日本も(アメリカと同じく)直接処分に切り替えれば、その後の3兆円余りの浪費は避けられたはずだ。
」と・・

使用済み核燃料の再処理での浪費は、池田氏の言う3兆円どころで済まなかったが・・
権力の暴走「19兆円の請求書―止まらない核燃料サイクル」

いまだ未完の核燃再処理事業に13.9兆円? 税金がどぶに・・

原爆の原料プルトニウム331キロ米へ返還⇒なお48トン長崎型5万発分保有

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プルトニウム削減に原発再稼動16~18基が必要?? 再処理工場フル稼働なら・・

大間原発=核武装の野心を隠し プルトニウムを温存するため

コスト4倍超!?MOX燃料使用の高浜原発、29日再稼働へ 

 Yahoo!ニュース・GLOBE+より
日本のプルトニウム大量保有、世界が疑問視している 著名物理学者の警告
【日本が原発の使用済み核燃料から取り出して保有するプルトニウムの量は、現在、国内外で約46トンに上る。核兵器の材料にもなるプルトニウムの大量保有には国内外に懸念の声が出ており、日本政府は昨年、初めて保有量の削減を目指す新しい指針を発表した。ただ、日本の原子力政策に詳しい米国の物理学者でプリンストン大学名誉教授のフランク・フォンヒッペル博士(81)は、指針の実現可能性に疑問を呈する。

 計画では、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを、混合酸化物(MOX)燃料にして再び原発で使うというものだ。だが、現在、日本国内で稼働中の原発9基のうち、MOX燃料の利用が許されている原子炉は4基。プルトニウムの消費能力は全部合わせても年間で最大2トン程度だろう。1997年に発表された元の計画は2010年までに16~18基でMOX燃料を導入予定だったから、消費できる量は大幅に少ない。にもかからず、前述の六ケ所再処理工場が25年にフル稼働すれば、年間7トンのプルトニウムが新たに取り出されることになる。

――プルトニウムを減らせないと、どんな問題があるのでしょうか。

日本はプルトニウムを再処理して分離している唯一の非核保有国だ。保有量46トンは、中国が軍事用に持っていると推定される量の10倍以上。核兵器の数に換算すると数千発分に相当する。個人的には、プルトニウムを平和裏に50年以上保有してきた日本が、核武装する意図を持っているとは思っていない。だが、中国はおそらく、より懐疑的だ。一方で、プルトニウムを保有することで、「必要に迫られれば、不本意ながら、短期間で核武装できる」という選択肢を他国に示したいと考える人たちが日本にいることも事実だ。

他国が日本を例に挙げて自国のプルトニウム再処理計画を正当化することになれば、世界の核不拡散体制にとって良くないことは間違いない。私はいかなる国であれ、経済性がないことが明白な使用済み核燃料の再処理には賛同できない。日本がなぜこの不経済、かつ危険で、無用な挑発的計画を続けているか理解できない。

フランク・フォンヒッペル
1937年生まれ。物理学者。米クリントン政権でホワイトハウス科学技術政策局次長。祖父ジェームズ・フランクも物理学者で25年にノーベル賞を受賞し、日本への無警告での原爆投下に反対する「フランク報告」をまとめたことで知られる。】一部抜粋