地震は防ぎようのない自然災害、北海道電力も地震の被害者ではあるが、
一方で 生乳廃棄を余儀なくされた酪農家からすれば加害者。

地震の被害は胆振・日高・札幌など一部に限られ、多くの北海道民からすれば、
大停電は貰い事故のようなもの。

生乳廃棄を余儀なくされた酪農家の損害は、いったい誰が補填してくれるのだろう? 
果たして、事故の貰い損?で済ませて良いものだろうか?

よつ葉乳業の2工場だけは、自家発電で操業を続け、多くの酪農家が救われたが・・



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 北海道新聞より
生乳廃棄 地震後1週間で9200トン 釧根管内、生産量の2.5日分
【6日に発生した胆振東部地震による大規模停電の影響で、酪農家が生乳の廃棄を余儀なくされた問題で、釧路・根室管内の地震後1週間の廃棄量が約9200トンに上ることがJA北海道中央会根釧支所(釧路市)の調査で分かった。生乳を廃棄した場合に損失を補う国の制度はなく、関係者から支援を求める声が上がっている。】一部抜粋

  Yahoo!ニュース・十勝毎日新聞より
工場稼働せず、なくなく生乳廃棄 停電に苦悩する酪農基地 北海道・十勝地方
【北海道胆振東部地震に伴う停電で、乳業メーカーなどの加工設備が稼働せず、十勝地方の酪農現場では搾った生乳を廃棄する作業が行われている。乳牛の乳房の炎症を防ぐため搾乳を止めるわけにはいかず、全国有数の酪農地帯で生産者が苦悩している。

 多くの乳牛は毎日朝と夕の2回搾乳する。通常は集荷されて乳業メーカーに運ばれるが、今回の停電で工場も稼働していないため、受け入れがストップ。生乳の行き先がなくなっている。】一部抜粋

  Yahoo!ニュース・日本農業新聞より
北海道地震で工場停電  生乳廃棄悔しい 電力、乳業なぜ停止 危機管理体制再考を
【北海道地震による大規模停電で生乳廃棄を余儀なくされた全道の酪農家から、乳業メーカーや電力会社に対して、危機管理体制の見直しを求める声が高まっている。酪農家は停電に備え用意していた発電機を使って、搾乳・冷蔵したにもかかわらず、自家発電装置を持たない乳業工場が相次ぎ操業を停止し、生乳を出荷できなかった。農家からは「廃棄は人災」と憤る声も上がる。(川崎勇、大山知香)

 「停電に備えて発電機を準備してきた。生乳を出荷できたのに、本当に腹立たしい。残念だ」

 北海道大樹町で乳牛約1100頭を飼う日昭牧場の西川久雄理事は、6日未明の停電後50時間ほど、8日朝まで軽油を300リットル以上費やして自家発電機を稼働。通常通り1日2回の搾乳を続けた。2日分の生乳約36トンを泣く泣く廃棄した。同牧場は、2013年に発電機を設置。16年には停電時でも牛舎や搾乳設備の電力を確保しようと、約500万円をかけ大型発電機に更新していた。それだけに、悔しさが募る。所属するJA大樹町では、組合員78戸のうち7割が発電機を導入。隣接する広尾町のJAひろおも71戸の8割以上で設置していた。

 同町で乳牛630頭を飼う角倉光記さん(65)も、停電時は自家発電機で通常通り搾乳したが、10トン以上を廃棄した。角倉さんは「酪農家だけでは供給責任を果たせない。危機管理体制を改めて考え直すべきだ」と語気を強める。道によると、6~10の5日間で全道の生乳廃棄による被害額は21億円ほどに上る。

 北海道電力への要望も相次ぐ。別海町の60代の酪農家は、乳業メーカーの対応も含め「今回の生乳廃棄は人災と言っても過言でない。電力の安定供給に向けて対策を進めるべきだ」と憤りを訴える。北海道農業団体災害対策本部は、同電力に対し電力の安定供給に関する要請を実施。万全な発電・通電体制の構築や再発防止などを求める。

 農水省によると、北海道内にある日量処理量が2トン以上となる乳業工場39カ所のうち、37カ所が大規模停電時に工場を稼働するための自家発電設備を持っていなかった。9割超の工場が操業を一時的に停止し、酪農家が出荷できなくなる事態に陥った。業界の大規模災害時の危機管理のあり方が問われた形だ。

 自家発電設備の導入が進まない背景に巨額の費用負担がある。工場の規模によるが、生産ラインを長い時間稼働させる自家発電設備は「高いもので10億円単位になる」(乳業関係者)。定期的な保守点検費用も大きな負担になる。

 地震発生直後も生産ラインを稼働できたのはよつ葉乳業の2工場だけ。自家発電設備を導入していたためだ。しかし多くの工場は、クーラーステーションなど周辺施設用に限定した自家発電設備にとどまっているのが実態だ。「落雷などの数時間の停電は想定できるが、これだけの大規模の災害には備えていなかった」(乳業関係者)と明かす。

 今回の被害を受け、対応を検討するメーカーもある。Jミルクは「いかに安定したサプライチェーンにしていくかが大きな課題だ」と話す。】