原爆投下から約1カ月後の被爆地の惨状を、米紙ニューヨーク・タイムズは
原子爆弾はいまだに日に100人の割合で殺している」と報じている。

 しかし、「マンハッタン計画」の副責任者、ファーレル准将は「広島、長崎では死ぬべき人は死に、9月上旬現在、原爆放射線のため苦しんでいる者は皆無だ」と言い切った。

 1945年アメリカ軍は、敵国の非戦闘員を、爆風と放射能で殺傷するため原爆を投下したが、

 その66年後の日本の福島原発では、意図せずに原発を暴発させ、福島の大地を殺し、そこで暮らす人々の生活を破壊し、人々に原爆症の因子を植えつけた。

 原爆投下 活(い)かされなかった極秘情報:見捨てられた?ヒロシマ、ナガサキ

 原爆も原発も、一度爆発を起こせば、死の灰をばら撒き人々を殺傷する殺人兵器となる。
違いは意図して爆発させるか、意図せず暴発させるか、影響が局地的か、広範に及ぶか。

 見方によっては、大量破壊兵器といわれる原爆より、電気を生むための道具の筈の原発の方が、遥かに高い人的経済的殺傷能力を有するといえるのではないだろうか。

関連記事 オリバー・ストーンが明かすアメリカの衝撃の素顔とは
       黒い雨 ~活(い)かされなかった被爆者調査~:目的は人体実験?
       終わりなき被爆との闘い ~被爆者と医師の68年~
       「核兵器不使用声明」に日本が初賛同:「非合法化」削除で!?
       
 47ニュースより
「原爆の父」が米国批判 放射線被害、過小評価と 投下4カ月後に英博士 公文書で判明 
【米国は当時、放射線による悲惨な被害実態が世界に知られることを警戒、厳しい報道規制を敷いていた。文書は、米国が最重要同盟国で原爆を共同開発した立場にある英国に対しても、核兵器の本質を隠していたことを示している。
 文書は原爆被害を調査した英政府機関、医学研究評議会(MRC)のファイルの一部で、45年12月4日にMRC関係者が作成。「ペニー博士は(広島と長崎で)多くが放射線によって死亡したことを示す相当な証拠があると判断している」と記されている。
 ペニー博士はさらに「米国はこの見方を軽視し、あらゆる被害を爆風と熱に起因させようとしている」と批判。「この(放射線被害の)問題は、米国で最も重要な政治問題になろうとしている」と背景を指摘した。

人体影響否定し情報操作 米、非人道性への批判警戒 
 「原爆の父」と呼ばれた英国のトップ科学者の1人、ウィリアム・ペニー博士に広島、長崎での放射線被害の過小評価を批判されていた米国は、戦後長い間、人体への影響を完全否定し情報操作を試みた。原爆の非人道性を象徴する原爆症の存在は、米国への批判増幅の引き金となりかねない上、軍事的に重要性を増していた被害データの独占を狙ったためだ。

 「負傷していない人々も『原爆病』としか言いようのない未知の理由で、不可解かつ悲惨に亡くなり続けている」。原爆投下から約1カ月後の被爆地の惨状を、英紙デーリー・エクスプレスはこう報じた。米紙ニューヨーク・タイムズも「原子爆弾はいまだに日に100人の割合で殺している」と状況を伝えた。

 しかし、米国の原爆開発計画「マンハッタン計画」の副責任者、ファーレル准将は、東京での記者会見で一連の報道を完全に否定する。被爆地の惨状を無視するように「広島、長崎では死ぬべき人は死に、9月上旬現在、原爆放射線のため苦しんでいる者は皆無だ」と言い切った。

 米政府はさらに原爆が地上ではなく上空で爆発したために、危険な核分裂物質が地上に影響を及ぼさなかったと主張、これが政府の公式見解となっていく。間もなく報道規制を強化し、投下から約1カ月後に長崎に入ったシカゴ・デーリー・ニューズ紙が「外傷のない男女、子供たちが毎日のように死んでいる」と報じた記事は連合国軍総司令部(GHQ)の検閲で公表を差し止められた。

 冷戦前夜の当時、米政府はソ連との軍事的な対立を不可避と判断。軍事バランスの鍵を握る核兵器開発を進める上で、原爆使用が敵国民、場合によっては自国兵士に与える被害のデータは戦略的にも重要だった。こうした事情が、人体への影響に関するデータを独占し、同盟国の科学者にも事実を 隠蔽 (いんぺい) した背景にあった。】