自宅ゲーム会225 中盤 信長包囲戦 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和元年8月16日

 

 前半に続いてちいとのゲーム会ですが、最近のパターンらしくここからはほぼウォーゲームとなります。

 

☆カエサルの戦い

○概要

作者:JosephMiranda

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:30分程度

 

 共和政時代のローマにおけるユリウスカエサルによるガリア戦争をテーマにしたウォーゲームです。

 

①ターン毎にローマ軍、蛮族軍の順に手番を行います。

②それぞれ別に所持するデッキから1枚のカードを公開し、そこに書かれたユニットの召集と、ユニットの移動を行います。カードによってはこれ以外にも特別なイベントが発生するものもあります。

③移動を終えたところで両軍のユニットが同じスペースにいれば戦闘となります。戦闘は戦闘ラウンドの開始時に優位を判定した上で、交互にユニットが攻撃を行います。

④ローマ軍は手番開始時に4つ以上の蛮族側要塞を支配しウェルキンゲトリクスがいなければ勝利、蛮族は手番開始時に2つのローマ側要塞を支配しカエサルがいなければ勝利となります。規定のターンが経過した場合も蛮族側の勝利となります。

 

 以上は基本ルールで、上級ルールでは強行軍、精鋭部隊、戦闘後の追撃、大規模戦闘の判定、ローマキャンプ、補給といった要素が追加されます。

 

○プレイ経過

 管理人が蛮族軍、ちいがローマ軍でゲーム開始時の様子です。ローマ軍はローマ側の要塞に戦力が集中していますが、蛮族側のユニットは部族毎に各地に散らばっている状況です。ユニットの戦力(戦闘時にふることのできるダイスの数)としては蛮族側が大きいのですが、ヒット判定はローマ側が有利となっています。

 また、各軍のデッキから引くカードで移動が行えますが、ローマ軍はほとんどのユニットが行動可能になり機動力も高いことに比べると、蛮族側は部族単位で行動可能になり機動力もそれほど高くありません。

 

 ローマ軍の主力はそのまま要塞からガリアの地に向かって出撃し、まだまだ戦力の整っていなかった最初の要塞はあっさりと陥落。その分、最初に活性化したヘルベチア部族は手薄なローマ要塞を目指します。

 

 ヘルベチア族の攻撃は上手くいきローマ要塞を陥落させることに成功しますが、反撃の準備を整えたローマ軍により追い出されます。

 反対に、2つめの要塞も陥落させ順調に進撃してきたカエサル率いる主力でしたが、3つめのアレシア要塞ではケルト部族の奮闘で撃退。

 

 再び進撃してきたカエサルでしたが、再度ケルト部族が奮闘。撃退どこからカエサルの討ち取りに成功します。続く蛮族の手番でガリア側にウェルキンゲトリクスが参戦しアレシア要塞に入ります。

 ここで、アレシア要塞が固いと見たローマは作戦を見直し、アレシア要塞を除く各地に軍を派遣しにより徐々に拠点を落としていきます。これにより、各地の部族から援軍がアレシア要塞には送れず孤立感が高まります。

 

 

 しかしながら、ウェルキンゲトリクスを中心にアレシア要塞の防衛軍は敵を寄せ付けず、度重なるローマ軍の攻撃を撃退していきます。

 

 残り時間も少なく、このまま守りきれるかと思った矢先。最終ターンの一手前、蛮族側は「部族の帰還(全ての部族ユニットはダイス判定に失敗すると一度ストックに戻る)」を引き、この判定でダイスが大きくぶれアレシア要塞に篭る部族ユニットが全て帰還してしまいます。

 

 そうなるとアレシア要塞を守るのはウェルキンゲトリクス1人という状況になります。最終ターン、カードの引きがきが良く多くのユニットを動員できたローマ軍はウェルキンゲトリクス一人に対し約10ユニットをぶつけてきます。これにはさすがに対抗できず、そのままウェルキンゲトリクスが討ち取られてしまいローマ軍側は勝利条件をほぼ満たした状態となります。

 ただ、勝利判定がローマ軍の手番開始時となっており、今が最終ターンなので勝利条件の達成が不可能となり、ほぼ負けといえる状況ではありましたが一応蛮族側の勝利という結果になりました。

 

○評価

 ユリウスカエサルのガリア戦争をテーマに特定の戦場ではなくキャンペーン規模をあつかっていますが、その割に両軍合わせても40ユニット程度と非常に少ないユニットで再現しているところは特徴となっています。

 また、カードによって補充する戦力や行動できるユニット及び移動範囲が指定されるとシンプルなシステムになっておりプレイアビリティは高めです。手札というものがないので引き運というのはありますが、統制の取れたローマ軍はほとんどのカードで多くの兵種が移動でき、それに対して部族間に分かれ連携の取れていない蛮族側は部族単位でしか行動が出来ずと、このあたりで両軍の指揮に違いが出ているのは面白いところだと思います。

 ちなみに、ガリア側はユニット単位の戦力こそ多いものの、ユニット数ではローマ軍に劣りますし、相手に混乱を与える確率も低くなっています。勝利条件はローマ軍の要塞の奪取もしくは規定ターンの経過となっていますが、要塞の奪取は行動面の不利も含めるとなかなか難しいかなという印象で、混乱を無効化できる要塞に篭りながらいかにローマ軍の侵攻を防ぐかというのが大切になりそうです。悩ましいのはウェルキンゲトリクスの取り扱いで、蛮族側にあっては唯一のリーダーで起動できる機会も多いため前線での活躍も期待できるのですが、このゲームのヒットは攻撃側が適用することもあって運が悪いと要塞でもあっさりと討ち取られる可能性があります。このユニットが生きている限り敗北はないということもあって、どの位置に登場させどう活用するかというのは考えどころとなっています。

 リーダーの討ち取りが勝利条件に関わっている割にヒットの適用は攻撃側で、要塞にこもっていても特に調整等がないというところは少し気になったところですが、その他で大きく気になるところはなく、手軽なガリア戦記としてなかなか楽しめるタイトルになっていると思います。

 

 

☆信長包囲戦(ゲームジャーナル14号)

○概要

作者:池田康隆

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:- -

 

 織田信長包囲網に始まる織田家と周辺大名との戦いをテーマにしたウォーゲームで、作者は異なりますが同様のテーマを扱った「信長最大の危機(「自宅ゲーム会202 後半」を参照)」のカードドリブン版とも言われています。ちなみに、雑誌自体は続く源平合戦との2in1となっています。

 

①ターン毎に自分が支配する補給エリアの数に応じてそれぞれのデッキからカードを引きます。

②それぞれがダイスを振り、軍団の補充や大名の参戦状態を変更します。

③京を支配し散るプレイヤーが先手と後手を選び、順に手番を行います、

④手番にはカードを1枚プレイし、「カードイベントの適用」「軍団の補充」「外交」「ユニットの移動」「継続戦闘」のいずれかを行うか、手札を消費せず「パス」を行います。

⑤移動によって相手勢力のユニットが入るエリアに侵入すると戦闘となります。戦闘はお互いに主将を選び、その能力とユニットの数によってダイスによる損害判定を行います。通常、移動から戦闘に入った場合は交互に1手番ずつ行って終了となりますが、継続戦闘を行うことで同じエリアの戦闘を行うことができます。

⑥両プレイヤーが続けてパスを行うとターンは終了です。あまった手札も含めお互いデッキを再構築して次のターンとなります。

⑦信長の討ち取りか、「山城・南近江・美濃」のうち2エリアを支配することで反織田勢力が勝利となり、全ての補給エリアを支配することで織田勢力が勝利となります。どちらも条件を満たせず10ターンが経過した場合は、補給エリアの数で勝敗を判定します。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子で、織田・徳川連合軍に対して、反織田勢力が周囲を包囲している状況です。ただ、ゲーム開始時は浅井、朝倉、三好といった中小大名と本願寺が参戦しているだけで、毛利、武田、上杉といった大大名は未参戦となっています。外交等によって随時参戦することになります。

 

 序盤。織田についた松永でしたが、本願寺に攻め込まれ早々に壊滅となります。また、織田家は徳川家を動員して長島に攻め込みますが思ったほど成果が上がらずといったところ。

 

 徳川軍が長島で手こずっている間に武田が参戦します。

 

 徳川軍の主力が不在の遠江は武田の攻勢にあっさりと陥落します。長島を落とした徳川が引き返しますが武田には太刀打ちできずそのまま滅亡となります。

 

 この間の京周辺ですが本願寺が勢力を増やし京を伺います。京の北側(画像でいう手前)では、柴田勝家による越前侵攻の援軍として浅井を送り込み越前は守りきったものの、その分手薄になった北近江が織田に奪われます。

 

 さらに本願寺で京へ攻め込みますが、出目が奮わず痛み分けとなったところを・・・

 

 柴田勝家の突撃(イベントカードの一つで、勝家の戦闘力を4にする)により本願寺顕如が討ち取られ、京の南側からの圧力が大きく低下してしまいます。

 

 しかしながら、ここに来て毛利、上杉といった大大名が立て続けに参戦し、これにより補給ポイントの数はさらに伸び(手札の増)、本願寺顕如を討ち取ったとはいえ、石山本願寺は健在で浅井朝倉も滅ぼしていない織田軍は手札で大きく劣りここから後手後手に回ります。

 また、反織田にとって最強の戦闘力(6以外ヒット)を持つ上杉謙信の参戦はかなり心強く、謙信率いる上杉軍を脇目も振らず京に向けて前進させます。

 

 3つの大大名が徐々に包囲を縮めていく中、手薄になった美濃は浅井軍が奪取。さらに、近江を守る大軍を蹴散らした上で主将の丹羽を討ち取った上杉は、そのまま京に突入。織田信長と明智光秀が抵抗したものの、ほぼ同数の正面戦闘では上杉に敵うはずはなく京が陥落となります。織田信長には逃げられたものの、これにより重要拠点の2箇所を押さえたことになり、反織田勢力の勝利となりました。

 

○評価

 「信長最大の危機」と同じテーマを扱ったタイトルとなっていますが、基本的なシステムはカードドリブとなっています。カードドリブンらしく手番毎にカードをイベントとして使用するか、その他の効果と使用するかというのは悩ましいのですが、両軍ともに使用するデッキはカード12枚だけで構成されているためカード効果やカード構成が把握しやすく、これらを毎ターンリシャッフルし使いまわすことになるので、引き運はあるものの手札にくる確率は概ね1/2程度で作戦計画はたてやすくなっていると、カードドリブンの中でもかなりシンプルだと思います。カード周り以外も全体的なルールは少なめでゲーム展開もスピーディーと、非常にプレイアブルな内容になっているのは特徴的なところです。

 ちなみに、手番を「パス」してカードを温存することも重要なアクションで、補給ポイントの数によって手札に差がつくこともありますが、相手が複数枚のカードを所持した状態で手札がなくなると一方的にイニシアチブを取られる可能性があります。タイミングを見てパスをすることで相手との手札の差がつきすぎないよう、もしくは自分がより多くのカードを残せるように調整するということも大切です。とはいえ、当然パスをしたときは相手が連続手番になりますし、両プレイヤーが続けてパスをするとラウンドは終了してしまうため持っているカードが無駄になる可能性もあるため、パスが出来るかどうかの状況判断や駆け引きは難しいところだと思います。

 両軍の立ち居地は軍団武将ともに単体大名では最大規模の数と内戦の利が優位点な織田軍、戦場における質と四方を包囲しているというイニシアチブが優位点の反織田とこのあたりのデザインは「信長最大の危機」に似ていますが、規定のターンに自動的に参戦していた大名が外交トラックの操作により参戦となるため、必ずしも武田が最初というわけではなく、参戦までの期間も両軍ともに費やしたリソースによって変わってくるのは面白いところだと思います。

 また、織田軍の軍事値が反織田に比べ下回っているのも同様なのですが、軍事値の増強が強力な柴田や明智、行軍能力の高い羽柴や滝川、戦力の補充に有利な丹羽といったような各武将に固有のボーナスのあるイベントカードが準備されており、これらを活用するためどう武将の配置や運用を行っていくかが考えどころになっています。信長最大の危機に比べ武将たちのキャラクター性がよく出ているのはいいところじゃないかなと。

 一方で、大きく気になる要素はないのですが、信長最大の危機において特徴的であった調略といった要素はほぼなくなっており、意外性というのが良くも悪くも弱くなっているのは少し寂しいかなというのはありますね。

 とりあえず、評価の方では「信長最大の危機」と比較したところも多いのですが、だからといってどちらが優れているというわけではなく、こちらは信長包囲網から始まる信長の戦いをよりプレイアブルに楽しめ、好みはあるかもしれませんがどちらも十二分に優れたタイトルといえると思います。

 

 

☆源平盛衰記(ゲームジャーナル14号)

○概要

作者:中嶋真

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:- -

 

 「太平記(「自宅ゲーム会177 中盤」を参照。)」のシステムを使用し源平合戦を再現したウォーゲームです。30個のコマを使用し30分以内でゲームをプレイできることをコンセプトにした30シリーズの一つとして製作されたタイトルらしいです。

 

①ターンが始まるとダイスを振り主導権を決定します。

②主導権をもつプレイヤーは2回、非主導権プレイヤーは1回の行軍を行います。

③行軍の結果、一つのエリアに両軍のユニットが存在すると戦闘となります。戦闘では調略を行ったうえで総指揮者を決定してダイスにより損害を判定します。

④各エリアで軍勢を召集しますが、同じエリアを勢力とする武将がいる場合は、別の地域にいる武将に率いらせることも可能です。

⑤在地ボックスから武将を出陣させます。

⑥畿内の支配状況により勝利点を獲得するとともに、撃破した敵武将によっては追加の得点を獲得します。

⑦第6ターンが経過した時点でより多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が平家、ちいが源氏となりゲーム開始となります。京を拠点とする平家に対して、得点源となる京を奪取するため鎌倉から源氏が攻め上るといった感じで攻めてくることになります。九州の緒方や北陸の木曽、奥羽の藤原といった強力な中立武将は源氏についたので、四国中国を補給源にしながらできるだけ畿内に居座るという作戦です。

 

 事前に十分な下準備をした上で源義経という最強の武将を中心に攻めこんできた源氏でしたが、平宗盛がやけに奮戦。なんと源義経を討ち取るという大戦果を上げます。

 

 義経を失った源氏でしたが、続いては中立ながら義経と並ぶ最強ユニットの木曽義仲が京へ侵攻してきます。数では平家が上回っていたものの、今度はダイスが奮わず敗北。京を奪われてしまいます。

 

 しかしながら前半戦に稼いだ貯金で何とか逃げ切り、平家の勝利という結果でした。

 

○評価

 「太平記」のシステムを使用していますので評価的にはそちらを参考にしていただければと。その上で、30シリーズらしくできるだけシンプルに構成されきちんと30分程度でプレイできる手軽さはいいところだと思います。

 一方で、得点源となるのが京しかなく、行軍回数もすくないことから、京以外の支配権がゲーム開始時の中立の分配でほぼ決まってしまうというところは少し気になりましたね。また、ある意味源平合戦らしいとはいえるのですが、平家は京を守り源氏は主力を率いて京に攻め込むしかないと展開の幅はあまり広くなく、この京での決戦だけでほぼ勝敗が決まるのも少し物足りなく感じましたね。

 とりあえず、シンプルにプレイしやすい内容になっているのはいいところですが、もう少し展開に幅がでるようなデザインでも良かったような気がします。太平記システムの入門用としてはいいですが、いくつかプレイした後にプレイすると多少時間はかかっても他の太平記システムのタイトルをプレイしたいとなりますね。

 

 

 後半に続きます。

 

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