自宅ゲーム会202 後半 信長最大の危機 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和元年5月3日

 

 引きつづきちいと2人でのゲーム会ですが、残りの時間はこのタイトルに費やします。

 

☆信長最大の危機(ゲームジャーナル別冊3)

○概要

作者:ふーらー中村

対象年齢:---

対象人数:2人

標準時間:---

 

 金ヶ崎の戦いで有名(負け戦ですが)な織田信長の朝倉討伐&浅井長政離反あたりで形成された、第一次信長包囲網から本能寺の変までをテーマにしたウォーゲームです。

 

①各ターンの最初に参戦している勢力の行動チットからランダムにチットを引き、引かれた勢力が手番を行います。織田側は織田家という勢力しかありませんが、反織田側は武田家や上杉家などいくつかの勢力に分かれており、手番には各チットに対応した勢力しか行動できません。

②手番になるとまず連絡線を確認します。ここで連絡線のつながらないユニットは移動、戦闘ともにペナルティがあります。

③調略能力を持つ武将が敵武将や軍勢ユニットを対象に調略を行えます。敵武将に対して行う場合は該当の武将に対応したカードが必要となります。

④ダイスを振りその行軍力を決定してからユニットを移動させます。行軍の結果、敵対するユニットが同じボックスに存在すると合戦となります。

⑤合戦は野戦と篭城に分かれます。野戦はダイスによる状況判定を行い、イニシアチブをきめてから改めてダイスにより攻撃(損害判定)を行います。篭城戦の場合は篭城側の攻撃と、攻め手側の攻撃を順に1ラウンド行います。

⑥行動チットを引く際に終了チットが引かれれば勢力の行動は終了となります。この時点で京を支配しているプレイヤーはカードを1枚受け取ります。ちなみに、京を支配していないプレイヤーは相手プレイヤーや中立のボックスを支配することでカードが受け取れます。

⑦両勢力とも軍勢を補充します。補充量や上限は支配しているボックスの数によって決定されます。

⑧武田信玄、上杉謙信が登場していれば死亡判定を行い、ターンは終了となります。

⑨これらを繰り返し、織田側は全てのボックスの支配、反織田は織田信長を討ち取ることで勝利となります。

 

○プレイ経過

 この時はルールをきちんと把握しておらず(まあ今も完璧というわけではないのですがw)、セットアップからして微妙に誤った部分があったりします(汗)。まあ、それはともかく管理人が反織田、ちいが織田でゲーム開始時の様子です。

 畿内を中心に東西に伸びたメインマップですが、西の毛利、東の武田、上杉といった勢力は参戦しておらず、序盤は京周辺の畿内が主戦場となります。

 

 畿内を拡大するとこんな感じです。中央北に高くスタックされているのは信長率いる織田軍で、浅井の裏切りにより連絡線が遮断されている上に朝倉浅井連合軍が迫っており、大軍とはいえ危機的な状況からのスタートとなります。

 反織田はこの朝倉浅井連合軍と、南西に位置する本願寺及び三好家あたりが序盤の主力となります。ちなみに、京にいる足利義昭はゲーム開始時は中立ですが任意のタイミングで反織田にまわることができます。

 

 最初のターン。信長はゆっくりと金ヶ崎から京へと後退中。反織田は今のうちに京へ攻め寄せる体勢を作ろうと三好による茨木攻めを行います。これは思いのほか上手くいき荒木村重を蹴散らし奪取に成功。

 

 しかしながら、これに危機感を覚えた織田軍は金ヶ崎の軍勢を放置し信長と少数の戦力で京に帰還、そのまま茨木の三好へと攻めかかります。総大将は野戦の状況判定に補正があり、質量ともに不利と判断した三好家は早々に後退。茨木は再び織田軍の支配となります。

 この時、織田軍は滝川一益率いる部隊で六角家も攻めましたが、こちらは篭城した六角氏が奮戦し防ぎます。

 

 続いての行動は朝倉浅井勢で、両軍の猛攻を受けた明智光秀以下金ヶ崎に残った軍勢は全滅し、明智光秀を討ち取ります。

 

 そして2ターン目です。

 

 先手をとったのは本願寺勢力で、雑賀孫一率いる本願寺勢力が茨木に攻撃を仕掛けます・・・

 

 質量ともにほぼ五分五分といえる戦況でしたがここで本願寺勢のダイスが猛威を奮い織田軍は退却をする間もなく壊滅してしまい、撤退をはかる信長に対しまさかの討ち取り判定成功。これによりまだ2ターンというところですが反織田勢力の勝利となりました。

 

 

 続けて担当はそのまま2戦目。順当に京へ退却した織田軍と金ヶ崎を壊滅させる朝倉浅井軍といった感じでスタートしましたが・・・

 

 2ターン目。初戦と異なり滝川の攻撃を受けた六角があっさり撃破されますが、佐和山を占拠した柴田勝家を浅井軍で攻撃し勝家を討ち取ります。ただ、金ヶ崎の残党を残したまま小谷をがら空きにするという痛恨のミスで、再びまわってきた織田軍の手番に小谷を占拠され、浅井の連絡線が切れてしまいます。

 

 何とか連絡線を回復させたかったのですが、ターンは移り浅井が動く前に再び織田の手番となり、滝川の攻撃により浅井が壊滅。

 

 本願寺方面では筒井家の調略を行い孤立した松永久秀を三好で攻め込み滅ぼしたものの、三好が抜けて手薄になった茨木を攻撃され、雑賀孫一が討ち取られ壊滅するという事態となります。手薄になった石山本願寺に三好勢を入れ何とか守りきりたいといったところ。

 

 全体的に反織田側がかなり押されている展開ですが、ここでようやく待望の武田軍が登場となります。駿府に配置し三河を抜くことも考えたのですが、徳川が手強そうなのと手薄な美濃を抜け一気に岐阜に迫れるかもという期待から信濃方面に配置します。

 

 ただ、思った以上に武田軍の城攻めが奮わず、最初の岩村城を突破できないまま時間だけが経過します。一応その間に朝倉が、浅井を滅ぼした滝川を攻めて小谷を奪い返すという奮戦を見せ、本願寺の機動戦により石山本願寺に攻め込んだ信長を一時的に追い込んだものの・・・

 

 三好三人衆が調略により寝返り、石山本願寺が陥落。これにより畿内に残るのは朝倉のみとなります。

 

 ようやく岩村、土岐を突破した武田でしたが、戦力の消耗に加え織田軍には防衛体制を整えられてしまいこれ以上の侵攻は難しく、また、畿内近辺に唯一残っていた朝倉も攻撃を一手に受けなすすべもなくといった状況で、ここで管理人が投了。織田軍の勝利となりました。

 

 ちなみに投了時の東部戦線。徳川が武田の本領に向けて侵攻を開始しています。

 

 投了時の畿内。織田一色といったところで、完敗です。

 

○評価

 第一次信長包囲網をから始まる織田信長の戦いをテーマに史実どおり包囲網を食い破ろうとする織田方と、史実を覆し信長を討ち取ることを目指す反織田方をそれぞれが担当します。単体の勢力としては最高の戦力を保有している織田軍ですが、次々と参戦する敵対勢力に四方六方を囲まれている上に、各将の野戦能力は低く設定されているためそれほど優位というわけではありません。その分を、内戦の利と行動力の高さを活かして多くの戦力を集中して各個撃破を狙ったり、京を支配していることにより使用できる強力なカードの活用や、調略による切り崩しなどによりどうやって補うかが大切となってきます。反対に、総合すると織田軍を上回る戦力を保有しており、野戦能力も平均して高く設定されている反織田勢力ですが、勢力単位の戦力では織田軍に及ばず順次参戦することから場合によっては戦力の逐次投入になりかねませんし、織田軍を囲うように位置して行動も勢力単位のため連携も難しくなっており、それぞれの勢力の特徴を踏まえどう運用していくかというのは考えどころとなっています。

 また、手番はチット引き形式+行動力がダイス判定というのも特徴的なところで、ターン毎にいつどのくらい行動が出来るのか、そもそも回ってくるのか、この辺りの不確定性の高さによりプレイ毎の展開に幅が出ています。必ずしもお互いの狙い通りに回ってこない手番を前提にどう作戦を立案していくか、チットの引きや敵対プレイヤーの行動に応じてどう修正していくかというのも悩ましいところです。

 面白いのは調略の要素で、各武将に対応したカードというのが必要になりますが、条件を満たすことで対象となる武将を率いる軍勢ごとに寝返らせることが出来るとかなり強力な要素となっています。それだけ強力であれば対象となるのが弱小勢力に限られるかと思いきや、裏切りやすさに差(調略カードの多寡)はあるもののほとんどの武将に寝返る可能性があります。織田信長自身が史実において天下統一を間近に控えながらも明智光秀の裏切りにより倒れたというところからするとらしいといえ、味方であっても常にその可能性を視野に入れておかなければならずこの辺りの対応をどうするか判断は難しいところですね。ついでに、場合によっては本能寺を再現できる(必ずしも寝返るのが明智光秀とは限りませんが)可能性もありそうです。

 一方で、上記のとおりどの武将の調略カードが手元に来るか、行動チットや行動力判定のランダム性の高さにより、大きく展開がぶれる可能性があるところは気になるといえば気になるかもしれません。ただ、行動チットに関しては京を支配しているプレイヤーには行動力判定へのボーナス(織田家の行動力の高さ)や、当主の能力の高さを反映したチット数(織田信長、武田信玄、上杉謙信の代はチットが多い)の設定などによる調整もありますし、調略に関してはユニットの運用、上級ルールの適用などでも調整でき、実際にはプレイしていてバランスが悪いなあとそれほど感じないのは良くできているという印象でしたね。

 とりあえず、それぞれ対照的な立場から各要素による展開の多彩さをどう上手くコントロールしていくか、評判の高さも納得といえるとても面白いタイトルだと思います。

 

 

 ここで時間となり本日は終了となりました。

 

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