自宅ゲーム会177 中盤 太平記 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年12月26日

 

 新年も明け挨拶等を書いたあとではありますがブログ時間は年末に逆戻り、年末に行われたちいとの2人会です。午前中は比較的プレイしやすいゲームをしていましたが、午後からはウォーゲーム中心にシフトです。

 

☆太平記

○概要

作者:中嶋真

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:120分程度

 

 翔企画による簡単なルール、比較的短時間というのが特徴のSSシリーズの中でも評判のいいタイトルのひとつで、鎌倉幕府崩壊後の南北朝の動乱をテーマにしたウォーゲームです。ちなみに、作者の方はこのシステム(通称太平記システムというらしい)を元にテーマを変えつつ色々なウォーゲームを製作されているみたいです。

 

①季節ごとにダイスを振り主導権プレイヤーと主導権数(いわゆるアクション回数)が決まります。

②両プレイヤー交互に主導権数分の武将グループを隣接地域まで移動させる行軍を行います。この時主導権プレイヤーの手番で始まり、主導権プレイヤーの手番で終わるので、非主導権プレイヤーの行軍回数は1回少なくなります。

③同じ地域に両プレイヤーの武将が存在すると合戦が起こります。合戦は、調略(寝返り判定)、総指揮者決定(身分により決定され、戦闘は総指揮者の能力により行われる)、双方の攻撃(ダイス判定)の流れで行われ、どちらかが壊滅するか退却するまで行われます。

④戦場で壊滅した武将は討ち取り判定を行い、結果により除去や帰還、寝返りなどが起こります。

⑤未支配エリアを自軍武将で占有している場合は支配判定を行います。

⑥支配している地域では武士団コマを徴集できます。

⑦主導権数分待機ボックスにいる自軍武将を出陣させることが出来ます。

⑧支配しているエリアに応じて、またこのターンに討ち取った武将の身分によって得点を計算し、得点表に反映させます。

⑨規定点に到達するか、もしくはゲーム終了時により多くの得点を獲得しているプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。担当は管理人が公家(青)、ちいが武家(赤)となります。緑のユニットは中立の勢力で、ゲーム会時にランダムに割り当てられています。中立最強の赤松氏(合戦能力3-采配5)は武家側につきます。

 公家側の中心人物は、京にいる最強の合戦能力を持つ楠正成(4-3)、北機にいて足利尊氏(2-7)とほぼ同レベルの新田義貞(2-6)、そしてなにより奥州にいて合戦能力&采配のバランスからしてゲーム中最強といえる北畠顕家(3-6)が主力となります。

 武家側は、鎌倉にいる高い統率力を持つ足利尊氏、東海にいる最強の采配を持つ高師直(2-8)、北畠顕家に迫る能力を持つ高師泰(3-5)の兄弟あたりが主力といったところです。

 

 最初の季節はそれほど大きな戦闘は起こりませんでしたが、公家は新田義貞を北陸に出陣。武家側の斯波氏があっさりと寝返り北陸を支配下におきます。

 一方で、武家は南機に高兄弟を進め京を伺います。

 

 2季節目。高兄弟を中心に手薄と見て、楠正成が守る京を強襲します。しかしながら、この戦いは楠正成の合戦能力が猛威を振るい、高兄弟が壊滅。師直が公家に寝返り、師泰は討ち死にと、武家にとっては主力の2人を一度に失うかなり手痛い一戦となりました。

 この他、北方と南方の戦線に動きが見えますが、このラウンドで大きな衝突はありません。

 

 3季節目。北方では北畠顕家率いる部隊が足利尊氏の守る北関東を攻撃し大きな損害を与えて蹴散らします。南方では細川氏が南九州に進出しますが菊池氏の守りが崩せず撤退と、前の季節に続きこの季節も全体的に公家側に優勢に進みます。

 

 4季節目。多くのエリアで影響力を強めVPでかなり優勢となっている公家は、最後とばかりに楠正成率いる部隊で東海を守る足利直義(1-6)に攻撃を仕掛けます。統率力は高いものの合戦能力は最低の直義相手に、楠正成の能力を持ってすれば鎧袖一触のつもりで望んだこの一戦でした。が、ここにきて武家側のダイスが爆発しまさかの楠正成が親子ともども討ち取られるという事態に。

 

 5季節目。とはいえ形勢は概ね決まっており、楠正成が討ち取られたことも全体的には大きな影響がなく公家が優勢なまま。

 

 最後は名和氏が足利直義の守る東海を北畠顕家が足利尊氏が守る南関東を制圧し、規定の勝利点を超えたため公家側の勝利でゲーム終了となります。

 

 足利尊氏は赤松氏が守っていたため落とすことが出来なかった東山に逃亡。本州における武家側の最後の砦となっています。

 

 一方、ここまで一進一退の小競り合いが続いていた九州は最後の最後で武家が押し切って勝利しています。

 

○評価

 簡単なルールと短かいプレイ時間という制限の中で作られた翔企画SSシリーズのタイトルで、「ロンメルアフリカ軍団(「自宅ゲーム会168三日目」を参照。)」「信長の賭け(「自宅ゲーム会170」を参照。)」等と同様ウォーゲームとしてはかなり手軽で非常に高いプレイアビリティが魅力のゲームです。ちなみに標準プレイ時間は120分と他2タイトルに比べると倍の時間となっていますが、それほど時間がかかるといった印象はなかったですね。

 面白いのはどのように武将をスタックし勢力を広げていくかで、戦闘においてどの武将同士でスタックを組むかというのは非常に重要となってきます。というのも、戦闘時は同じエリアにスタックをする武将の中から指揮者を選びその能力を使用するのですが、この時身分が最も上の武将の中から指揮者を選ばなければならないというルールがあるため、どれだけ能力の高い武将であっても身分がより高い武将がいれば指揮を取ることは出来ません。しかしながら、身分は率いることの出来る兵力も規定するため、武将同士を組み合わせて行動させていくかというのは悩ましいところです。

 また、初期配置&各武将の勢力地域や京の得点などから畿内から東が主戦場になると思いますが、エリアの得点はどこも基本的には1点で、また北九州という2点エリアもあるため畿内以西をどうしていくかというのも難しいところです。公家勢力にとっては畿内から勢力を直接送ることができますが主力を送れば中央の戦線が手薄になり京が危うくなりますし、東日本に拠点を置く武家は西日本が勢力地域となる一部の武将に頼ることになり易いです。結果的に大兵力が激突する東日本と、少数の勢力がしのぎを削る西日本という構図になりやすい印象で、このバランスをどうとっていくかというのも考えどころになっています。

 あとは、中立勢力がランダムに分配されるところや、季節ごとの主導権数のランダム性、敗れたとしても討ち取り判定の結果次第で勢力地域に戻り再起を図ったり逆に親子ともども討ち死にしたりと、運によって有利不利は出易いかもしれませんが、これらの要素のおかげで同じ展開にはなりにくく、ドラマティックな展開も演出される感じです。

 大きく気になるところはなく、SSシリーズの中での高評価も納得といえる面白いゲームだと思います。

 

 

 後半に続きます。

 

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