自宅ゲーム会177 前半 城壁都市 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年12月26日

 

 さて、今年もあと5日を残したところではありますが、管理人とちいの予定の合う最終日&他のメンバーとはもう予定が合わないということになり、今年のボードゲーム納めとなります。そんなわけで、本日は終日、参加メンバーはちいのみです。いやあ、何故かボードゲーム納めはちいと2人でのゲーム会というのが半ば恒例になっていますね。とりあえず午前中は手軽なゲームを中心にプレイしています。

 

 ・・・ちなみに、この後管理人の予定が変更となり急遽翌日にもゲーム会を行うことになるわけですが、どちらにしてもつかまったのがちいのみ。結局、ボードゲーム納めはちいとの2人会というのは崩れずといったところですw

 

 

☆ヘルトウクン

○概要

作者:RAMCLEAR

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-3人

標準時間:30分程度

 

 悪の組織の一員となり、リモコンロボ「ヘルトウクン」を操作しながら敵対組織の秘密基地破壊を目指すゲームです。ゲーム開始時には隠匿されている基地の座標をお互いのアクションから推測していくと、「戦艦ゲーム(かなり昔からある紙ペンゲーム)」をアレンジしたような内容になっています。

 

①ゲーム開始時に他プレイヤーの基地座標を確認します。

②手番になると最初に自分の基地座標を宣言することが出来ます。この時に宣言に成功すれば勝利。失敗するとペナルティはありませんが、ゲームを通して2回しか宣言が出来ません。

③ヘルトウクンを3マス移動させます。

④相手プレイヤーは移動したヘルトウクンの位置をリモコンカードで移動させることができます。

⑤ヘルトウクンの移動が完了するとアクションカードを引き、ダイスを振って攻撃を行います。攻撃はアクションカードに対応した攻撃範囲のうち、アクションカードとダイスによって決まる攻撃力分のマス数を指定し攻撃を行います。攻撃は両プレイヤーの基地に影響します。

⑥基地が攻撃を受けた場合は基地の上から耐久トークンを取り除きます。

⑦これらを交互に繰り返し、基地の耐久地が一定の値を下回るか、自分の基地座標の宣言に成功すれば勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。中央がメインボードでこの上をヘルトウクンが動き回り攻撃を行います。公開しているカードはお互いの基地の座標です。相手の基地は見えますが、自分の基地は見えていません。

 

 両プレイヤーがこのような個人ボードにメモを取り推理に活用します。

 

 でまあ、ゲームシーンですが途中途中の写真をとったもののよくよく見返してみるとメインボードはヘルトウクンが動くだけで変化がなく変わり映えのない写真だったというw

 

 展開的にはある程度特定された基地は明確化を覚悟で積極的に耐久力を削っていく管理人に対し、管理人の座標の特定を隠しつつ自分の座標の明確化を急ぐちいといった感じだったかな。

 

 最終盤。ちいは最後の一箇所の2択を絞りきれず不確定という状況で宣言を行ったものの失敗。反対に、その宣言がヒントとなり管理人が自分の座標を宣言し成功、これにより管理人の勝利となりました。管理人的には宣言を外しても続く攻撃で基地の破壊による勝利も可能でしたがどちらにしてもかなりぎりぎりでしたね。

 

○評価

 相手に基地情報を与えないように攻撃を仕掛けながら自分の基地を探していく正体隠匿&推理系のゲームです。面白いのはいわゆる「戦艦ゲーム」だと相手の位置を探すということだけが目標となるのですが、このゲームの場合反対で相手の位置だけがわかっているところです。最初からわかっている相手の基地をひたすら攻撃し破壊すれば勝利となるのですが、自分の基地情報を完全に解明した場合も勝利となるため、相手の基地を単に攻撃するだけではなく、如何に情報を与えないように攻撃するかは悩ましいところです。逆に、自分の基地を判明させるためにあえて攻撃をするということも可能ではありますが、その場合は自分+相手でよりダメージが蓄積しやすいため如何に無駄撃ちしないか、行うタイミングも考えどころとなっています。

 また、共通のボード上でひとつのコマをお互いが操作していくというところも特徴で、基本的には3マスしか動かせない上に、リモコンカードで移動後の位置を若干操作することもできるため、お互いの動きをコントロールしていくことも大切となります。

 一方で、推理ものにしては攻撃がアクションカード+ダイスとなっておりややランダム性が強く、ばれないように攻撃を広範囲に広げたいときや、不必要な情報を避けるためピンポイントで攻撃したいときなど、必ずしもそう出来るとは限らず(というかカードによって攻撃範囲が大きく変わるものもありますし、攻撃箇所はダイス次第なので基本的に無理)、細かく個人シートに記録して基地を推測していくようなシステムなのにパーティーよりになってしまって、少しかみ合っていないかなというのが気になりました。

 あとは上手く調整してあるとはいえ、それでも良くも悪くも戦艦ゲームの亜種といった感じは抜けきっていないかなというのはありますね。

 とりあえず、気になるところはそれなりに気になりましたが、それでもお互いアクションをしながら相手の基地を追い詰めつつ自分の基地を解明していく過程がなかなか楽しめるゲームだと思います。

 

 

☆オルビス

○概要

作者:TimArmstrong

対象年齢:10歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:45分程度

 

 今年のエッセン新作(だと思う)で、神となって自分の崇拝者たちの住まうよりよい世界を作り上げることを目的としたタイル配置系のゲームです。

 

①手番になるとコストを支払い地域タイルを1枚獲得します。この時獲得した地域タイルに応じて、その周囲のタイルにキューブを配置します。

②獲得した地域タイルは個人の場に配置します。この時、タイルはピラミッド上になるように配置しなければならず、2段目以降はタイルを支える下段のどちらかに共通の地域タイルが必要となります。なお、配置できないときは裏面の荒野にして配置します。

③タイルによっては獲得時に効果を発動します。

④手番には地域タイルの獲得の代わりに、ゲーム中に1回神タイルを獲得しなければなりません。神タイルは条件を満たすことでゲーム終了時のボーナスとなります。

⑤15ラウンドが経過するとゲームは終了となり、獲得した勝利点を計算しより多くの得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。中央の場から地域タイルを獲得していきます。また、右手前のタイルは神タイルでゲーム毎にランダムに選ばれます。

 

 徐々に地域の配置が進んでいきますが、序盤から特定の色キューブのコストが不要になるという地域タイルを複数獲得したちいが全体的にリードした格好でゲームは進みます。管理人は勝利得点につながる地域タイルを狙っていましたが、いくつかのタイルでは条件が満たせず得点が消えてしまいます。

 

 そんなこんなでゲーム終了時の様子です。1枚1枚のタイルの得点はちいより高く思った以上に善戦はしたものの、終始コストに悩むことなく欲しいタイルを獲得しやすかったちいが数点上回り、ちいの勝利となりました。

 

○評価

 共通の場から獲得したタイルを個人の場に配置していくタイル配置系ゲームですが、個人の場に「ペンギンパーティー(「自宅ゲーム会17」を参照。)」形式でピラミッド状に配置していかなければならないのが特徴的なゲームです。ちなみに、得点を持つタイルの多くがその上で特定のタイル配置をしなければ得点が消失してしまうため、これらの制限の中で如何に上手く得点につながるように配置していくかというのがパズルチックで悩ましくなっています。

 また共通の場からのタイルの獲得にあたり、獲得したタイルに隣接するタイルへキューブが追加され、キューブが配置されているタイルを獲得することでそのキューブを獲得することができます。得点や特殊効果を持つタイルの獲得にあたってはコストとしてキューブを支払わなければならず、特に後半には比較的多くのキューブが必要となるため、リソースマネジメントも考えたタイル選択というのも考えどころとなっています。

 一方で気になるところとして、確かにペンギンパーティー形式のタイル配置系というのはあまり見たことがないのですが、ペンギンパーティーが共通の場でピラミッドを作っていくことに比べるとあくまで自分の手元のタイルをどう組み上げていくかという方法であるため、この部分で他プレイヤーとの絡みはそれほどなく、結局タイル配置系として見た目以外ではそれほど目新しいという印象はありません。

 また、その他の要素についても確かにゲームとして考えどころにはきちんとつながってはいるものの、タイル配置系ゲームをしようと思ったときにあえてこのゲームをというインパクトにはつながっていないかなと思われます。

 あとは、タイルの獲得のつどその周囲のタイルにキューブを配置していく作業は若干手間だったかなと思わなくもないです。

 とりあえず、大きく気になるところはなくゲームとしてはきちんと作られていますのでそれなりに楽しめるとは思いますが、気になる点で書いたとおり全体的に無難なつくりであえてこれをというところは弱く、結局この部分が一番気になるのかなという印象のゲームでした。

 

 

☆城壁都市

○概要

作者:DarylAndrews&StephenSauer

対象年齢:13歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60分程度

 

 北アイルランドのロンドンデリーを舞台に、市民や貴族を安住させることのできる都市を整備し、市長となることを目的としたゲームです

 

①ラウンドの最初に公開されているギルドカードを1枚選択し、ラウンドの手番を決定します。ギルドカードにはギルドごとにラウンド中に使用できる能力もあります。

②前半ラウンドは手番になるとメインボードに道を1つ配置します。この時、手札を1枚プレイし道の両側の区画へ市民コマを配置します。また、区画に配置された派閥ダイスや得点チットの操作をすることも出来ます。

③プレイ人数に応じて各プレイヤーが道を配置しきるまで手番を順に繰り返し、全ての配置が終わると得点計算を行います。

④得点は区画ごとに市民コマの数がより多いプレイヤーに多くの得点が配布されます。また、各区画に配置された派閥ダイスの色に応じた区画の市民コマを合計し、より多くの市民コマを配置しているプレイヤーは派閥の得点も受け取れます。この時、同点の場合はより多くの貴族コマ(2つある市民コマの片方)を配置しているプレイヤーが優勢となります。

⑤前半ラウンドの最後に防衛区画に手札を1枚配置し、後半ラウンドに入ります。

⑥後半ラウンドは再びギルドカードを選択し、手番になると城壁を1つ配置します。この時、手札を1枚プレイし城壁に隣接する区画へ市民コマを配置し、その区画にある貴族コマを最寄の塔へ移動させることができます。また、区画に配置された派閥ダイスや得点チットの操作をすることも出来ます。

⑦プレイ人数に応じて各プレイヤーが城壁を配置しきるまで手番を順に繰り返し、全ての配置が終わると得点計算を行いますが、その前に城壁が配置されていない区画からは貴族が逃亡(除去)します。

⑧前半と同様に得点計算を行ったうえで再度防衛区画に手札を配置し、塔ごとにより多くの貴族コマを配置しているプレイヤーは塔ごとに防衛区画に配置した手札に応じて得点を獲得できます。

⑨前後半が終わった時点で最も多くの得点を獲得しているプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。黒は2人用のときに使用されるNPCで、人型のものが貴族、家型のものが農民となっています。ゲーム開始時のセットアップで道が4本配置されており、その他各区画にダイス、中央の区画に得点チットが配置されています。ダイスは色で派閥が分かれており、得点計算の際に同色のダイスが配置されている区画の市民コマの数でマジョリティを争います。ちなみに、ダイス目の方は勝利した際に獲得できる得点となります。

 

 お互い区画を区切りながら市民コマを配置していきます。

 

 前半ラウンドで道&市民コマを配置し終わったところで、灰色が管理人、金(濃い緑にも見えますが)がちいとなります。

 管理人はオレンジ、青を中心に派閥への影響力が強く、ちいは派閥の影響は紫のみですが、得点の高い中央の区画で影響力が強いです。前半は塔の区画に配置されたダイスは得点にもマジョリティにも影響がありません。

 

 得点計算を行うとほぼ五分五分でしたが若干管理人がリードとなります。後半は城壁を配置しながら市民コマの配置や塔への移動を行います。

 

 全ての配置が終わったところです。後半には塔に配置されているダイスも派閥の得点計算に影響します。

 区画と派閥の得点計算を行うと、3色の派閥で優勢を得ている管理人が全体的にも優勢となり・・・

 

 最後に塔の得点も計算すると、20点近い差をつけて管理人の勝利という結果でした。

 

○評価

 都市を区画分けする前半と、防衛のための城壁を建設する後半に分かれているのが特徴のエリアマジョリティ系のゲームとなります。前半は道の配置をすることで区画を区切りながらコマを配置することができるのですが、基本的にそれぞれの配置ポイントにひとつ道を配置してしまうとそれ以上の配置ができないため、どれだけ影響を強めたい区画があってもその区画に接する道の配置ポイントが空いていないと、コマを配置することは出来ません。逆に、自分のコマが少ない区画であっても上手く道を配置していくことで他プレイヤーのコマの配置を妨害することも出来るため、どう道を配置して区画を区切りつつコマを配置していくかというのは悩ましいところです。後半戦になると城壁の配置で再び外周の区画にはコマを配置する機会がありますが、外周に接していない区画には基本的にコマを配置する機会がありませんし、前半の結果によってその区画に影響を与えられる回数(その区画に接する城壁の数)も決まってくるため、後半戦も考えた区画分けというのも大切になってきます。

 ちなみに、コマの配置は道や城壁を配置するつど2つの数字が書かれた手札を使用して行いますが、前半戦では配置した道の両側にコマの配置が行え、後半戦では配置した城壁の内側にコマの配置をもうひとつの数字で塔への移動を行うことが可能です。手札は山札から引くような方式ではなく、各プレイヤーが同じ構成のカードを全て手札に持って、手番ごとに1枚づつ使用していくため、使用するタイミングや前後半の配分、防衛区画にどのカードを配置するか(塔の得点にどう影響を与えるか)といった、このあたりのカードマネジメントも重要な要素となっています。

 また、面白いのは各区画に配置したコマがその区画だけでなく、派閥にも影響を与えるところで、派閥はラウンド終了時のダイス目にもよりますが、上手くダイスを操作しておけばかなり大きな得点源となります。後半になると塔に配置されたコマも派閥に影響を与えることもあり、区画区画だけではなく、どの派閥でマジョリティを狙うかというところも考えどころになっています。なお、区画の大小で得点に差はないため両方で勝てるならば小さく区分けした方が得点効率はいいのですが、大きな区画でマジョリティをとっていれば派閥の判定の際には有利なので、このあたりをどうしていくかというのも難しいところです。

 一方で、特殊効果を持つギルドカードによる手番順の決定というのは悪くないと思いますが、このギルドカードの効果に強弱がある印象で、特に道や城壁を破壊&除去する系列の効果が区画のマジョリティへの影響が大きく強いのではというのは気になったかな。

 また、城壁に覆われていない区画からは後半ラウンドの得点計算前に貴族が逃げ出すというルールがあるのですが、実際にはほとんどの配置ポイントに城壁は配置され、配置されないのは(破壊等がなければ)2箇所しかないということもあって、せっかくのルールがやや活用されていないように思います。貴族と農民という2つのコマの差別化の意味でも、城壁はもう少し空くくらいでも良かったのかなと。ついでに、道も結局ほとんどの区画が区分けされるので、この辺りはもう少しメリハリがでるような調整でもよかったのかなという感じはあります。

 とりあえず、特徴的な要素が多いエリアマジョリティ系として、それぞれの要素がきちんと考えどころにつながっており楽しめ、何だかんだと書いていますが結構好きなゲームです。ただまあ、全体的にもう少し調整をしてくれたらより、そしてかなり面白いゲームになったんじゃないかなあといったところが気になる感じでした。

 

 後半に続きます。

 

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