平成30年12月16日
今回は午後からといっても普段よりスタートが遅めで時間も遅くなってきていたので、残りは比較的手軽なゲームをプレイしています。
☆ラッタス
○概要
作者:AseBerg&HenrikBerg
対象年齢:10歳以上
対象人数:2-4人
標準時間:45分程度
ペストが流行するヨーロッパにおいて各階級の人たちの協力を得ながら定住を試み、より多くの土地で生き残ることを目的としたゲームです。
①手番になると最初に共通の場か他プレイヤーが所持している階級カードを1枚獲得することが出来ます。階級カードは、カードの種類に応じた特殊効果があり手番中に使用することが出来ます。複数枚の階級カードを所持することが出来ますが、一旦獲得したカードは他プレイヤーに奪われるまで自主的に放棄することは出来ません。
②任意の1地域に、その地域に配置されているネズミトークンの数だけキューブを配置します。
③手番の最後に疾病コマを隣接するエリアに移動させます。移動先にネズミトークンがある場合はその隣接エリアにネズミトークンを配置します。
④疾病コマが移動したエリアにネズミトークンとキューブが配置されている場合はネズミトークンを公開します。ネズミトークンには限界値とシンボルが描かれており、限界値以上のキューブがエリアに配置されているとシンボルに応じてキューブを減少させます。
⑤ネズミトークンのシンボルには強制的に被害を受けるもの、最も多くのキューブを配置しているプレイヤーが被害を受けるもののほかに、各階級カードを所持しているプレイヤーが被害を受けるものがあり、該当していればキューブを減らさなければいけません。
⑥疾病コマの移動したエリアでキューブかネズミトークンがなくなるまで処理を行ったうえで手番を交代します。
⑦ネズミトークンの山がすべてなくなるか、特定のプレイヤーがキューブを配置しきることでゲーム終了となります。ゲーム終了時に最も多くのキューブを配置していたプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子です。管理人が赤、ちいが青、やまが黄色となります。
「聖職者」によりネズミトークンを移動させ被害を防ごうとするやま、「商人」によりキューブを移動させ被害から逃げようとする管理人、「騎士」により疾病コマを引き離して被害を遠ざけつつ他プレイヤーに被害を与えようとするちいという感じでゲームが進みます。序盤は配置されているキューブが少なめということもあり、「限界値」の関係もあってどのプレイヤーも被害は少なめです。
中盤、配置されるキューブが増えると徐々に損害も増えてくるため全体としてはなかなかキューブは増えていません。
2枚目に「王族」を確保した管理人はその能力でキューブを宮殿(右手前のエリアで、このエリアはこの後被害を受けることがない)に送り込みます。やまは農民で損害を受けた以上にキューブを配置する作戦。ちいは引き続き騎士の活用といった状況でした。
しかしながらこの辺りから、管理人は「騎士」を奪い他プレイヤーへの損害を狙う一方で、やまは管理人から「王族」を奪って宮殿にキューブを送り込むなど、階級カードの取り合いが激しくなってきています。
終盤。安全圏(ネズミトークンのないエリア)を上手く作ってキューブの生存を狙うちいに対し、管理人はやまから確保した「聖職者」の能力なども使いつつ、ちいのキューブが多いエリアへのネズミトークン配置を狙います。
そんなこんなでネズミトークンがなくなりゲームは終了です。中央部一帯はネズミトークンがなくなっておりペストが終息したといった感じですが、端の一部にはまだまだ残っています。これらのトークンは処理されるため・・・
処理を行った結果はこんな感じ。管理人とやまがタイの10、ちいが9という接戦でしたがタイブレイクを制したやまの勝利となりました。
○評価
ヨーロッパを舞台にしたエリアマジョリティ系のゲームに見えますが(購入レポートのところでは管理人自身そう書いていましたがw)、目的はペストの流行によってキューブ(人口)が減少する状況下で如何に多くのキューブを生き残らせることが出来るかといったゲームとなっています。キューブは毎手番任意のエリアに配置することが出来るのですが、ネズミトークンが少ないエリアの方が疾病コマが来たときの被害は小さくなりやすいのでそのようなエリアを確保していきたいところです。ただ、そもそものキューブを増やすときにはネズミトークンが多いエリアの方が効率がよく、キューブは基本的には移動できないこともあってどこのエリアに配置していくかというのは難しいですね。また、キューブが多いエリアほどペストの影響を受けやすくなるため他プレイヤーとの競合は避けたいところですが、ネズミトークンの配置が任意でさらに任意に動く疾病コマがエリアに来ない限り被害を受けないということからすれば、単独でキューブを集めているエリアは狙われやすくなり、ある程度他プレイヤーと競合した方が狙われにくくなるということもあってり、このあたりの駆け引きもキューブの配置に影響し考えどころになっています。
面白いのは手番ごとに1枚獲得することの出来る階級カードの取り扱いで、どのカードも非常に有用な効果を持っておりキューブの生存のための助けになるのですが、反面所有すればするほど疾病の被害を受けやすくなってしまうという大きなデメリットも抱えています。このため、いくら所有数に制限はないといってもいくらでも持つというわけにはいかず、一時的に必要だからと確保しても自発的に放棄することも出来ない(他プレイヤーにとってもらうしかない)ため、どのカードを獲得するかという取捨選択は非常に悩ましくなっています。ちなみに、他プレイヤーに奪われることを防ぐ手段はないので常時使えるものでもないですが、階級同士を上手く組み合わせコンボを狙うことも可能です。
一方で、上記で書いていますがネズミトークンの配置にしても疾病コマの移動にしても手番プレイヤーの任意で動かすため、個人攻撃になりやすく、苦手な人は苦手かもしれません。
とはいえ気になったのはそれくらいで、独特な設定ではありますがプレイアビリティは高めで、如何に階級カードの能力を活用しつつ自分のキューブを生き延びさせるかしっかりと考えどころのある面白いゲームだと思います。ちなみに、この微妙に不謹慎な設定や生き延びることを目的にお互いで妨害しあうところなど何となく「ポンペイ(「自宅ゲーム会92 中盤」を参照。)」が思い出されましたね。
ここでやまが帰宅し、残り時間もかなり少なくなってきたところ2人で何をしようかと考えたところ、たまたま目に入った購入したばかりのゲムマ新作を2人でプレイすることに。
☆デック・ザ・タクティクス
○概要
作者:工藤さん
対象年齢:8歳以上
対象人数:2-4人
標準時間:15分程度
ゲムマ秋2018の新作で、カードを使って8種類の中から選択した自分のキャラクターを操作しながら、他プレイヤーが操作するキャラクターを倒すことを目的としたゲームです。
①使用するキャラクターと使用するモードを選択し、ボード上に障害物を配置してゲームを開始します。
②手番になると手札を使用し「通常移動(カードを捨て札にし1歩移動)」「カード使用(カード効果を使用します。)」のいずれかを手札の範囲で行います。
③手番の最後には手札を補充します。
④ゲームモードにもよりますが、基本的には敵対するプレイヤーを倒すことで勝利となります。
○プレイ経過
今回は2人なのでサバイバルモード(目的は他プレイヤーの全滅)でプレイをしています。初戦は管理人が魔法使い、ちいが呪術師を使用しています。
お互い遠距離攻撃重視かつ障害物を越えても撃てるものがあり、障害物を挟んでの撃ち合いとなります。ただ呪術師の攻撃封じや手札のめぐりもあって管理人が撃ち負け形勢はちいに傾きます。
ライフがぎりぎりになったこともあって、「オーバースピード(パッシブ系で移動力アップ)」で一旦距離をとり手札を整えてからの一発逆転を狙いましたが、ちいのスキルにより足を止められたところを狙い撃たれちいの勝利という結果でした。
続けて2戦目は管理人が忍者、ちいはパラディンを使用します。
初戦とは異なり障害物を乗り越える攻撃はないため、中央に配置した障害物を挟んで微妙な距離の取り合いとなります。
遠距離攻撃のダメージを減らすパッシブを備えたちいに対し、接近や何とか通る遠距離攻撃を中心に攻撃を仕掛けます。忍者は攻撃後に移動できる能力を持つカードが多く、上手くちいの射線を外しながらチクチクと攻撃を重ねます。
最後は忍者刀による接近戦から距離を離しての手裏剣という連続攻撃によりとどめを刺し、2戦目は管理人の勝利となりました。
○評価
外箱に「3分で覚えて」と書いてあるように、手番に「カード効果を使用する」か「カードを捨てて移動する」という非常にシンプルなルールとなっており、1ゲームあたりもそれほど長くなくプレイアビリティの高いゲームで、目的も基本的には敵対するキャラクターを倒すとシンプルです。各プレイヤーはそれぞれ8種類の職業から選択することになりますが、それぞれの職業が固有のカードデッキを所持し全く違った特徴を持っており、自分のキャラクターの特徴を如何に活かして戦うかというのが考えどころになっています。
面白いのは各職業10枚というカードをどうマネジメントしていくかというところで、攻撃となる「アタック」、防御的な使い方となる「リアクション」、さまざまな効果でサポートする「スキル」、全体的にコストは重めだが一度プレイすれば常時発動となる「パッシブ」という4種類のカードがありますが、3枚という手札上限の中でどのカードをカードとして使用し、どのカードを捨て札にして移動するかの判断は悩ましいところです。一旦捨て札となったカードはリシャッフルして再度引くまで登場しないため、それぞれのカードの使いどころを考えて使用するタイミングを計ることも大切ですね。
また、相手にダメージを与える「アタックカード」にはそれぞれ固有の射程がありその射程以外では効果を発揮しません。職業によってある程度得手とする射程は決まっているため、単純な移動だけでなくスキルやパッシブ、職業によってはアタックに付与される特殊効果なども使い、如何に相手の得意とする間合いを避け、自分の得意とする間合いに持ち込むかという間合いを巡る駆け引きも面白いところだと思います。
一方で、上記の通り3枚という手札の中でのやりくりがマネジメントの悩ましさとなっておりそこはいいところだと思うのですが、移動や追加コスト(強力なカードの使用に必要なコストで、コストに応じた枚数のカードを別途捨て札にする必要がある)でもカードを使用するため手番ごとに出来る幅がやや窮屈すぎ、全体的にじりじりとした戦いになり地味かなというところは少し気になりましたね。ただ、このあたりは今回2人でのプレイだったので余計にというところはありそうです。まだプレイしていないので要検証ではありますが、ボスバトル(1VS2)やチームバトル(2VS2)のように複数の職業がチームとなり連携した方がより面白そうかなという印象はありますね。
とりあえず、プレイアビリティの高い殴りあい系として、カードマネジメントの悩ましさも含めなかなか楽しめるゲームだと思います。気になる点はありますが、これが複数人だとどうなるかというのは今後プレイしてみたいところです。
ここで時間となり本日のゲーム会は終了となりました。時間的には短めでしたが、初プレイタイトルの3つがどれも面白く楽しい時間だったと思います。