明日より、第73期ALSOK杯王将戦7番勝負開幕。。 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

明日より、第73期ALSOK杯王将戦7番勝負開幕。。

第73期ALSOK杯王将戦特設サイト
第73期挑戦者決定リーグ対戦表

 

3連覇を目指す藤井聡太王将に

振り飛車党の若き旗頭・菅井竜也八段が挑戦する

第73期ALSOK杯王将戦7番勝負。

 

本日、新年の公式戦対局が始まったばかりですが

将棋界に新年の訪れを告げる歴史と伝統の番勝負が

早くも明日、茨城県は大田原市「ホテル花月」にて

大きな期待と注目の中、運命の幕を開きます。。

 

 

藤井王将の今期ここまでの成績は39戦33勝6敗(.846)。

春に名人を奪取すると、叡王棋聖王位を立て続けに防衛。

10月には王座を奪取に、史上初の八冠独占を達成しました。

 

「冬の本場所」竜王戦では同世代の伊藤匠七段を一蹴。。

ストレート勝利であっけなく3連覇を達成して年内を締めくくり

一強時代を謳歌する神童は誰もいない平野でその先を見据え

不穏な幕開けとなった2024年最初の防衛戦に臨みます。。

 

対します、菅井八段の今期ここまでの成績は

36戦24勝12敗(.667)。順位戦はA級で5勝1敗。

好調なシーズンを過ごす振り飛車党新時代のエースは

強豪集う王将戦リーグを5勝1敗の好成績で見事優勝。

 

打倒・藤井王将の一番手としての責任感を胸に

気合も十分、全身全霊をかけて番勝負に挑みます。。

 

気になる両者の対戦成績は

ここまで13戦して、藤井王将が9勝4敗とリード。

今期の叡王戦での対戦では、2度の「千日手」を含みつつ

藤井王将が3勝1敗で制し、見事防衛を果たしました。

 

現在のAIのトレース前提の研究将棋で

藤井王将を7番勝負で倒すためには、最後の一手まで

「こう指すと負けるのはわかっているけど他に指す手がない」

という完成された棋譜を4つ用意するしかなく、事実上不可能。。

 

王座戦の永瀬拓矢王座の負け方をみても明らかなように

AIが描き出す膨大な局面と変化を暗記するだけでも大変で

どうしてもリアルでの読みは浅くなり、勘も甘くなってしまうという

勝ちたいが故のジレンマが現代のトップ棋士を苦しめます。。

 

いずれはAIとの共存の道が今よりずっと整備され

正確にトレースする部分と人間が読み、力を発揮する部分の

調和がとれるようにようになると思われますが、その端境期で

菅井八段がどのような研究と勝負論を盤上に示すのか。。

 

このままいつまでも藤井王将だけが勝つ世界で良いとは

将棋関係者は誰も思ってはおらず、危機感は過去最高クラス。。

超高精度の研究と圧倒的な終盤力で他の追随を一切許さない

史上最強の王者へ挑む、菅井八段へ熱き期待が高まります。。

 

藤井王将が今年も優雅に独走を続けるのか。。

菅井八段が新年一発目でドデカい風穴を開けるのか。。

 

将棋界の今年を占う

楽しみな番勝負をぜひ、お見逃しなく。