ネオンヌの背後に現れた黒い影は、どんどん巨大化し、異様な姿へと変貌を遂げていった。
『まだ足りない…もっとだ…』
低く響く不気味な声に、人々は一瞬静まり返った。
「あれ…なに…?」
ピクピクもようやく異変に気づき、ぼんやりと黒い影を見上げていた。
ゼンシーナが厳しい表情で告げる。
「あれが、この街の人々の欲望から生まれたマモノよ」
その言葉を裏付けるように、マモノは巨大な口を開けて叫んだ。
『もっとだ!もっと刺激を!欲望を解放しろ!!』
人々はその声に呼応するかのように興奮し始め、理性を失っていった。
「もっとだ…まだ足りない!」
「楽しませろ!欲望のままに!」
狂気が街全体に広がり、人々は互いを押しのけ、激しい争いすら始めてしまった。
ピクピクも飲まれそうになりながら、その光景を見て怯えていた。
「違う…こんなの僕が求めてたワクワクじゃない…!」
ネオンヌは虚ろな表情のまま、ピクピクの肩を掴んだ。
「何を言ってるの?これがあなたの望んだ『ありのまま』でしょう?」
ピクピクは震える声でつぶやいた。
「違う…これはワクワクなんかじゃない。ただの欲望だ…」
そこにノワノワの鋭い声が響いた。
「やっと気づいたか、ピクピク。その通りだ。お前が求めてたものは『刺激』じゃなくて、『本当の喜び』だったはずだろ?」
ピクピクは涙を浮かべてノワノワを見た。
「僕…僕はどうすればいいの…?」
ゼンシーナはシクシクに微笑んだ。
「シクシク、今度はあなたたちの番よ。ピクピクに本当のワクワクを示してあげて」
シクシクは頷き、覚悟を決めて一歩前に踏み出した。
「ピクピク!もう欲望に飲まれるのはやめよう!本当のワクワクは、外の刺激じゃなく、君の中にあるはずだ!」
🌟 つづく!
🔗 シンクロの世界に飛び込もう!
