ピクピクを仲間に加え森の中を歩くシクシクたち。
皆、彼の旺盛な好奇心に振り回されっぱなしだった。
「あっちにすごい形の木があるよ!」
「こっちには見たことない虫がいる!」
ピクピクは次から次へと走り回り、みんなを巻き込んでいく。
「おいピクピク!いい加減に落ち着けって!」
ノワノワが呆れて止めても、ピクピクは笑顔で振り返るだけ。
「だってさ、世界はワクワクで溢れてるよ!全部見逃したくないんだ!」
ノワノワは呆れたが、シクシクとゼンシーナは笑顔を交わした。
しばらくすると、ピクピクが立ち止まって空を指差した。
「あっ!すごく面白そうなの見つけた!」
「今度は何だよ?」
ノワノワが怪訝そうに顔を上げる。
ピクピクが指差した先にあったのは、
大きな木の枝にぶら下がる巨大な蜂の巣だった。
「おい、あれはさすがにダメだ!」
ノワノワが止めようとするが、もう遅かった。
「ちょっと触るだけだよ!大丈夫だって!」
ピクピクは手頃な枝を掴むと、勢いよく巣をつついた。
その瞬間――
ブンブンブンブン!!
大量のハチが怒り狂って飛び出し、4人に一斉に襲いかかった。
「ぎゃあああぁぁぁ!逃げろーーー!!」
ピクピクはなぜか楽しそうに笑いながら走る。
「わぁぁぁ!すごいワクワクするね!」
「そんな悠長な場合じゃないだろ!」
ノワノワは顔を真っ赤にして怒鳴った。
シクシクも必死で駆けながら叫ぶ。
「ピクピク~!これのどこがワクワクなの~!?」
蜂の群れに追われ、4人は森の中をめちゃくちゃに走り回った。
どれだけ逃げたか分からないほど必死に走り続けて、
ついに羽音が聞こえなくなった頃には、
全員が地面に座り込んで息を切らしていた。
「もう……勘弁してくれ……」
ノワノワが肩で息をして呟いた。
シクシクもぐったりしていたが、
隣のピクピクはなぜか笑いが止まらない様子だ。
「ごめんごめん!でもすごく楽しかったよね!」
ノワノワは呆れて怒る気力もなくしたが、
ゼンシーナが微笑んだ。
「まぁ、退屈はしないよね~!🌟」
息を整えたシクシクが辺りを見回して首をかしげる。
「あれ……?ところで、ここどこだろう?」
ノワノワも辺りを見て呟く。
「確かに、見覚えないな……。ずいぶん遠くまで逃げたな。」
するとピクピクが楽しそうに指差した。
「あっ!あそこに看板があるよ!」
4人は立ち上がって看板に近づくと
『仮面の村へようこそ』と書かれている。
「仮面の村……?」
シクシクたちは顔を見合わせて首をかしげた。
「どんな村だろう?」
ピクピクはもう興味津々でウズウズしている。
「絶対面白い場所だよ!早く行こうよ!」
ノワノワはため息をつきつつも、不思議そうに村の入口を眺めた。
ゼンシーナは明るく宙を舞って言った。
「これは行ってみるしかないよね~!」
シクシクは小さく頷いて、前に一歩踏み出した。
「うん!もしかしたら、新しいワクワクの種も見つかるかも!」
ピクピクはすでに我慢できずに走り出していた。
「よーし!仮面の村、いざ突撃だ~!」
「おい!勝手に突撃すんな!」
慌ててピクピクを追いかけるノワノワを見て、
シクシクは笑みをこぼした。
だがこの時、彼らはまだ知らない――
『仮面の村』に待ち受ける新たな試練を。
🌟 つづく!
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