ホロストフスキーのジェルモン | Добро пожаловать!

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先月、ナポリで「椿姫」のジェルモンを歌ったホロストフスキー。

その時、ここで、『ジェルモンは彼に合ってる役とは思えない』と書きましたが、決して彼のジェルモンが嫌いなわけではありません。

実は、ひょんなことから、2004年にイタリア・カリアリで上演された、「椿姫」の映像を見ることができました。
共演は、ボンファデッリとフィリアノーティ。

とある情報によると、この舞台は、ロイヤル・オペラで使われたのと、同じプロダクションだとか。
これ↓ね。

ROHの椿姫


どうりで~。どこかで見たことのあるセットだと思ったわ。

そういえば、来年1月にネトレプコと共演する「椿姫」、ロイヤル・オペラじゃん。
また、このセットかなぁ?
だとしたら、ネトレプコ、きれいだろうなぁ~~キラキラ
DVDにしてほしいなー。


・・・って、それはおいといて。


でね、このカリアリの舞台でのホロストフスキーは、「かなり頑張った老けメイクをしてるらしい」ってことだったので、ちょっと不安でもあったのであります汗

 しかし!これが素敵だった~!
カリアリの椿 ←この  写真は、かなりピンボケでわかりにくいでしょうが、こんな感じです。

 この写真だと、「え?どこが素敵?」って言われちゃうかもしれないけど、“ジェルモン”だったのよ、しっかりと。

 
DVDになってる、フェニーチェ歌劇場の、眼鏡とスーツのジェルモンも、去年のMET来日公演のジェルモンも素晴らしかったし、両方とも嫌いじゃない。

 
特に、去年の来日公演は、生を観たってことも関係してると思うけど、鳥肌が出るほどの声だったし、素敵な“お父さん”だった。

 
だけど、この老けメイクのホロストフスキー、本当に良かった。

 うまく言えないけど、説得力があったの。

「あ~、ジェルモンだー」って思えた。


登場した時は、結構怒りモードで怖かった。

「この女か、わしの息子をたぶらかしたのは!」ってな剣幕。


ヴィオレッタが、「それでは、少しの間、息子さんと離れましょう」って言った時も、すっごい意地悪な顔してた。


歩き方を、ちょっと工夫してると思いました。
ヨボヨボじゃないんだけど、ちょっと年老いてる感じが上手く出てたと思う。

彼の小芝居、私は大好きなんだけど、ここでも色々やってくれてました。

その中で印象的だったのは、プロヴァンス~のアリアの時、間奏のところで、何かを探すようなふりをして、椅子を見つけ、それをアルフレードの隣まで運んでいき、その椅子に座って、2番を歌うところ。
座っている息子の同じ目線で、すぐ側で、説き伏せようって感じで良かったな。


それから、アルフレードを殴ろうとして手を上げ、ハッと我に返るところ。 ここの表情がすごく良かった。
「わしは今、なんてことをしようとしたんだ!」って感じ。


ホロストフスキーは、演技が下手だと言われてるらしいけど、こうやってじっくり見てると、本当に色々工夫してるなーって感心しちゃう。


プロヴァンス~のアリアの後、すっごい拍手だったし、ロイヤル・オペラのプロダクションだから、その後のカヴァレッタも歌ってくれた♪

そうそう、ゲオルギューが出てた映像、ヌッチがこのカヴァレッタ歌ってたもんね。


カーテンコールは、大歓声を浴びてました。

登場の仕方が、すっごい颯爽としていて、改めて、あのジェルモンの歩き方は、演技だったんだな~と思いました。

老けメイクのまま、若々しくカーテンコールに応えていて、なんか面白かった。
当時41歳(誕生日前だし)。若いわ、そりゃ。


共演者やオケの人達に、満面の笑顔で、盛んに拍手を送っていた。いい人だー。
そんなことやってる人、他にいなかったよ・・・・。


ROHで歌う時、この老けメイク・・・・もうしないだろうか?
最近、ジェルモンをやる時、メイク薄いもんね。

先月のナポリの舞台は、こんな感じ→でした。 ナポリの椿姫


でも、このカリアリの舞台を見て、ジェルモンやる時、老けメイクの方がいいかもーって思った私です(笑)

そして、彼がこの役をよく歌う理由が、なんとなくわかった気もします。
音域が彼に合ってると思うし、2幕1場は、ある意味ジェルモンの独壇場だし、物語のキーになる人だし、それでいて、出番が少ないから、喉への負担が少ない(笑)


ROHの「椿姫」が、俄然、楽しみになってきました!