北方領土は返さないと本音を出した、プーチン | 朱雀ひのでのブログ

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なぜ6月12日が、ロシアの建国記念日になっているのか?

 

6月12日は、ソビエト崩壊後に成立した、現在のロシア連邦の建国記念日とされ、ロシアの祝日とされています。

 

ソビエト崩壊の日は、1991年12月31日であり、ロシア連邦が正式にソビエトからの分離、独立を果たした日が、同年12月25日(この日、ソビエト最後元首・ゴルバチョフ大統領が、正式に辞任した)ですから、意外に感じる人もいるでしょう。

 

これは現在のロシア連邦成立の事情によるものですが、1990年6月12日に、ロシア連邦の前身である、ソビエトを構成していた15の共和国の一つだった「ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国」が、ソビエトからの独立を宣言し、ロシア共和国を名乗ったことに、端を発するようです。

 

6月12日は、今に至るロシア連邦の発端を記念するために、実際の独立した日ではなく、こちらを建国記念の日として、ロシアの歴史に残すことにしたのでしょう。

ちなみに実際に独立を果たした12月25日については、ロシアの憲法記念日としているようです。

6月12日と異なり、祝日にはしていないようですが。

 

 

国民に向けて北方領土を『祖国』と演説したプーチン

 

さて日本にとってはどうでもよいトリビアでしたが、今年のその日にロシアでなされたことが問題なので、前置きとして取り上げました。

 

その日、プーチン大統領が国民に向けて行った演説の中で、次のような発言をしたと報じられました

(リンク切れの際は、注目記事1383参照)

 

『私たち一人一人にとって、カリーニングラードからカムチャツカやクリル諸島などに至る祖国は、家族であり家なのだ』

 

 

カリーニングラードとは、隣国ポーランドに囲まれた飛び地領土ですが、クリル諸島は、千島列島を指します。

これを含めて『祖国』と呼んだのですから、プーチンの中では北方領土を日本に返す気など、さらさらない事がはっきり分かります。

 

これまではプーチン本人から、そのような文脈で北方領土に言及した発言を、広く国民に演説したことはなかったと記憶していますが、ついに公に本音を語ったようですね。

まあ以下に紹介する過去にアップした記事でも、恐らくそうだろうと推測していましたが、やはりと言う感です。

 

注目記事849~プーチン大統領、北方領土を全く返す気がないことを明言

 

注目記事1157~ロシア、憲法改正で領土割譲禁止を明記の方針

 

 

もう北方領土がロシア領であるのが当たり前という体の発言ですね。

日本と交渉して譲歩する気など、微塵もないと見るべきです。

 

もし平和条約締結と引き換えに北方領土を返す気があるのならば、FSB(ロシア連邦保安庁、旧ソ連時代の秘密警察、スパイ組織だったKGBの、事実上の後進組織)を動かしたり、マスコミ操作などで情報統制したりして、北方領土を返す機運が(ロシア)国民に高まっているかのように装うことでしょう。

 

それが出来るだけの権力が、プーチンの手元にあるのですから。

 

しかし現実にやっているのは、国民の愛国心をかきたてる上で、北方領土領有の意思を、明らかにしたことです。

 

 

北方領土の地元でも、ロシア国旗を掲げるイベントが

 

そして北方領土の現地である択捉島で、12日のロシアの祝日に合わせて、島民などが巨大なロシア国旗を振る催しが開かれたと、報じられています

(リンク切れの際は、注目記事1383参照。上から2番目の記事)

 

これを主催した、北方領土を含むロシアのサハリン州自治体の長である、リマレンコ州知事のほか、地元の愛国者団体の子どもなど50人余りが、択捉島の指臼岳を見渡す展望台で、縦9メートル、横12メートルの巨大なロシア国旗を持ち、上下に振ってたなびかせたようです。

 

このリマレンコ氏は、今ロシアの憲法改正案で、(ロシア)自国領の領土割譲禁止条項が盛り込まれることに関し、北方領土に関し次のような発言をしていました。

(リンク切れのため、注目記事1157参照)

 

『この提案によって、最終的かつ取り消し不能な形で島々への無意味な臆測に終止符を打つことができる』

 

 

この発言と、ロシア国旗を誇示するイベントを見ても、ロシア人の意識では、北方領土の引き渡しなど、論外と考えていることは明らかですね。

この調子では、いくら平和条約締結交渉で努力しようが、平和裏に北方領土を返還することは、ないでしょうね。

 

肝心の北方領土の住民、自治体の長が愛国心からロシア国旗を掲げることを、国の方針で抑えたりせず、自由にやらせていることを見ても、『実は北方領土は、不当に得た領土で、日本に返還すべきもの』という意識が全くないことが分かります。

 

 

Intermission(閑話休題)

ロシアに強気に出るのが難しい理由と、韓国に強気に出られる理由の違い

 

いくらロシアの憲法で『領土割譲禁止』を謳ったところで、国際条約で領土割譲を取り決めれば、そちらの方が有効になり、領土割譲は実現します。

その交渉が成功すれば、ですが。

 

ちなみに韓国の慰安婦合意についての違憲判断、徴用工判決に基づく賠償請求が、韓国の思うようにいかないのは、なぜだと思いますか?

 

それは韓国の裁判所が出した判決の効力が、国境を越えられないからです。

日本から強制的に再交渉や賠償をもぎ取れないのは、国内法より国際法の方が、法的効力が強いからです。

国際条約の方が、各国の国内法を覆す位の効力を持っているからです。

 

今日本は、ロシアとの交渉には、相変わらず下手に出ている感がありますが、韓国に関しては、これまでの弱腰とは打って変わったように、強気な姿勢に出ています。

この両者の違いは、どこにあるのでしょうか?

 

それは、ロシアとは、これからの交渉で、領土返還を勝ち取る必要があります。

韓国に対しては、既に締結している条約を守るように、要求出来ることです。

極端な話、韓国とは交渉しないという選択肢すら、取れるのです。

 

ロシアには、交渉を通じ、譲歩を引き出さないと実現しない。

韓国とは、交渉を拒否し、譲歩しなければいい。

そういう差が、表れているのです。

 

 

プーチン発言を口実に平和条約締結交渉を打ち切り、経済援助もなしで、第二のシナや韓国を自ら作り出さない方が得策

 

ならば平和条約締結の見返りとして、経済援助をする取引も、取り消しにすればいいでしょう。

ロシアに巨額の経済援助することは、実はそれで肥え太りして国力を増し、それで恩を仇で返すようになった、シナや韓国のような存在を作り出すことに、他なりません。

 

台湾のように、日本の援助(とかつての統治)に感謝の意を表す国ならばともかく、ロシアは皆さんもご存じの通り、米英などとさんざんやりあった(あるいは今も)ほどの国です。

仮にロシアが北方領土を大人しく日本に返還したとしても、経済援助で力をつけたら、軍事、外交などから力の外交を展開して、また国益を奪おうと考えるのは、火を見るより明らかでしょう。

 

だから、プーチンの発言を口実にして、平和条約締結交渉の打ち切りを宣言すればいいと思います。

そうすれば、経済援助の話も、立ち消えとなります。

それで日本は、なにも困りません。

 

 

北方領土返還交渉の失敗を苦い教訓として、今後外交で後れを取ることがないよう、次の世代が深く刻み込むべき

 

日ロ間に平和条約がなくとも、日ソ共同宣言で日本と旧ソ連(当時)間の戦争は、ここで法的にも終結することがうたわれた文言があります。

同時にこの条約で、ロシアとの国交が正常化しており、それが平和条約としての効果を発揮しています。

また貿易や人的交流その他、締結すべき取り決めは、この時に大体定められています。

 

ロシアとの間で、課題として残っているのは、正式な国境の画定位でしょう。

しかしお互いの原理原則がぶつかったままである以上、平和条約締結に拘れば、日本が北方領土の領有権主張を取り下げるより、他ならなくなります。

つまりこれが永久にロシア領であると認めて、今後の交渉の余地を、完全になくすことを意味します。

 

それならば、(日本にとって日ロ関係は)今のままの関係の方が、良いことになります。

別に国交を断絶せよと言っているのではありません。

あくまで今のままでいいと言っているだけです。

 

近づきすぎず、遠ざからず。

協力できることは協力するが、それは特別に友好的でもない、普通の国とのおつきあいに止めるべきでしょう。

 

残念ながら、いくら誠意をもって話し合っても無駄な相手は、特亜諸国を見ても明らかなように、世界にはいくらでもいるのです。

 

北方領土が還ってこないことを苦い教訓として刻み込み、同様なことを、二度と起こしてはならない。

それをこれからの世代に伝え、外交で後れを取ることがないように出来るといいですね。