航空自衛隊の宇宙ごみ監視を軍拡競争と批判する、沖縄タイムス | 朱雀ひのでのブログ

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宇宙ごみから人工衛星を守る部隊が、航空自衛隊に発足

 

先月(5月)14日付で、航空自衛隊の府中基地内に、『宇宙作戦隊』が発足しました。

防衛省HPで、その様子が掲載されています。

 

当初は20名程度で編成され、令和5(2023)年度から、本格的活動に入るとしています。

 

活動内容は、宇宙状況監視システムを運用するなど、宇宙空間の安定的利用の確保に資する活動を実施するとしています。

 

要は各国の宇宙開発の進展で、どんどん地球衛星軌道上に増え続けている宇宙デブリ(ゴミ)を監視し、運用中の人工衛星軌道に交差しそうなものがないかをチェックし、その危険があるときは、衛星の軌道を変える情報提供をするという事です。

 

なせそれが必要になってきたかと言えば、それが既に、現実に人工衛星や有人宇宙船、宇宙ステーションなどの運用に支障をきたし始めたからです。

今や、故障または寿命の尽きた人工衛星が、地球衛星軌道上に加速度的に増加、それが運用中の人工衛星の運用の妨げになってきています。

 

実際に宇宙デブリ(ゴミ)と化した元人工衛星やロケットの一部、またはそれらからはく離した部品等によって、人工衛星が軌道を変える必要が出てきたり、あるいはそれが人工衛星に衝突、故障や破壊の原因となったりしています。

国際宇宙ステーションも、デブリを避けるために、軌道を変えたことがあるくらいです。

 

それでも軌道変更で事なきを得たのも、きちんとNASAなどが、人工衛星などの運用に支障が出そうなデブリの存在を把握、常にその動きを監視し、危険を避けているからです。

 

それをNASAなど、いつまでも外国の組織に頼り切るなど、出来るわけがありません。

日本も複数の人工衛星の打ち上げと運用をしている以上、自前で危険を避けるようにするべきです。

だから日本も、そのための専門の組織を作った。

それだけのことです。

 

 

様々な危険が迫る宇宙開発の現実を見ずに、お花畑な主張をする、沖縄タイムス

 

ところがそれを宇宙『軍拡』だと批判する記事が、沖縄タイムスに掲載された模様です。

(リンク切れの際は、注目記事1384参照)

 

そのポイントは、こちらです。

 

1.宇宙を舞台にした米中ロの軍事利用の動きが加速している

2.すでにこれらの国は、ミサイル防衛の衛星や人工衛星を破壊する衛星を保有している

3.トランプ大統領は宇宙軍創設で「宇宙は新たな戦闘領域だ」と明言した

4.今回の部隊発足で、自衛隊と米軍の軍事的一体化が宇宙分野に広がる

5.それによって、日本が軍拡競争に巻き込まれる恐れが払拭できない

6.河野防衛大臣は、米国の衛星が他国から攻撃を受けた場合、安全保障関連法の存立危機事態に当たる可能性があるとの認識を示し、集団的自衛権行使に言及したことがある

7.この前のめりの姿勢に危うさを感じないわけにはいかない

 

 

沖縄タイムスの記事にもあるように、シナやロシアなどは、衛星を破壊する衛星を、既に実用化しています。

それに対応して、自国の人工衛星を攻撃から守ることを、『軍拡』だと、一方的に断罪することが正しいのでしょうか?

 

あくまで『軍拡』だからいけないと言い張るならば、沖縄タイムスは日本政府を批判する前に、シナやロシアを非難し、それを止めさせるように論陣を張るのが筋ではないかと思います。

そもそもシナ、ロシアがその様な衛星破壊兵器を作らなければ、そのようなことをしなくて済むのですから。

 

そして日本が軍拡に巻き込まれる『恐れ』があると言いますが、そのようなものが登場している現実がある以上、既に巻き込まれていると言っていいくらいです。

今更宇宙開発を止める選択肢が取れない以上、『前のめりの姿勢』どころか、対応が遅すぎるくらいです。

沖縄タイムスの記者は、その意味でお花畑すぎますね。

 

 

 

沖縄タイムスの主張通りにすれば、宇宙開発を一切やめるか、衛星破壊に甘んじるしかない

 

あくまで沖縄タイムスが、宇宙『軍拡』に巻き込まれるなと言うなら、取れる選択肢は、以下の非常識な二択です。

 

日本の宇宙開発を、一切やめろと言うか、

あるいは他国から日本の衛星に攻撃を受ける事態になっても、大人しくやられて反撃も抗議もするなと言うか、です。

 

今更人工衛星なしの生活など、不可能なことは沖縄タイムスの記者がいかにお花畑でも、分かるでしょう。

 

GPS衛星なくして、カーナビやスマホの位置情報サービスが、出来ますか?

気象衛星がなくなったら、(沖縄に)いつ台風がやってくるか、分からない時代に逆戻りですが、それでもいいのですか?

衛星放送、衛星通信がなくなれば、マスコミも運営に困るのではないですか?

 

 

カーナビやスマホが使えなくなる事態でも、『(我が国の)存立危機事態』でないと、言い張るのか?

 

そしてアメリカの人工衛星への攻撃が、『安全保障関連法の存立危機事態に当たる可能性』があると、河野防衛大臣が発言したことを、批判めいて『危うさを感じないわけにいかない』としています。

 

本気で言っているなら、情報を取り扱うプロとしては、失格ですね。

無知にも、ほどがあります。

 

先にも言いましたが、(今のところ)アメリカのGPS衛星がなければ、カーナビやスマホの位置情報サービスが受けられなくなることを、忘れてやしませんか?

(日本は独自のGPS衛星「みちびき」シリーズの整備に乗り出してはいますが、現状はアメリカのGPS衛星の補完をしているだけで、将来はともかく、独自にGPSサービスを行える状態には、まだない)

 

これがどこかの国の攻撃で破壊され、運用できなくなったら、たちどころに世界中が大パニックに陥るでしょう。

 

その状況になった時でもまだ、『(我が国の)存立危機事態』ではないと言えますか?

GPS衛星破壊を行うような国(または組織)は、明らかにアメリカを始め、世界中の国から通信手段を奪った隙を狙って、世界を侵略しようとしている状況になっていると、高確率で予測できます。

 

当然その時は、我が国も狙われているでしょうね。

そういう危機意識を持てないのが、日本の主要マスコミかと思うと、ぞっとします。

そしてそういう危機感のない情報が大手を振って歩ける日本を、憂えますね。

 

そういうお花畑な安全保障情報の環境にある日本では、こういう大事な情報が誤って国民に伝わることで、人工衛星、宇宙開発の安全保障が脅かされていることに気づかず、それへの備えが十分に行われない、あるいは後手に回ることを、憂えます。

 

自国の、あるいは自国を利する人工衛星を、攻撃から守ることは、専守防衛の範囲でしょう。

また宇宙デブリを監視し、危険を避けるようにすること、

またJAXAが研究中のデブリ除去技術開発は、危機管理の範囲ですし、平和利用を推し進めることにつながるでしょう。

 

たまたまのデブリ衝突で人工衛星を失った国が、『〇国の攻撃だ』と誤解する可能性もあるのです。

もし増加しているデブリを回収するか、安全に大気圏再突入させることが出来るようになれば、そういうリスクも減らせるのです。

 

 

マスコミ各社は、安全保障については専門の知識を持った人に、記事を書かせるべき

 

これらの点について、記事を書いた沖縄タイムスの記者は、どういう見解をお持ちでしょうかね?

それでもなお、日本政府に『だけ』、宇宙開発を止めろと言いますか?

あるいは人工衛星破壊を、黙って受け入れろと言いますか?

アメリカのGPS衛星が次々に破壊されて、世界中の人々が困る事態でも、問題ないと主張できますか?

 

そこまで考えて記事を書いていないのならば、本当に問題です。

記事を読んだ読者が後ずさりの姿勢になり、みすみす我が国の、ひいては世界を混乱に陥れる誤った政策に手を貸すことになりはしないかと、本当に憂えます。

 

沖縄タイムスに限りませんが、安全保障の問題に関しては、もっと詳しく情報を持った人、しっかり分析できる人に記事を書いてもらいたいと、切に願います。