北朝鮮の核の全面廃棄姿勢はどこまで本気か? | 朱雀ひのでのブログ

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6月初旬ころまでに行われる予定の米朝首脳会談への事前協議が、アメリカと北朝鮮の間で行われている模様です。

その中で北朝鮮が、米国が求める手法による核の全面廃棄に応じる姿勢を示していると米朝関係筋が明らかにした報じられました

(リンク切れの際は注目記事251参照)

 

この報道が事実ならば安心できるのですが、問題はソースが朝日新聞である事から、情報のバイアスがかかっている事への疑念が拭いされません。

もっともミサイルに関してはICBM以外の廃棄について触れていませんので、仮に核の完全廃棄が真実だとしても、ノドン辺りに生物・化学兵器を搭載して、日本に発射してくる可能性が残りますので、これが真実でも油断は出来ませんが。

 

仮に報道が事実だとするならば、そうせざるを得ない程の圧力が、アメリカから相当かかったと見るべきでしょう。

この報道の数日前に、ロイター通信でポンペオ米国務長官が訪朝し、金正恩との会談を行った後の発言についての報道がされています。

(リンク切れの際は注目記事251参照。上から2番目の記事)

 

それによると、金正恩朝鮮労働党委員長に対し、トランプ米大統領と何らかの合意に達するためには核放棄に向けて「不可逆的な」措置をとることに合意しなければならないと伝えたと、29日に放送されたABCニュースのインタビューで明らかにしたとしています。

 

ポンペオ米国務長官が『強い意志を込めて使っている』とした、『不可逆的』という言葉。

この言葉は、『慰安婦問題』に関連する『日韓合意』でも、使われた言葉である事は、皆さんの記憶に新しいかと思います。

 

この言葉が入っていたがために、韓国はそれ以降、日本に『自主的な合意への追加措置』を希望するのがやっとで、積極的に日本を攻撃できず、内外の問題に対して日本に救援、支援を求めづらくなっています。

 

あの韓国ですら表立っての日本非難が、それ以前より難しくなっているのです。

日韓合意の仲介を行ったアメリカが、その姿を目の当たりにして、コリアンの扱い方を少しは学習したのでしょうね。

 

そしてアメリカは、日本の様に甘い相手ではありません。

というよりは、日本が甘すぎ、お人好しすぎるだけです。

他国なら『不可逆的』の文言を盾に、とっくの昔に国家間条約の不履行に基づく様々な制裁に走っていたと思います。

 

金正恩との会談後、ポンペオ米国務長官が「『不可逆的』という言葉は強い意志を込めて使っている」と述べ、「非核化が実現することを示す取り組みを要求していく」と言い切っているのです。

ブラフを含め、決定的に金正恩を追い詰め、アメリカに屈服せざるを得ない『強い意志』をぶつけられたのでしょう。

 

『強い意志』がどういうものなのか想像してみると、

 

1.核兵器とミサイルについて、完全かつ不可逆的に放棄、廃棄しろ

2.これまで不当に拉致した人間を一人残らず、それぞれの故国へ無条件で返せ

3.仮に米朝首脳会談で1、2を約束しても、着実に履行しない限り制裁は解かないし、少しでも約束を違える事は、許さない

4.国家体制の保証などは、1、2を完全に履行してからの話だ

5.以上の事について、一つでも応じないなら、北朝鮮をこの世から消し去るまで叩く

6.その時に北朝鮮を擁護する者(国)がいたら、同じ運命をたどることになるだろう

 

この辺りではないでしょうか?

 

この想像が当たっていれば、さすがの金正恩も、折れざるを得ないでしょうね。

ただ報道が真実を伝えているかは、しばらく推移を見ないと分かりません。

仮に真実であったとしても、核とミサイルの放棄の取り決めを、親の代から何度も破っているのが北朝鮮です。

その意味で米朝首脳会談が本当に実現するのか、実現したとして北朝鮮が誠実に条約を履行するのか、まだ分かりません。

 

金正恩が真実アメリカに屈服したと願いつつも、大きな期待をせずに、核とミサイルを完全に放棄し、拉致被害者を一人残らず返したことが確認できるその日まで、油断なく推移を見守りたいと思います。