斎藤光正監督 捜査網その27
斎藤光正監督を勝手に解説
「大江戸捜査網」でテキストとするのは
第3シリーズ第71話「音次郎 撃たれる」です
その9回目!全然終わらない
背景の空画(からえ)に
画面右側から胡蝶がフレームインしてくる
表情は憂いに満ちている
場所は橋の上
表情から入れば、どういう気分で
この場所にいるかが先に理解できるので
この編集は素晴らしい
定石はロングで場所紹介(もしくは場面転換)してから
顔のUPなんですよ
逆にするのが良い!
そうすると川面も寂しい感じに見えてくるんだよなぁ
石を川に投げる胡蝶
空虚な感じが良い
そこに十蔵の旦那がやって来る
『どうした?胡蝶』
お互いの探査に成果が見られず
ツライ2人
胡蝶『こっちは隙を見せてるのに一向に引っ掛かってこない』
胡蝶『十蔵さんは、音さんの敵(かたき)を取りたくないんです?』
胡蝶の表情から音次郎に恋心を抱いているムードが感じられるのが良い
それを察して答える十蔵
『俺も胡蝶と同じ気持ちだよ…いや、それ以上かもな』
と、あえて恋心には触れずに行くスマートさよ!
大人の余裕だよ!
しかも、最初の杉良太郎時代から
ずっと隠密同心をやっている井坂十蔵にとっては
仲間がやられる事は、さぞツラかろう
と、その時!
防火用に積んである天水桶(てんすいおけ)に
急に野良猫が飛んで来て『ウギャーーゴ!』と叫ぶ
野良猫の声に反応して画面奥の天水桶を見る2人
人の気配を感じた2人は
急に話しをそらす
『寒くなってきたなぁ〜早く飲みに行こう』
『そうね』と画面右にフレームアウト
フレームアウトとともに
天水桶にズームインすると
先程の春風亭小朝似の手下が顔を出す!
やはり尾行されていた!
そしてそれに気づきながら泳がす2人
なんかここまでのシーンは
十蔵と胡蝶の仲間意識が感じられる
良い空気感が漂っていて好きです
ちなみに
隠密行動が「芸者」で被る2人は
基本的に同じ話しに出ることは無いのだが
この第71話が唯一
胡蝶とお紺が共演した珍しい回である
続きは次回
斎藤光正監督 捜査網その26
斎藤光正監督を勝手に解説
「大江戸捜査網」でテキストとするのは
第3シリーズ第71話「音次郎 撃たれる」です
その8回目!
十蔵の旦那が、酒場で割り符を見せびらかせて
まんまと餌に食いついた敵
十蔵の腰の二本差しのUP
からの…(UPから入るアニメ的なカット割りが好きな斎藤監督)
行燈ゴシで奥へ歩く十蔵を見ている手下(春風亭小朝似)
『あの浪人者です』
後ろには今回の敵のリーダー格の侍の腰が映っている
刀を構え直す
SE『カチャッ!』(本当はこんな音はしないが、それっぽい)
構え直す事で殺して割り符を奪う決意を感じるのと
おそらく次のカットで手下侍が襲い始めるので
襲撃の合図ともとれる
とにかく、構え直すSE『カチャッ』キッカケで
わらわらと湧いてくる手下侍ども
しかし、十蔵の旦那は
こんな雑魚は一蹴!
強い!絶対に強い!©️黄金バット
ずっと行燈ナメshotのままワンカット!
リーダー格の侍が覗いている感
手下侍が逃げ散ったあと
リーダー侍が出て来る
腰のUP
睨みつける十蔵の旦那
顔は丸出しのリーダー侍
さらに睨む十蔵!
顔をしっかり覚えるためと思われるが
相手へのプレッシャーもかける!
ここからワンカット開始
刃を交えずに去るリーダー侍
画面左側にフレームアウト
画面演出上も時間の流れに逆らわない方向へ移動する事でスルッと流れていく印象を出す
しっかり画面演出の法則に則っている
肩透かしの十蔵
踵を返して奥へ歩き出すと、すかさず画面下から
小朝似の手下がフレームイン!
このフレームインのタイミングが抜群!
映画だと、少しタメてからフレームインしてくるだろうが
テレビは次々に進行していかないと放送尺に入らない
「太陽にほえろ!」解説でも書いたが
マンション1階の駐車場を使って
車の180度ターンをしたあとすぐに
手下を捕まえた殿下と長さんがフレームインしてくるタイミング!
視聴者が休む暇が無い
ジェットコースタードラマの先駆者か?斎藤光正監督は!
企んでいる目をしている
振り返って十蔵を見る
このあと尾行開始する事を
視聴者に察するよう仕向けた演出!
ここまでワンカットだ!
ムダがない!
画面演出によって
水が下流に流れるが如く
スムーズに話しが進んで行く
これが斎藤監督の真骨頂!
次回に続く
斎藤光正監督 捜査網その25
斎藤光正監督を勝手に解説
「大江戸捜査網」でテキストとするのは
第3シリーズ第71話「音次郎 撃たれる」です
その7回目!
音次郎を撃った侍を探す事になった隠密同心たち
ロウソクのUP!
からの…
ナレーションで
『それから胡蝶と十蔵の探索が始まった!』
ここからワンカット開始!
ロウソクの炎ナメshotのまま
お座敷にやって来る胡蝶をカメラはフォロー
『とりわけ胡蝶は身体を張って隙を見せて敵が現れるのを待った』
と、軽く言っているが、大人になってから聞くと
「身体を張って」が酒を飲み続ける事なのか
エロい事も含むのか非常に気になる(中2病か?)
続いて、十蔵のワンカットターン開始
酒を飲んでいる浪人のところへ
割り符を見せながらフレームインしてくる十蔵の旦那
『こんな物を拾ったんだが何かの取り引きに使うらしい』
割り符を見せながら店の奥へ進む
十蔵をカメラがサイズを変えながらフォロー
『コイツで一儲けしようとした俺の友達が命を狙われてケガしたんだ』
『人の命より高いモノだ。誰か買ってくれないか?』
『一両でどうだ?ダメか?』
その話しに聞き耳を立てる春風亭小朝似の男
『やっぱりダメか…』と十蔵
店の奥へ行くとカメラ手前に怪しい男が
フレームインしてくる
何という分かりやすいカット!
そして計算され尽くしたカメラワーク!
まんまと十蔵の罠に敵が引っかかってきたところで
次回に続く
斎藤光正監督 捜査網その24
斎藤光正監督を勝手に解説
「大江戸捜査網」でテキストとするのは
第3シリーズ第71話「音次郎 撃たれる」です
その6回目!
サブタイトルが出てCM
そのあとからです
いつもはあまり出番のない
隠密支配の内藤勘解由(ないとう・かげゆ)が
出ずっぱり
CM明けの最初のカット
障子の空画(からえ)に画面左から
内藤の神妙な顔がフレームイン
治療を受けている音次郎(里見浩太朗)
医師は『そぉぉぉぉなんです山本さん』(ざ・ぼんち)でお馴染みの山本耕一
額の汗をお紺に拭いてもらいながら
弾丸を取り出す難易度の高い治療
見守る隠密同心たち
今回は「不知火お吉」はお休み
左肩から弾丸が出て来る
うつ伏せで治療をしているので背中から弾丸が出てきた事になる
撃たれたのは正面からなので
正面から入った弾丸が背中に近いところにあるとは
貫通寸前で結構なダメージを負っている
音次郎は意識がない感じ
手術用具ナメshot、
肩口の弾丸は取り出せたが
もう1発の弾丸は
『心の臓のすぐ上に弾があり、私の腕では取れません』
と、ギブアップ
画面半分が黒い
その下からフレームインしてくる内藤様
目ヂカラが強い!
新式鉄砲を大量に仕入れて
謀反を起こそうとしているヤツらを
何とか成敗しなくてはならない
と話す内藤様
ゴシshot!
音次郎は動けないから
胡蝶、お紺、十蔵の3人でやるしかない
(お吉はお休みなので)
先程は黒い物体だったのが
今度は茶色物体のゴシshot!
この衝立てだった
このあと各々の捜査が始まる!
監督は、カメラマンに
ゴシshotを撮る指示を出す時に
どう理由付けをして撮ってもらっているのか気になります
何で「ゴシshot」にすんの?
と言われて
理由を言わないと撮ってもらえないよなぁ
京都の撮影&照明スタッフって厳しいと聞くからなぁ(勝手なイメージ)
次回に続く
斎藤光正監督 捜査網その23
斎藤光正監督を勝手に解説
「大江戸捜査網」でテキストとするのは
第3シリーズ第71話「音次郎 撃たれる」です
その5回目
カット割が独特過ぎてほぼ全カット紹介したいが
さすがに引用の範囲を超えるので適当に端折りながら見ていきましょう
敵の手に落ちてしまった「胡蝶」を助けに
1人で敵が待つ光明寺へ
縛られている「胡蝶」の縄を目掛けて小刀を投げて
縄を切る音次郎
逃げようとする「胡蝶」!
しかし、音次郎は拳銃で2発撃たれる!
まずはロングshotで1発「バキューン!」
2発目はカメラ向きの拳銃の銃口で「バキューン!」
(1秒ないくらいの短いカット!)
肩口を撃たれる音次郎!
着弾をキチンと見せる!(↑写真のピンクの部分が着弾の仕掛け)
たまらずのけぞる音次郎
振り返る「胡蝶」の短いインサートカット!
『音さん!!』
斎藤監督はこういう短いインサートカットを好んで使用する
振り返る、目線を送る、瞬きする、口元が動く、などなど
動きがあれば短いカットでも認識できる人間の動体視力の特徴を生かした効果だ
そのあと、フカンshotで
倒れている音次郎と
割り符を奪おうと集まってくる侍たちを見せる
その時、町方同心が仲間を呼ぶ時に使用する笛の音が鳴り響く!
立ち止まる侍たち
町方に顔を見られてはマズいので逃げる
このタイミングで脚本家の名前テロップ
そう、「大江戸捜査網」は本編中の序盤に脚本家と監督の2人のみテロップが入るのが決まり
いつも、このサイズで下位置に名前テロップが入るのだが
今回は、このフカンshotのまま2人分の名前テロップが入る
見事に見せたい物を避けてテロップが乗る
あらかじめテロップが入るスペースを空けていたかのように…
ワザとだとしたら恐るべし斎藤監督
侍たちが逃げたあと
画面右上の格子戸を蹴破って
十蔵の旦那が登場!
画面左上からは「お紺」も登場
1人で行くと言っていた音次郎に何かあった時のために
現場に来ていたのだ
何という絆!©️エースをねらえ!
町方同心が踏み込んで来ないのは笛を吹いたのはおそらく十蔵の旦那だから
(特に説明は無い)
『音さぁーーん!』胡蝶の悲痛な叫びが響く
袖から血が流れているUPから
カメラが右→へPANすると
撃たれた肩口を押さえている
痛みを堪えて
口をパクパクする音次郎
ここでサブタイトル!
『音次郎 撃たれる』!
この場面そのままのサブタイトル!!
シビレマスね…
「大江戸捜査網」はいつもこのサブタイトルが入ってCMです
もうここまでで斎藤監督らしさが爆発してます!
続きは次回










































































