スザリーナ・ジョリーのブログ -2ページ目

バルタンの星を探して(第十六回)飯島敏宏監督の凄さ

飯島敏宏監督を勝手に解説

今回は「ウルトラセブン」第38話「勇気ある戦い」の続きで

この回にやたらと多い移動ナメshotドリーを紹介します

写真枚数限界があるので2カットしか紹介できません


心臓手術を受けるよう説得にやって来たダン

『意気地がないぞオサムくん!』

『でも…』

恐怖を抑えられず上手方向へ逃げ出すオサム君

『オサムちゃん!』

上手方向(右)は流れに逆らう、抵抗するという意味のある方向

演出的にも基本を押さえているさすが飯島監督!

観葉植物が何鉢も手前をよぎる!
(病室に鉢植えは「病室に根付く」という事から御法度なんだが笑)

その緑のブラインドを利用して…

病院の外にある庭園ドリーshotに繋ぐ

手前の植物ブラインド🪴により

特殊効果無しで普通にカット繋ぎ(カメラの動きのアクション繋ぎ)が素晴らしい

病院出入り口から出るところなど

すっ飛ばして即、庭園の画になるスピード感!

こちらは石製プランターの植物をカット頭でナメる事で

病室の観葉植物🪴のブラインドと上手く繋ぐ役割りに!

繋ぎのカット割りの天才さよ!

庭園の池横を走るオサム君

追いかける姉とダン

『オサム!…オサムちゃん!』

白衣の天使 看護婦(この時代の呼び方)とすれ違わせて

病院内の庭園感をしっかり出すが

こんな庭園ある病院ってどんな大規模な病院だよ!

防衛軍関係者専用病院か?

次々と様々な形の植物をナメながらドリーで

視覚的にも飽きさせない

不安を煽るブリッジ曲を1曲丸々聴かせて…

手術医のユグレン博士の事を

セリフでさりげなく説明したあと


さらにオサム君の説得を続けるダン

オサム君の肩に手をかけ

またも上手方向へ歩き出す↓

嫌がるオサム君に「抵抗」して説得しようとするから

「上手方向」へ移動する

謎の白鳥もどきの像ナメshotから上手方向へドリー

『ウルトラ警備隊がどうしてあんな素晴らしい戦いが出来るか分かるかい?』

移動しながら手前を樹木🌲が通過

枝垂れてる緑がいくつも手前をナメてドリー

この間はオサム君の説得という飽きるセリフ展開部分を

手前をナメshotのドリーでカットを割らずに

ワンカットで済ませる力技の演出!

これをセリフでカット割りしたら確実に飽きる所を

ワンカットという緊張感を持続させる手法とナメshotドリーで間を持たせるという手法を組合せる!

素晴らしいテクニック!

見返してみたけど

この説得では

手術への恐怖感は払拭できません、俺がオサム君なら笑


まあ、だからダンが来なかったので

大暴れする事になるんですけど


この回はまだ長尺ワンカットシーンがあるので

次回も紹介します


つづく



バルタンの星を探して(第十五回)飯島敏宏監督の凄さ

飯島敏宏監督を勝手に解説

今回は「ウルトラセブン」第38話「勇気ある戦い」


最後まで観てもこのサブタイトルが何を指しているのか分からない

心臓手術を受けるオサム君はダンが手術に立ち会わないと手術受けない!と、

ゴネるような勇気のないヤツだし

どこかに潜入するとかの勇気ある行動もない

大人になっても未だに分からない

俺はアホなのか


閑話休題


この回は何故か実相寺昭雄監督っぽい手前にモノを置いた画が多い

所謂「ナメshot」だ

ヘルメットと通信機ナメのキリヤマ隊長

隊長とソガ隊員ナメのアンヌ&フルハシ

ヘルメットナメの隊長&ソガ隊員

病院の階段を登るダン

手前を手すりナメshotのままダンをフォローするカメラ

ナメshotながら、飯島監督はこういう移動shotを多用するし使い方が上手い


この回はとにかく長尺の移動shotが多いので

1発撮りで出演者も苦労したかもしれない

セリフも多いし…

心臓手術を受けるオサム君の姉ユキコ(アンヌの友人)が

ダンナメshotで挨拶(美人感を漂わす)

オサム君の病室へ入るダン

ここからカメラはダンを追って左にドリーする

手前を棚やカーテンがナメて行き…

カーテンとベッドのパイプナメでカメラが止まる

手前を色んなモノが通り過ぎる事で

飽きない効果があるとともに

背景があまり見えないのでセットを作りこまなくてよいという利点がある

手術を嫌がるオサム君をなだめるダン

カーテンのパイプナメshot!

とにかくナメshot多用!


実相寺っぽい画を撮ってみたかったのか?

カメラマンが直前に実相寺昭雄付きだったのか?

と思うぐらい飯島監督らしからぬナメshotの応酬!

余程、病室セットがショボくて

壁のカキワリと花瓶のある机とかしかなく

カーテンで隠すしかなかったか?

そもそも実相寺昭雄監督も基地のセットが狭過ぎるのを隠すためにナメshotを多用したというからなぁ



外に出ても

花をナメる!

切り返してダンも

花ナメshot!

と思ったら池の彫刻像もナメる!

3shotも花をナメる!

どうかしちゃったのか飯島監督は?

と、心配になる

俺が心配する必要ないけど

ホーク1号でクレージーゴンを追っていたら

その前にUFOらしき飛行物体(バンダ星人の宇宙ステーション)が見えて

『あれは何だ!』と叫ぶコクピットの画が↓コレだ

こんな狭い所から覗くように撮るのは

実相寺しかいない

しかも1秒もない短いカット!

余程コクピット内のセットを組むのが面倒くさかったのか?

これだとほとんど背景が見えないからラクですよね



次回は長尺で移動しながらのナメshotを紹介します




つづく



バルタンの星を探して(第十四回)飯島敏宏監督の凄さ

飯島敏宏監督を勝手に解説

今回は「ウルトラマン」第17話「無限へのパスポート」のつづき



自衛隊、じゃなかった防衛隊が出撃!

61式戦車がブルトンに迫る!

ようやくブルトンの全身が見える

テトラポッドにフジツボが貼り付いたような?

サザエのような?不思議な形


シュールな話しなので

おそらくシュールレアリズムの詩人アンドレ・ブルトンからの命名か?

主砲が火を噴く61式戦車

東宝特撮班からの借り物らしい

この謎の怪獣との戦いを

どうやって画にするのか?

写真無いけどこのあと戦車が空を飛ばされて爆発する

そして、その空から

我らがファントムIIが飛来する

フジツボの穴から出てきた

2本の金属棒

二枚貝の入水管と出水管のイメージか?

とにかく何かしらのビーム発射!

ビームを浴びたファントムIIは

何故か地を這う(戦車と逆)

そして爆発

シュール過ぎる描写

飛行機が地面の上を芋虫のようにモゾモゾ動くとは

どういうイメージなんだ笑

やたらと金属棒が出てくる

サザエがウニになるのか?

人形になったウルトラマンが高速回転(筆者が嫌いな人形ウルトラマン)

回転が好きな飯島敏宏監督❤️

何らかの念力で空間を歪ませる金属棒が破壊される

すかさずスペシウム光線発射!

モロに食らう

爆発するブルトン

たまらず空に逃げようと浮かぶ

追っかけスペシウム光線(えげつないウルトラマン笑)


ブルトン大爆発!!

爆発して終わりかと思ったら…

さすが四次元怪獣!

ウルトラマンの手の上で、ミニサイズに縮んでいた(何故?)

風船が萎むみたいに四次元エネルギーを失ったのか?(知らんけど)

そのミニサイズブルトンを握り潰す

煎餅を噛み砕くようなSEが付けられている(笑

どこまでもえげつないウルトラマン

最後に握り潰すって!(笑

シュッワッチュ!

「科特隊宇宙へ」の飛行シーンの使い回し!

使い回せるところはとことん省力化!

素晴らしい!

ウルトラマンvsバルタン星人二代目のバトルに比べたら

何と短くて内容の薄いバトルシーン!

しかも握り潰す!(笑


バトルシーンが短いのが気にならないぐらい

前半の巨大ブルトン出現前のウエイトが多い

まあ、ブルトン相手にいつもの怪獣プロレスをするわけにもいかないし

飯島敏宏監督は頑張った!


結局ブルトンが何をやりたかったのか全く分からないし

解明もしない投げっぱなしのウルトラQ方式(笑



飯島敏宏監督作品ではないが

ジラース戦でもエリマキを引きちぎり

闘牛士ムーブをしたり

シュワッハッハッハと笑ったり

ウルトラマンは、結構サイコパスなところがあるが

そこが良い


体力勝負のウルトラセブンとは違う

だから最後セブンは体力が無くなって上司に止められる


次回につづく








バルタンの星を探して(第十三回)飯島敏宏監督の凄さ

飯島敏宏監督を勝手に解説

今回は「ウルトラマン」第17話「無限へのパスポート」のつづき


とにかくブルトンとウルトラマンの戦闘時間を減らして

ドラマ部分で盛る努力が垣間見えます


赤と青の隕石が合体するとブルトンに変身!

科特隊基地と霧で隠して

なかなか全身を見せてくれない

コイツ一体どういう奴なんだ!

出オチみたいな怪獣ですから

そりゃ引っ張るよなぁ

針金みたいなアンテナ?で空間を歪ませる



またまた飯島監督お得意の画面回転!

天井からぶら下がる天地逆の世界に

ネクタイやスカートが捲れ上がらないのは

画面上に重力が働いているからか

わざわざ、この1カットのために天地逆のセットを作ったのか!

アラシ隊員とムラマツキャップが走る!走る!



何回かカメラ前を遮るような柱が通り過ぎているうちに


何か茶色い柱をワイプ代わりにして

(ピシャァァァァッとSEと共に)

まったく違う芝生広場へ繋がる

階段を登るイデ隊員と、博士と助手

助手のスカートからのぞく

ふくらはぎへズームUPしていくと

またピシャァァァァッSEが鳴り

草が生える外へ!

瞬間移動!

いつのまにか

外の階段を登っていた3人

それが空へ続く階段だった

多分同じ階段を切り抜いて合成してある

ダリの絵か?と思わすシュールさだ

特撮合成で天国への階段©️レッド・ツェッペリン



基本は撮影したフィルムを繋いであるだけの

頭脳的な省力化!

2本担当で「科特隊宇宙へ」で特撮を頑張りまくったので

こっちはかなり省力化して製作費のバランスをとっていると思われる


空間が捻じ曲がって違う場所に繋がるシーンは

特撮を使わない場合は繋ぎをどうするかかなり考えて撮らないと結局特撮を使うしかなくなるので

今回は飯島監督の手腕が生かされてます!


ただし、ブルトンとウルトラマンの戦いは画にならないので

自衛隊戦闘機や戦車との対戦シーンで尺を稼いでるのが微笑ましい

それは次回


つづく







バルタンの星を探して(第十ニ回)飯島敏宏監督の凄さ

飯島敏宏監督を勝手に解説

今回は「ウルトラマン」第17話「無限へのパスポート」


飯島監督は、今回のブルトンとか、第5話のグリーンモンスとか

どう動かすか想像もつかない怪獣を扱う事が多いけど自分から選んでるのか?(笑

だとしたら素晴らしいチャレンジャーだ!


世界的冒険家イエスタデイ氏が拾ってきた青い隕石がV字に変形!

どことなくキングジョーの腰部に似てる

そのV字隕石が時空を歪ませる!

オプチカル合成で部屋が回転!

出ました!飯島監督の好きな画面回転だ!


回転が分かりやすく見えるように

カーテンも四角模様



この時空の歪みはイエスタデイ氏を1週間後に飛ばし、隕石自身も飛んで行く

その隕石を拾った川口博士がスペキュラー熱線を当てるとここでも隕石がV字変形!

なんか気持ち悪いデザイン

それが良い

ハラミ肉に見える笑

川口博士の研究所も空間の歪みが発生

今回は時間ではなく空間が捻じ曲がる

セリフが無く謎の音が鳴っているのが

異世界っぼさを表す


異変を察知した助手が外へ出ようとと

ドアを開けると…

謎の世界観

右下にある模様は新宿駅地下道のアレか?

どういうイメージなんだコレ?

大林宣彦監督の「漂流教室」か?

助手がたまらず飛び込むと…

ドア外は照明で白トバシ(多分スタジオのホリゾント)

スタジオにドアのセットを置いて出ていくだけの省力撮影!

謎の世界ではなく、研究所の外へ!

この円形ドームは実相寺昭雄監督のジャミラの回でも登場するロケ地です

(旧 東京よみうりカントリークラブの讀賣スタードーム)

「どこでもドア」の様なセットも無く

助手の飛び出すアクション繋ぎだけで

空間が繋がっているように見せる力技の演出が素晴らしい!


イエスタデイ氏は別の博士が持っている赤い隕石と一緒にすると危険だと言う

(ちゃんとホシノ少年を出演させてます!律儀な飯島監督)

なのに、何故か

最初の青い隕石と、赤い隕石を一緒のケースに保管してしまう

赤いライティングで不気味な雰囲気を出している

ここまで怪獣の話しではなく

謎の隕石に翻弄される人達の話しなのだ

「ウルトラQ」っぽい

こんな地味なストーリーなのにテンポの良さと特殊効果で全然飽きません


飯島監督の演出力!


掲載写真枚数の限界なので

次回に続く